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Cuk コンバーター

この例では、非絶縁型 Cuk コンバーターの動作を説明します。

説明

非絶縁型 Cuk コンバーターは、昇降圧コンバーターと同様に、生成する出力電圧 (Vout) を入力電圧 (Vin) より大きくすることも小さくすることもできる DC/DC パワー コンバーターです。ただし、インバーター コンバーターであるため、出力電圧は入力電圧と極性が逆になります。Cuk コンバーターのトポロジでは、コンデンサ C1 が、入力からエネルギーを蓄えて出力に伝達する主要な手段として機能します。このコンバーターの利点は、入力電流 (IL1) と出力段に電力を供給する電流 (IL2) のいずれにもあまりリップルが見られないという点です (これら両方の電流がかなり不連続である昇降圧コンバーターとは異なっています)。C1 の前後で電圧が一定であると仮定すると、Cuk コンバーターの理論的な伝達関数は次のようになります。

$Vout / Vin = -D / (1-D)$

ここで、$D$ はデューティ比です。

この例では、コンバーターは 12 V の電源から 50 W の負荷に電力を供給しており、PWM 周波数は 50 kHz に設定されています。

シミュレーション

シミュレーションを実行し、Scope で波形を観察します。負荷電圧 (Vout) の平均値が次の理論値に極めて近いことを確認してください。Vout = -0.294/ (1 - 0.294) * 12 = -5 V。

参考文献

Ned Mohan, Tore M. Undeland, Power Electronics: Converters, Applications, and Design, John Wiley & Sons.