Artifactory リポジトリからのインストールの構成
JFrog® が公開している Artifactory® は、バージョン管理、アクセス制御、CI/CD 統合をサポートするアーティファクト リポジトリ マネージャーです。コマンド ライン ツールの MATLAB® パッケージ マネージャー (mpm) を使用すると、ユーザーは組織の Artifactory リポジトリから MathWorks® 製品をダウンロードしてインストールできます。このトピックでは、MathWorks 製品のみを対象として、組織の Artifactory リポジトリからのインストールを構成する方法を説明します。(Artifactory リポジトリからのサポート パッケージのインストールは、現在サポートされていません。)
インストール構成のワークフロー
組織の Artifactory リポジトリから MathWorks 製品のインストールを構成するには、次のようにします。
リポジトリのフォルダー構造を設定し、リポジトリから製品をインストールするために必要な JSON 構成ファイルを作成します (1 回限りの手順)。
mpm downloadを使用して MathWorks から製品をダウンロードします。製品を組織の Artifactory リポジトリにアップロードします。

MathWorks 製品の新しいリリース、または更新リリースごとに、上記の手順 2 と 3 を繰り返します。
これで、ユーザーは mpm install と構成ファイルを使用して、リポジトリから製品をインストールできるようになります。

リポジトリの設定と構成ファイルの作成 (1 回限りの手順)

Artifactory から製品をインストールするために必要な、リポジトリを設定する 1 回限りの手順を実行します。
リポジトリの設定
MathWorks 製品を保存するために使用する Artifactory リポジトリを設定します。
Artifactory で、新しいリポジトリを作成するか、既存のリポジトリを再利用します。いずれの場合も、リポジトリのタイプは [汎用] に設定する必要があります。サンプル リポジトリ URL:
http://artifactory.example.com/artifactory/my-repoArtifactory リポジトリの最上位フォルダーに、MathWorks リリースを保存するための
MathWorksという名前のサブフォルダーを作成します。サンプル フォルダー構造:MathWorks/後続の手順で MathWorks から製品リリースをダウンロードしたら、それらのリリースを
MathWorksサブフォルダーにアップロードします。各製品のリリースおよび更新は、MathWorksフォルダーの下にある個別のサブフォルダー (例:R20XXaU0、R20XXaU1など) に保存されます。このサンプル フォルダー構造は、複数のリリースと更新がアップロードされたリポジトリを示しています。MathWorks/ R20XXaU0/ R20XXaU1/ R20XXaU2/ ... R20XXbU0/ R20XXbU1/ R20XXbU2/ ...
構成ファイルの作成
ユーザーが製品をインストールできるようにする JSON 構成ファイルを作成します。このファイルには、インストールに必要なリポジトリに関する情報が含まれています。
JSON ファイルを作成します。たとえば、
my_repo_config.jsonです。次の内容を JSON ファイルにコピーします。
{ "repository_configuration": [ { "name": "my-repo", "url": "https://my-artifactory-instance/my-repo", "type": "artifactory", "repository_layout": { "mathworks_products": "MathWorks" }, "auth": { "type": "token", "access_token": "${ARTIFACTORY_ACCESS_TOKEN}" } } ] }リポジトリに合わせて JSON ファイルのフィールドを変更します。
"name"— Artifactory リポジトリの名前。"url"— Artifactory リポジトリの URL。"type"— リポジトリのタイプ。現在、サポートされているリポジトリ タイプは"artifactory"のみです。"repository_layout"— Artifactory リポジトリのフォルダー レイアウト。repository_layout内の各サブフィールドは、インストール可能な MathWorks ソフトウェアを保存するサブフォルダーを定義します。サポートされているサブフィールド:"mathworks_products"— MathWorks 製品リリースを含むサブフォルダーの名前。たとえば、構成ファイルに次のフィールド値が含まれているとします。... "url": "https://my-artifactory-instance/my-repo", ... "repository_layout": { "mathworks_products": "MathWorks" }, ...R2026aU0用の製品をインストールする場合、mpmは次の URL で製品を検索します。https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R2026aU0
"auth"— リポジトリにアクセスするための認証の詳細。サポートされているサブフィールド:"type"— 認証タイプ。現在、サポートされているタイプは"token"のみです。"access_token"— リポジトリにアクセスするユーザーを認証するために使用するトークン。IT 管理者からアクセス トークンを取得した後、そのトークンをARTIFACTORY_ACCESS_TOKEN環境変数に設定します。環境変数の設定については、組織の手順に従ってください。サンプル構文:ARTIFACTORY_ACCESS_TOKEN=abc123xyz456次に、JSON ファイル内の
access_tokenフィールドで、次の構文を使用して環境変数名を指定します。"access_token": "${ARTIFACTORY_ACCESS_TOKEN}"または、環境変数を設定する代わりに、JSON ファイル内でアクセス トークンを直接指定することもできます。以下に例を示します。
"access_token": "abc123xyz456"
JSON ファイルは、共有ドライブなど、ユーザーがアクセスできる場所に保存します。ユーザーが Artifactory リポジトリからファイルをダウンロードできる場合は、ファイルを Artifactory リポジトリにアップロードすることを検討してください。
製品のダウンロード

Artifactory にアップロードする特定のリリースの製品をダウンロードするには、mpm を使用します。ISO や DMG イメージなど、他のソースからダウンロードした製品はアップロードできません。
MATLAB パッケージ マネージャーの入手の手順に従って、
mpmの最新バージョンを取得します。mpm downloadを使用して製品をダウンロードします。たとえば、Linux® (glnxa64) および Windows (win64) プラットフォームの両方で使用するために、Simulink® と Deep Learning Toolbox™ の初回リリース R2026a (アップデート 0) をダウンロードします。<USER>は、使用しているコンピューターのユーザー名に置き換えてください。mpmにより必要な製品である MATLAB もダウンロードされます。Linux または Mac:
./mpm download --release=R2026aU0 --destination=/home/<USER>/Downloads/R2026aU0 --platforms=glnxa64 win64 --products=Simulink Deep_Learning_ToolboxWindows®:
.\mpm.exe download --release=R2026aU0 --destination=C:\Users\<USER>\Downloads\R2026aU0 --platforms=glnxa64 win64 --products=Simulink Deep_Learning_Toolbox多数の製品をダウンロードするには、
--inputfileオプションを使用して、入力ファイルで製品を指定します。詳細については、mpm downloadリファレンス ページの入力ファイルを使用した製品のダウンロードの例を参照してください。
R2026aU0 フォルダーは、次の構造になっています。
R2026aU0/
archives/
mpm/
ProductFilesInfo.xmlR2026aU0 フォルダーには、次のファイルとサブフォルダーが含まれています。
archives— ダウンロードした製品を含むサブフォルダー。mpm—mpmの--platformsオプションで指定した各プラットフォーム向けにダウンロードされたmpmのバージョンを含むサブフォルダー。次のサンプル構造に示すように、ユーザーはこれらのmpmバージョンを使用して製品をインストールできます。mpm/ glnxa64/ mpm win64/ mpm.exeProductFilesInfo.xml— 製品に関する情報を含むメタデータ ファイル。
Artifactory への製品のアップロード

前のセクションでダウンロードした製品を Artifactory にアップロードします。Artifactory ではフォルダーのアップロードがサポートされていないため、ダウンロードしたフォルダーを最初に ZIP ファイルに圧縮する必要があります。圧縮およびアップロードを行う前に、このフォルダーの構造や内容を変更しないでください。
任意のツールを使用して、ダウンロードしたリリース フォルダーを ZIP ファイルに圧縮します。たとえば、ダウンロードしたフォルダーに移動し、
zip(Linux または Mac) またはtar(Windows) を使用して、親フォルダーであるDownloadsに ZIP ファイルとして内容を圧縮します。Linux または Mac:
cd /home/<USER>/Downloads/R2026aU0 zip -r ../R2026aU0.zip ./* cd ..Windows (コマンド プロンプト):
cd C:\Users\<USER>\Downloads\R2026aU0 tar -a -c -f ..\R2026aU0.zip * cd ..ダウンロードした製品の数によっては、この処理に数分かかる場合があります。圧縮された ZIP ファイルには、この例に示すサブフォルダーおよびファイルが含まれている必要があります。
R2026aU0.zip archives/ mpm/ ProductFilesInfo.xmlArtifactory リポジトリ内の
MathWorksフォルダーに、ZIP ファイルをアップロードするためのサブフォルダーを作成します。このサブフォルダーを作成するには、JFrog CLI または任意のツールを使用します。以下の例は、HTTPS Web リクエストを行うコマンド ライン REST API であるcurlを使用してフォルダーを作成する方法を示しています。Linux または Mac:
curl --user <USER>:<PASSWORD> \ --request PUT \ "https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R2026aU0/"Windows (コマンド プロンプト):
curl --user <USER>:<PASSWORD> ^ --request PUT ^ "https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R2026aU0/"curlコマンドには、次のオプションが含まれています。--user <USER>:<PASSWORD>— ユーザー名と Artifactory パスワードを指定します。または、アクセス トークンを使用している場合は、--user <USER>:<PASSWORD>を追加ヘッダー--header "Authorization: Bearer <TOKEN>"に置き換えます。--request PUT— アップロードによってリポジトリが変更されるため、PUTリクエストを使用します。https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R2026aU0/— Artifactory 上に表示されるフォルダーの URL エンドポイントを指定します。URL の末尾にはスラッシュを含めてください。次の URL 形式を使用します。https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R20XXyUn/https://my-artifactory-instance/my-repo/は、リポジトリ構成ファイルの"url"フィールドで指定された Artifactory リポジトリの URL です。MathWorks/は、リポジトリ構成ファイルの"repository_layout"フィールド内にある"mathworks_products"サブフィールドで指定された、MathWorks 製品リリースを保存するサブフォルダーです。R20XXyUn/は製品リリース フォルダーで、R20XXyはリリース名 (例:R2026a)、Unはアップデート リリース番号 (例:U0、U1など) を示します。
上記で Artifactory リポジトリ内に作成した製品リリース フォルダーに、ZIP ファイルをアップロードします。JFrog CLI または任意のツールを使用します。以下の例では、
curlを使用して ZIP ファイルをアップロードする方法を示します。Linux または Mac:
curl --user <USER>:<PASSWORD> \ --header "X-Explode-Archive:true" \ --request PUT \ --upload-file /home/<USER>/downloads/R2026aU0.zip \ "https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R2026aU0/"Windows (コマンド プロンプト):
curl --user <USER>:<PASSWORD> ^ --header "X-Explode-Archive:true" ^ --request PUT ^ --upload-file "C:\Users\<USER>\Downloads\R2026aU0.zip" ^ "https://my-artifactory-inpinstance/my-repo/MathWorks/R2026aU0/"curlコマンドには、次のオプションが含まれています。--user <USER>:<PASSWORD>— ユーザー名と Artifactory パスワードを指定します。または、アクセス トークンを使用している場合は、--user <USER>:<PASSWORD>を追加ヘッダー--header "Authorization: Bearer <TOKEN>"に置き換えます。--header "X-Explode-Archive:true"— アップロード後にフォルダーを解凍するには、リクエスト ヘッダーでX-Explode-Archive:trueを指定します。--request PUT— アップロードによってリポジトリが変更されるため、PUTリクエストを使用します。--upload-file ...— ZIP ファイルへのパスを指定します。https://my-artifactory-instance/my-repo/MathWorks/R2026aU0/— 前の手順で作成したフォルダーの URL エンドポイントを指定します。
Artifactory からの製品のインストール

ユーザーが Artifactory リポジトリから製品をインストールできるように、以下を提供します。
リポジトリ構成ファイルのコピー (例:
my_repo_config.json)。ユーザーのプラットフォームと互換性のある
mpmのバージョン。ユーザーは、リポジトリにアップロードされたmpmのコピーをダウンロードするか、MATLAB パッケージ マネージャーの入手の手順に従って MathWorks Web サーバーからmpmをダウンロードできます。
次の mpm install サンプル コマンドは、共有場所に保存された構成ファイルを使用して、Artifactory リポジトリから製品をインストールします。
Linux または Mac:
./mpm install --repo-config=/usr/share/my_repo_config.json --release=R2026aU0 --destination=/home/<USER>/matlab --products=Simulink Deep_Learning_ToolboxWindows (管理者として実行):
.\mpm.exe install --repo-config="Z:\share\my_repo_config.json" --release=R2026aU0 --destination="C:\Users\<USER>\matlab" --products=Simulink Deep_Learning_Toolbox多数の製品をインストールするには、--inputfile オプションを使用して、入力ファイルで製品を指定します。詳細については、mpm install リファレンス ページの入力ファイルを使用した Artifactory リポジトリからの製品のインストールの例を参照してください。
ユーザーは、Dockerfile 内で mpm を使用して、MATLAB を CI/CD パイプラインに統合することもできます。例については、GitHub® の Create MATLAB Container Image を参照してください。