ニューラル ネット パターン認識アプリを使用したパターン認識
この例では、"ニューラル ネット パターン認識" アプリを使用して、パターンを分類するように浅層ニューラル ネットワークに学習させる方法を説明します。
nprtool を使用して、"ニューラル ネット パターン認識" アプリを開きます。
nprtool

データの選択
"ニューラル ネット パターン認識" アプリには、ニューラル ネットワークの学習を始めるのに役立つサンプル データが用意されています。
サンプルのガラス分類データをインポートするには、[インポート]、[ガラス データ セットのインポート] を選択します。このデータ セットを使用し、ガラスの化学的特性に基づいてガラスを窓または窓以外に分類するように、ニューラル ネットワークに学習させることができます。ファイルまたはワークスペースから自分のデータをインポートする場合は、予測子と応答、および観測値が行と列のどちらで与えられるかを指定しなければなりません。

インポートしたデータに関する情報は、[モデルの概要] に表示されます。このデータ セットには、それぞれ 9 個の特徴をもつ 214 個の観測値が含まれています。各観測値は、2 つのクラス (窓と窓以外) のいずれかに分類されます。

データを学習セット、検証セット、テスト セットに分割します。既定の設定はそのままにします。データを以下のように分割します。
学習用に 70% を使用。
ネットワークが汎化されていることを検証し、過適合の発生前に学習を停止するために 15% を使用。
ネットワークの汎化の独立したテスト用に 15% を使用。
データ分割の詳細については、ニューラル ネットワークの最適な学習のためのデータの分割を参照してください。
ネットワークの作成
このネットワークは、隠れ層にシグモイド伝達関数、出力層にソフトマックス伝達関数を使用した 2 層フィードフォワード ネットワークです。隠れ層のサイズは、隠れニューロンの数と一致します。既定の層のサイズは 10 です。ネットワーク アーキテクチャは [ネットワーク] ペインで確認できます。出力ニューロンの数は 2 に設定されます。これは、応答データで指定されたクラスの数と同じです。

ネットワークの学習
ネットワークの学習を行うには、[学習] をクリックします。
[学習] ペインで学習の進行状況を確認できます。いずれかの停止条件が満たされるまで学習が続行されます。この例では、6 回の連続する検証の反復において、検証誤差が常に前回の最小検証誤差以上となるまで ("検証基準に適合" するまで) 学習が続行されます。

結果の解析
[モデルの概要] に、学習アルゴリズムの情報および各データ セットに対する学習結果が表示されます。

プロットを生成すると、結果をさらに詳しく解析できます。混同行列をプロットするには、[プロット] セクションで [混同行列] をクリックします。緑色の正方形で表示されている正しい分類の数が多く (対角線上)、赤色の正方形で表示されている正しくない分類の数が少ないため (対角線外)、ネットワークの出力は非常に正確です。

ネットワーク性能をさらに検証するには、ROC 曲線を確認します。[プロット] セクションで [ROC 曲線] をクリックします。

各軸の色付きの線は ROC 曲線を表します。ROC 曲線は、しきい値が変化する場合の、偽陽性率 (1 - 特異度) に対する真陽性率 (感度) のプロットです。テストに問題がなければ、左上隅に点が表示されます。これは、100% の感度と 100% の特異度を示します。この問題については、ネットワーク性能は非常に良好です。
ネットワーク性能に満足できない場合、次のいずれかを行うことができます。
ネットワークに再度学習させる。
隠れニューロンの数を増やす。
より大規模な学習データ セットを使用する。
学習セットでの性能は良好であるにもかかわらず、テスト セットでの性能が低い場合は、モデルが過適合となっている可能性があります。ニューロンの数を減らすことによって過適合を軽減できます。
追加のテスト セットでネットワーク性能を評価することもできます。ネットワークを評価するための追加のテスト データを読み込むには、[テスト] セクションで [テスト] をクリックします。[モデルの概要] に、追加のテスト結果が表示されます。プロットを生成して追加のテスト結果を解析することもできます。
コードの生成
[コード生成]、[単純な学習スクリプトを生成] を選択して MATLAB コードを作成することにより、コマンド ラインで以前に実行したステップを再現できます。MATLAB コードの作成は、ツールボックスのコマンド ライン機能を使用して学習プロセスをカスタマイズする方法を学ぶ必要がある場合に便利です。コマンド ライン関数を使用したパターン認識では、生成されるスクリプトについてさらに詳しく説明します。

ネットワークのエクスポート
学習済みネットワークをワークスペースまたは Simulink® にエクスポートできます。MATLAB Compiler™ などの MATLAB コード生成ツールを使用してネットワークを展開することもできます。学習済みネットワークとその結果をエクスポートするには、[モデルのエクスポート]、[ワークスペースにエクスポート] を選択します。

参考
ニューラル ネット フィッティング | ニューラル ネット時系列 | ニューラル ネット パターン認識 | ニューラル ネット クラスタリング | trainscg