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デプロイ可能なアーカイブについて

MATLAB® Compiler™ または MATLAB Compiler SDK™ でアプリケーションまたは共有ライブラリが作成されると、そのコンテンツはデプロイ可能なアーカイブにまとめられます。これは、アプリケーションに含まれる MATLAB ベースのコンテンツ (MATLAB ファイル、MEX ファイルなど) をすべて含む CTF ファイルです。

デプロイ可能なアーカイブに含まれるすべての MATLAB ファイル (.m.p ファイル) は、高度暗号化標準 (AES) 暗号システムを使用して暗号化されています。既定では、ファイルの名前とディレクトリ構造は不明瞭化されず、他のファイル タイプ (MEX ファイル、MAT ファイル、FIG ファイル、Java JAR ファイルまたはクラス ファイルなど) は暗号化されません。それ以外のファイル タイプは、変更されずにアーカイブにコピーされます。デプロイ可能なアプリケーションが実行されると、CTF アーカイブ内のファイルがディスクに解凍され、アーカイブ内で暗号化されていたファイルはすべてディスク上で暗号化されたままになります。デプロイ可能なアーカイブを個別ファイルとして解凍すると、そのファイルも暗号化されたままになります。

注意

.ctf ファイル内のファイルを解凍して、それらを別々にバージョン管理の対象にしないでください。.ctf ファイルは相互に依存する MATLAB 関数とデータを含むため、その中のファイルは .ctf ファイルへのアクセスによってのみアクセスされなければなりません。最良の結果を得るには、.ctf ファイル全体をバージョン管理の対象にしてください。

パッケージ化されたアプリケーションのセキュリティを強化するためのパッケージ化オプションがいくつかあります。詳細については、Protect Code and Data in Deployable Archiveを参照してください。

Diagram of a generated component, which consists of target-specific binary code and the deployable archive, which contains encrypted MATLAB data, data files, and MEX-files.

詳細

COM コンポーネント、.NET アセンブリまたは Excel® アドインを伴って生成されたデプロイ可能なアーカイブなど、複数のデプロイ可能なアーカイブが同じユーザー アプリケーション内で共存できます。しかし、これらのコンポーネントがもつ MATLAB ファイルを混合したり、整合したりはできません。複数のデプロイ可能なアーカイブに含まれる暗号化され、圧縮された MATLAB ファイルを、他のデプロイ可能なアーカイブと結合させて配布することはできません。

指定されたデプロイ可能なアーカイブに含まれる MATLAB ファイルはすべて、一意の暗号化キーと関連付けられます。同一のデプロイ可能なアーカイブの中にある、キーが異なる MATLAB ファイルは実行されません。異なる MATLAB ファイルを組み合わせて別のアプリケーションを生成する場合は、これらの MATLAB ファイルを新しいデプロイ可能なアーカイブに再コンパイルしなければなりません。

コンパイラはコンパイルが失敗するとデプロイ可能なアーカイブを削除してバイナリを生成しますが、これはコンパイル開始前にこれらのファイルが存在しない場合にのみ行われます。詳細は、help mcc -K を実行してください。

注意

リリース エンジニアとソフトウェア構成マネージャー: デプロイ可能なアーカイブの共有ライブラリをストリップするビルド プロシージャまたはビルド プロセスは使用しないでください。使用するとデプロイ可能なアーカイブがバイナリからストリップされ、ドライバー アプリケーションの実行時エラーが発生します。

参考

トピック