ユーザー インターフェイスでの Polyspace の実行
このトピックでは、Polyspace® デスクトップ製品のユーザー インターフェイスでプロジェクトを作成する方法を説明します。
Polyspace Server 製品を使用している場合は、継続的インテグレーションにおけるサーバーでの Code Prover 解析の設定を参照してください。
Polyspace as You Code を使用している場合は、IDE での Polyspace 解析の設定を参照してください。
Polyspace 解析を開始するには、ソース ファイルとヘッダーへのパスを指定しなければなりません。
ソース パスを明示的に指定するか、コマンドの実行後にソース パスをビルド コマンド (makefile) から抽出することができます。ビルド コマンドを使用してソース コードをビルドしたり、IDE で (基となるビルド コマンドを使用して) ソース コードをビルドしたりする場合には、先にそのビルド コマンドからの抽出を試みます。Polyspace でビルド コマンドをトレースできない場合は、ソース フォルダーとインクルード フォルダーへのパスを手動で追加します。ターゲットおよびコンパイラのオプションは後で指定します。ターゲットおよびコンパイラを参照してください。
Polyspace プロジェクトでソース パスを指定します。ソース ファイルは [プロジェクト ブラウザー] ペインに表示されます。

対応する .psprj ファイルは、プロジェクトを保存した場所に作成されます。プロジェクトの作成時に、その既定の保存場所を選択するか、新しい場所を入力します。既定の場所を変更するには、[ツール] 、 [基本設定] を選択して、[プロジェクトと結果フォルダー] タブのオプションを使用します。
Polyspace プロジェクトとソース ファイル パス
Polyspace プロジェクトでは、ソース ファイルの絶対パスを使用してそのソース ファイルを指し示します。ただし、Polyspace ユーザー インターフェイスでプロジェクトを開き直すたびに、プロジェクトの現在の位置を基準にしてソースの絶対パスが再計算されます。
たとえば、プロジェクトが以下に保存されているとします。
//networkLocation/polyspaceProjects/
//networkLocation/src/file.c
//usr/local/polyspaceProjects/
//usr/local/src/file.c
プロジェクト パスを基準にしてソース ファイル パスが再計算されるため、Polyspace プロジェクトをソース ファイルとともにバージョン管理システムにコミットできます。バージョン管理システムからプロジェクトをチェックアウトし、プロジェクトのローカル コピーを開くと、すべてのソース ファイルのパスがプロジェクトの新しい場所に基づいて再計算されます。これで、プロジェクトがソース ファイルのローカル コピーを指すようになります。
ソースの追加
ビルド コマンドからのソースの追加
make などのビルド コマンドを使用してソース コードをビルドする (あるいは IDE でソース コードをビルドする) 場合には、ビルド コマンドから Polyspace プロジェクトを作成できます。ビルド コマンドから Polyspace プロジェクトを作成するには、次のいずれかを行います。
ビルド コマンドで
を実行し、Polyspace プロジェクト (polyspace-configureファイル) を作成します。このプロジェクトは Polyspace Platform ユーザー インターフェイスで開くことができます。projectName.psprjxPolyspace ユーザー インターフェイスでプロジェクトを直接作成します。
コマンド ラインでプロジェクトを作成することにはいくつかのメリットがあります。
ビルド コマンドが正常に完了することを確認でき、ビルド コマンドの先頭に (必要なオプションを指定した)
polyspace-configureを追加するだけで処理できます。コマンド ライン インターフェイスで、事前定義されている環境変数を使用してビルド コマンドを実行できます。たとえば、開発者コマンド プロンプトで Microsoft® Visual Studio® ビルド コマンドを実行できます。この場合、Visual Studio ビルドに関連する環境変数は既に設定されています。Polyspace Platform ユーザー インターフェイス内からこれらの環境変数にアクセスすることはできません。
このセクションでは、ユーザー インターフェイスでビルド コマンドから Polyspace プロジェクトを作成する方法を説明します。
[ファイル] 、 [新規プロジェクト] を選択します。[ビルド コマンドから作成] を選択します。
プロジェクトの名前と場所を指定したら、次のウィンドウで、以下の情報を入力します。
コードで実行するものとまったく同じビルド コマンド。
ビルド コマンドの実行元のフォルダー。

Visual Studio などの IDE でソース コードをビルドする場合は、ビルド コマンドを指定するフィールドに、実行可能ファイルへのパス (
C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\Common7\IDE\VCExpress.exeなど) を入力します。[実行] をクリックします。Polyspace でビルド コマンドが実行され、Polyspace プロジェクトを作成するための情報 (具体的には、ソース パスとコンパイラに関する情報) が抽出されます。
ビルド コマンドの IDE へのパスを指定している場合は、[実行] をクリックすると、Polyspace により IDE が開きます。IDE で、コードの完全なビルドを実行します。IDE を閉じると、Polyspace によってソース パスとコンパイラに関する情報が抽出されます。Visual Studio ビルドからの Polyspace プロジェクトの作成も参照してください。
ビルド コマンドからプロジェクトを作成すると、[プロジェクト ブラウザー] ペインにソース フォルダーが表示されます。ただし、インクルード フォルダーは表示されません。インクルード フォルダーが抽出されたことを確認する場合は、プロジェクト ファイル (拡張子 .psprj) をテキスト エディターで開きます。
追加オプションを使用して、ビルド コマンドからの既定のプロジェクト作成を変更できます。たとえば、ビルド エラーが発生しても Polyspace プロジェクトを作成するには、[詳細構成オプションを追加] フィールドにオプション -allow-build-error を入力します。許容されるオプションを調査するには、polyspace-configure を参照してください。
ソースの手動追加
[ファイル] 、 [新規プロジェクト] を選択します。
プロジェクトの名前と場所を指定したら、次のウィンドウで、ソース ファイルを含むルート フォルダーを入力するか、そのルート フォルダーに移動します。[再帰的に追加] ボックスをオンにしてから、[ソース フォルダーの追加] をクリックします。フォルダーおよびサブフォルダー内のすべてのファイルがプロジェクトに追加されます。解析から特定のファイルやフォルダーを除外するには、ファイルまたはフォルダーを右クリックし、[ファイルを除外] を選択します。

次のウィンドウで、インクルード フォルダーを追加します。解析では、指定するインクルード フォルダーのパスを基準にインクルード ファイルを探します。たとえば、コードにプリプロセッサ命令 #include<../mylib.h> が含まれ、次のフォルダーをインクルードする場合、
C:\My_Project\MySourceFiles\Includes
C:\My_Project\MySourceFiles にはファイル mylib.h が含まれていなければなりません。stdio.h などの標準ライブラリ ヘッダーに関しては、コンパイラのヘッダーのパスを把握している場合、それを明示的に指定します。そうしない場合、解析では、標準ライブラリ ヘッダーの Polyspace 実装を使用します。一部の特殊な場合では、この実装はコンパイラ実装と一致しない可能性があります。Polyspace 解析への標準ライブラリ ヘッダーの指定も参照してください。
[プロジェクト ブラウザー] ペインに、プロジェクト ファイルがソース フォルダーおよびインクルード フォルダーと一緒に表示されます。これらのフォルダーのいずれかに後からファイルを追加する場合は、プロジェクトを更新できます。更新するフォルダーを右クリックするか、[プロジェクト ソース ファイル] フォルダー全体を右クリックし、[ソース フォルダーの更新] を選択します。
右クリックしてファイルを除外したり、プロジェクトにフォルダーをさらに追加したりすることもできます。はじめて追加するファイルはプロジェクト内の最初のモジュールにコピーされます。後から新しいファイルを追加する場合、そのファイルを右クリックしてモジュールに明示的に追加しなければなりません。
AUTOSAR 設計仕様に基づくソース ファイルの追加
コードで AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントが実装されている場合、AUTOSAR 設計仕様を含む最上位フォルダーと、これらの仕様のソース コード実装を含むフォルダーを指定できます。
[ファイル] 、 [新規作成] を選択します。[プロジェクト – プロパティ] ウィンドウで、[AUTOSAR 仕様から作成] を選択します。
ARXML ファイルを含む最上位フォルダーと、ソース ファイルを含むすべてのフォルダーを指定します。
詳細は、AUTOSAR コードに対する Polyspace の実行を参照してください。