CERT C++: OOP53-CPP

コンストラクターメンバーの初期化子を正規順序で書き込む

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説明

ルール定義

コンストラクターメンバーの初期化子を正規順序で書き込みます。¹

Polyspace 実装

ルールチェッカーは、"正規順序で初期化されていないメンバー" をチェックします。

例

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正規順序で初期化されていないメンバー

説明

正規順序で初期化されていないメンバーは、クラスコンストラクターの初期化子リストが以下の場合に発生します。

クラスのデータメンバーが宣言順に初期化されない。
次に例を示します。
```
class aClass {
   int var1;
   int var2;
public: 
   aClass(int val): var2(val), var1(val) {}
};
```
基底クラスコンストラクターが基底指定子リストの出現順に呼び出されない。
次に例を示します。
```
class aClass: baseClass1, baseClass2 {
   aClass(int val): baseClass2(val), baseClass1(val) {}
}
```

リスク

データメンバーまたは基底クラスコンストラクターが初期化子リストに出現する順序は、実際の初期化順序には反映されません。データメンバーは宣言順に初期化され、基底クラスコンストラクターは基底指定子リストでの出現順に呼び出されます。

ただし、開発者が、初期化子リストでの順序を実際の初期化順と誤解する場合があります。その結果、初期化間に依存関係が生じ、初期化されていないメモリ領域を読み取ることになる可能性があります。たとえば、この初期化子リストで bVar が最初にコンストラクター引数 x を使用して初期化されてから、aVar が bVar を使用して初期化されると指定されているとします。


class aClass {
   int aVar;
   int bVar;
public: 
   aClass(int x): bVar(x), aVar(bVar) {}
};

ところが、初期化は宣言順に行われ、初期化されていない bVar が最初に読み取られます。

修正方法

クラスコンストラクターの初期化子リストで、次の操作を行います。

クラスデータメンバーをクラス内の宣言順に指定する。
次に例を示します。
```
class aClass {
   int var1;
   int var2;
public: 
   aClass(int val): var1(val), var2(val) {}
};
```
基底コンストラクターを基底指定子リストでの指定順に呼び出す。
次に例を示します。
```
class aClass: baseClass1, baseClass2 {
   aClass(int val): baseClass1(val), baseClass2(val) {}
}
```

チェック情報

グループ: 09.オブジェクト指向プログラミング (OOP)

バージョン履歴

R2020a で導入

参考

SEI CERT-C++ をチェック (-cert-cpp)

トピック

コーディング規約違反のチェックおよびレビュー

外部の Web サイト

OOP53-CPP

¹ This software has been created by MathWorks incorporating portions of: the “SEI CERT-C Website,” © 2017 Carnegie Mellon University, the SEI CERT-C++ Web site © 2017 Carnegie Mellon University, ”SEI CERT C Coding Standard – Rules for Developing safe, Reliable and Secure systems – 2016 Edition,” © 2016 Carnegie Mellon University, and “SEI CERT C++ Coding Standard – Rules for Developing safe, Reliable and Secure systems in C++ – 2016 Edition” © 2016 Carnegie Mellon University, with special permission from its Software Engineering Institute.

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