AUTOSAR C++14 Rule M6-5-4

The loop-counter shall be modified by one of: --, ++, -=n, or +=n; where n remains constant for the duration of the loop

説明

ルール定義

The loop-counter shall be modified by one of: --, ++, -=n, or +=n; where n remains constant for the duration of the loop.

根拠

ループのループ カウンター修飾子が定数でない場合、ループが予期せずに終了し、想定に反した結果になる可能性があります。定数のインクリメントの場合は、ループの終了が予測可能になります。

Polyspace 実装

Polyspace^® はループ カウンターの修飾子が定数でない場合は常にこの欠陥を報告します。また、"-=n" または "+=n" でループが修飾され、"n" がこのループ内で変更される場合も、Polyspace がこの欠陥を報告します。

トラブルシューティング

ルール違反が想定されるものの、Polyspace から報告されない場合は、コーディング規約違反が想定どおりに表示されない理由の診断を参照してください。

例

非定数のループ カウンター修飾子は非準拠となる

最初の for ループでループ カウンター修飾子として +=x を使用しており、変数 x が for ループ内で変更されるため、Polyspace は for ループに非準拠としてフラグを設定します。

2 番目の for ループは準拠しているケースを示しています。このループでループ カウンター修飾子として使用している +=y の y は、ループ内で変更されません。

3 番目の for ループは、関数 ex2() の戻り値を使用してループ カウンターを変更します。この関数が各反復で返す値は異なるため、ループ カウンター修飾子は定数ではありません。Polyspace は for ループに非準拠としてフラグを設定します。

#include <cstdint>

int i, x = 0;
int y, z = 1;

int ex2()
{
    return z;
}

void example()
{
    for (i = 0; i <= 10; i += x) {          //Noncompliant
        x += 1;
    }

    for (i = 0; i <= 10; i += y) {          //Compliant
        z += i;
    }

    for (i = 0; i >= 10; i -= ex2()) {      //Noncompliant
        z += i;
    }

}

チェック情報

グループ: ステートメント

カテゴリ: Required、Automated

バージョン履歴

R2019a で導入

R2024b: ループ カウンターが定数の二項演算を使用して変更される場合、違反が報告されない

Polyspace は、次の場合には違反を報告しなくなりました。

• += または -= 演算子を使用してループ カウンターをインクリメントまたはデクリメントする場合。

• 演算子のオペランドが二項演算の結果である場合。

• 二項演算のオペランドの一方が定数で、もう一方がループ内で変更されない変数である場合。

たとえば、次のコードでは -= 演算子を使用してループ カウンター num1 がデクリメントされます。この演算子のオペランドは演算 (num2 - 1) の結果です。この二項演算は定数 1 と、ループ内で変更されない変数 num2 からなります。この場合、Polyspace は違反を報告しません。

typedef unsigned int uint_32t;
uint32_t get_uint();

void foo() {
	uint32_t num1;
	uint32_t num2 = get_uint();

	for(num1 = 400; num1 > (num2 - 1); num1 -= (num2 - 1)) {    //Compliant
		//...
	}

参考

AUTOSAR C++14 をチェック (-autosar-cpp14)

トピック

• コーディング規約違反のチェックおよびレビュー