AUTOSAR C++14 Rule M5-2-2

A pointer to a virtual base class shall only be cast to a pointer to a derived class by means of dynamic_cast

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説明

ルール定義

A pointer to a virtual base class shall only be cast to a pointer to a derived class by means of dynamic_cast.

根拠

virtual 基底は、そこから複数のクラスが派生する可能性があることを意味します。

class Base{};
class childA: virtual public Base{};
class childB: virtual public Base{};
class childFinal: public childA, public childB{};;
前述のコードでは、派生クラスの childA と childB がクラス Base の同じインスタンスを共有しています。Base* から childA* または childB* にキャストする場合、コンパイル時には必要なポインター演算が不明です。Base を基準にした子クラスのオフセットは実行時にのみ既知になります。

バーチャル基底クラスへのポインターを子クラスへのポインターにダウンキャストする場合は、dynamic_cast を使用します。この目的で他のキャスト操作を使用した場合は、未定義の動作が発生します。

Polyspace 実装

Polyspace® は、以下の条件を満たしている場合に違反を報告します。

  • バーチャル基底クラスがダウンキャストされている。

  • キャスト操作が dynamic_cast を使用して行われていない。

トラブルシューティング

ルール違反が想定されるものの、Polyspace から報告されない場合は、コーディング規約違反が想定どおりに表示されない理由の診断を参照してください。

例

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class Base{};
class childA: virtual public Base{};
class childB: virtual public Base{};
class childFinal: public childA, public childB{};

void bar(){
	Base* pB;
	//...
	static_cast<childA*>(pB);//Noncompliant
}

この例では、virtual 基底 pB へのポインターが派生クラスへのポインターにダウンキャストされます。pB を childA* 型にキャストするために必要な情報は実行時にのみ既知になります。static_cast を使用してこれらのキャストを実行すると、未定義の動作が発生します。Polyspace が違反を報告します。この問題は、コンパイル エラーとしても報告される場合があります。

チェック情報

グループ: 式
カテゴリ: Required、Automated

バージョン履歴

R2019a で導入

参考

トピック