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AUTOSAR C++14 Rule M5-0-9

An explicit integral conversion shall not change the signedness of the underlying type of a cvalue expression.

説明

ルール定義

An explicit integral conversion shall not change the signedness of the underlying type of a cvalue expression.

根拠

このチェッカーによってフラグが設定される式は、MISRA™ C++ ドキュメンテーションの cvalue 式の詳細仕様に従います。

式を評価し、後でその結果を別の型にキャストする場合、そのキャストは評価の潜在型 (式にあるオペランドのデータ型のうち範囲が最も広いもの) には影響しません。たとえば、この例では 2 つの unsigned int 型のオペランドの合計が int 型にキャストされます。

unsigned int op1;
unsigned int op2;
int res;
res= static_cast<int> (op1 + op2);
しかし、開発者またはコード レビュー担当者は、結果を後からキャストしたデータ型が評価で使用されていると考える可能性があります。たとえば、後からのキャストが原因で、潜在型に int を使用した合計であると見なされることがあります。

トラブルシューティング

ルール違反が想定されるものの、Polyspace® から報告されない場合は、コーディング規約違反が想定どおりに表示されない理由の診断を参照してください。

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typedef int int32_t;
typedef unsigned int uint32_t;

void func() {
     uint32_t op1;
     uint32_t op2;
     int32_t res;

     res = static_cast<int32_t> (op1 + op2); //Noncompliant
     res = static_cast<int32_t> (op1) +
           static_cast<int32_t> (op2); //Compliant

}

この例では、加算に対する最初のキャストはルールに違反しますが、2 番目のキャストは違反ではありません。

  • 最初のキャストは、潜在型に int32_t を使用して加算が評価されているという不適切な想定につながる可能性があります。

  • 2 番目のキャストは、それぞれのオペランドをまず int32_t に変換することで、実際に潜在型に int32_t を使用して合計が評価されるようにしています。

チェック情報

グループ:
カテゴリ: Required、Automated

バージョン履歴

R2019a で導入

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