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コマンド ラインでの Polyspace Server 製品のインストール

このトピックでは、完全にコマンド ラインだけで Polyspace® Server 製品をインストールする方法について説明します。

Polyspace Server 製品は、継続的インテグレーション (CI) サーバー上での Polyspace の自動実行をサポートしています。このようなサーバーには、一般的に、ターミナルを使用してアクセスするか、Azure® や AWS® などのクラウド コンピューティング プラットフォームを使用してアクセスします。その場合、グラフィカル インストーラーを使用して Polyspace Bug Finder™ Server™ または Polyspace Code Prover™ Server をインストールすることはできない可能性があります。コマンド ラインでインストールを行うには、以下の手順に従います。

前提条件

コマンド ラインからインストールを開始する前に、以下の点に注意してください。

  • MathWorks® から入手したライセンス ファイル (.lic ファイル) と、そのライセンスに対応するファイル インストール キー (FIK) が必要です。ライセンス ファイルと FIK を入手するには、ライセンス センターで Polyspace のアクティベーションを行います。

  • インストールの最初の手順は、グラフィカル ユーザー インターフェイスで行います。ターゲット マシン上でグラフィカル インターフェイスを開けない場合は、グラフィカル ユーザー インターフェイスを開けるマシンにアクセスし、そのマシンからターゲット マシンにファイルを転送する必要があります。

  • ターゲット マシンには、Linux Standard Base または lsb パッケージがインストールされている必要があります。ほとんどの標準インストールでは、このパッケージは既にインストールされています。また、.zip ファイルからファイルを抽出するための unzip またはこれに相当するパッケージもマシンに存在している必要があります。

インストール手順

Polyspace Server 製品を実行するには、サーバー製品と、ライセンスを管理するためのネットワーク ライセンス マネージャーをインストールする必要があります。

インストーラーの作成

軽量のインストーラーを Web からダウンロードして、コマンド ラインでのインストールに必要なフル インストーラーを作成できます (または、https://www.mathworks.com/downloads/web_downloads/download_isoから直接、フル インストーラーの ISO イメージを取得することもできます)。

Web からダウンロードした軽量のインストーラーからフル インストーラーを作成するには、次のようにします。

  1. グラフィカル ユーザー インターフェイスを開けるマシンに、Web から軽量のインストーラー (.zip ファイル) をダウンロードします。

    たとえば、https://www.mathworks.com/downloadsからインストーラーをダウンロードします。インストーラーをダウンロードするマシンのオペレーティング システムは、最終的に製品をインストールするマシンと異なっていてもかまいません。たとえば、Linux® 用の軽量のインストーラーを Windows® マシンにダウンロードし、フル インストーラーを作成してから、そのフル インストーラーをターゲットの Linux マシンに転送できます。

  2. インストーラーを解凍し、実行して追加の製品ファイルをダウンロードすると、フル インストーラーになります。

    たとえば、軽量のインストーラーを Linux マシンにダウンロードした場合は、次のようにします。

    1. 圧縮されたインストーラーからファイルを解凍します。

    2. ターミナルで、解凍されたフォルダーに cd で移動し、次のように入力します。

      ./install

    3. インストーラーのインターフェイスで、MathWorks アカウントにサインインしてライセンス許諾に同意した後、[詳細オプション] メニューから [インストールせずにダウンロードする] を選択します。

      MathWorks Installer Advanced Options drop down

    4. プロンプトに従ってダウンロードを実行します。

      ダウンロード先フォルダー (たとえば、名前が MathWorks/Rxxxx で終わるフォルダー) に、完全なインストールに必要なすべてのファイルが入っています。

    この時点で、軽量のインストーラーはもう必要ありません。

製品のインストール

フル インストーラーが用意できたら、任意のマシンに Polyspace Server 製品をインストールできます。

  1. グラフィカル ユーザー インターフェイスのないマシンに、前の手順でダウンロードしたファイルを転送します。

  2. このマシンで、入力ファイルを引数として指定してフル インストーラーを実行します。このファイルには、インストール フォルダー、ファイル インストール キー (FIK)、ラインセンス ファイルのパスなど、各種のインストールの詳細を指定します。

    たとえば、Linux マシンにインストールする場合は、次のようにします。

    1. インストーラー ファイルと共に提供された installer_input.txt ファイルの書き込み可能コピーを作成します。

    2. ファイル内の説明を読み、必要な情報 (インストール先のフォルダー、ライセンス許諾、ファイル インストール キー (FIK)、製品の選択など) を入力します。デスクトップ製品のインストールとは異なり、MathWorks から入手したライセンス ファイルのパスも入力する必要があります。

    3. ターミナルで、インストーラー ファイルが格納されているフォルダーに cd で移動し、次のように入力します。

      ./install -inputFile installer_input_copy.txt
      installer_input_copy.txt は、先ほど作成した installer_input.txt ファイルの書き込み可能コピーです (上記のコマンドでは、このコピーが元のファイルと同じ場所に保存されたと想定しています)。

      インストール先によっては、インストールにスーパーユーザー権限が必要になる場合があります。その場合は、インストール コマンドの前に sudo を追加します。

      フル インストーラーを Windows で作成してから、Linux マシンに転送してインストールする場合は、コマンド ラインでインストール中に次のエラー メッセージが表示される可能性があります: "Command not found"。zip ファイル matlab_Rxxxx_glnxa64.zip の内容を解凍して、コマンド ラインでのインストールに必要なファイルを使用できるようにしてください。

    インストールが完了したら、インストール フォルダー内のサブフォルダー polyspace/bincd で移動し、次のように入力します。

    ./polyspace-bug-finder-server -help
    このサブフォルダーがない場合や、他のエラーが発生した場合は、インストールが正常に完了しなかった可能性があります。インストール ログを確認してください。このログは、-inputFile オプションで指定した入力ファイルに指定したものです。通常、ファイル パスは /tmp/mathworks_username.log です。

ソース ファイルに対して Polyspace Bug Finder Server または Polyspace Code Prover Server を実行するには、ライセンスのチェック アウトを処理するネットワーク ライセンス マネージャーもインストールして起動する必要があります。そうしないと、次のように C ソース ファイルに対して polyspace-bug-finder-server (または polyspace-code-prover-server) を実行したときに

./polyspace-bug-finder-server -sources aFile.c
ライセンス チェックアウト エラーが表示されます。

ネットワーク ライセンス マネージャーのインストール

ネットワーク ライセンス マネージャーは、ライセンスのチェックアウトを制御します。Polyspace Server のインストール環境がネットワーク ライセンス マネージャーと通信できるように、ネットワーク ライセンス マネージャーを実行しているサーバーのホスト名とホスト ID を、Polyspace Server のインストール環境で指定する必要があります。

ネットワーク ライセンス マネージャーをインストールするには、次のようにします。

  1. https://www.mathworks.com/support/install/license_manager_files.htmlから圧縮形式でネットワーク ライセンス マネージャーをダウンロードします。

    グラフィカル ユーザー インターフェイスのないマシンでネットワーク ライセンス マネージャーを起動する場合は、圧縮ファイルをそのマシンに転送します。

  2. ネットワーク ライセンス マネージャーのファイルを任意のフォルダーに解凍します。

Polyspace Server のインストール環境とネットワーク ライセンス マネージャーの間の通信が可能になるように、以下のライセンス ファイルを変更します。

  • MathWorks から提供されたライセンス ファイル (.lic ファイル):このライセンス ファイルの先頭に、以下の行を追加します。

    SERVER hostname hostid port_number
    DAEMON MLM path_to_mlm
    ここで、

    • hostname は、ネットワーク ライセンス マネージャーをホストしているサーバーのホスト名です。ホスト名を調べるには、ターミナルで次のように入力します。

      hostname

    • hostid は、サーバーの MAC アドレスです。この MAC アドレスは、ライセンス ファイルを取得するときに指定したものです (ライセンス ファイル内のコメントに、このアドレスが既に含まれているはずです)。

    • port_number は、通信に使用するサーバー上のポート番号です。

    • path_to_mlm は、ネットワーク ライセンス マネージャーに付属している MLM バイナリのパスです。Linux では、通常、このバイナリはネットワーク ライセンス マネージャー フォルダーのサブフォルダー etc/glnxa64 内にあります。指定例: /usr/local/license_manager/etc/glnxa64/MLM

  • Polyspace Server インストール フォルダーのサブフォルダー licenses 内にある network.lic ファイル:SERVER で始まる行を変更して、上記のライセンス ファイル内の SERVER 行と完全に一致させます。

    SERVER hostname hostid port_number

ネットワーク ライセンス マネージャーを起動するには、ターミナルで、ネットワーク ライセンス マネージャー フォルダーのサブフォルダー etc/glnxa64cd で移動し、次のように入力します。

./lmgrd -c path_to_license
path_to_license は、MathWorks から提供されたライセンス ファイル (.lic ファイル) のパスです。オプション -l を使用すると、出力をパイプでログ ファイルに渡すことができます。

自動的に起動するようにネットワーク ライセンス マネージャーを構成することもできます。ライセンス マネージャーの起動には root ユーザーを使用しないことをお勧めします。root 権限を必要としないプログラムを root ユーザーとして実行するのはセキュリティ リスクであり、ネットワーク ライセンス マネージャーに root 権限は必要ありません。たとえば、権限を制限した専用のユーザーを作成し、そのユーザーでネットワーク ライセンス マネージャーを起動できます。ネットワーク ライセンス マネージャーの起動と停止を参照してください。

これで、ソース ファイルに対して polyspace-bug-finder-server (または polyspace-code-prover-server) コマンドをエラーなしで実行できるようになったはずです。サーバーでの Polyspace Bug Finder の実行と Web インターフェイスへの結果のアップロードまたはサーバーでの Polyspace Code Prover の実行と Web インターフェイスへの結果のアップロード (Polyspace Code Prover)を参照してください。