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planetEphemeris

天体の位置と速度

構文

position = planetEphemeris(ephemerisTime,center,target)

position = planetEphemeris(___,ephemerisModel)

position = planetEphemeris(___,units)

position = planetEphemeris(___,action)

position = planetEphemeris(___,Name=Value)

[position,velocity] = planetEphemeris(___)

説明

惑星のエフェメリス位置を実装する

position = planetEphemeris(ephemerisTime,center,target) は、指定されたユリウス通日ephemerisTime の指定された中心オブジェクトに対するターゲット オブジェクトの位置を実装します。デフォルトでは、この関数は DE405エフェメリスに基づいて km 単位の位置を実装します。

この関数は、NASA Jet Propulsion Laboratoryが提供するチェビシェフ係数を使用します。

この機能を使用するには、アドオン エクスプローラーを使用してエフェメリスデータをダウンロードする必要があります。詳細については、aeroDataPackageを参照してください。

position = planetEphemeris(___,ephemerisModel) は ephemerisModel 係数を使用してこれらの値を実装します。

position = planetEphemeris(___,units) はこれらの値の単位を指定します。

position = planetEphemeris(___,action) は action を使用してエラー報告を決定します。

position = planetEphemeris(___,Name=Value) は Name=Value を使用して、メモリにロードされるデータを StartDate から EndDate の範囲に制限します。

惑星のエフェメリスの位置と速度を実装する

[position,velocity] = planetEphemeris(___) は、前の構文のいずれかの入力引数を使用して、指定されたユリウス通日ephemerisTime の指定された中心に対するターゲット オブジェクトの位置と速度を実装します。

例

月の位置を実装する

DE405 を使用して、1990 年 12 月 1 日の地球に対する月の位置を実装します。

position = planetEphemeris(juliandate(1990,12,1),'Earth','Moon')

position = 1×3
105 ×

    2.3112    2.3817    1.3595

土星の位置と速度を実装する

DE421 と AU 単位を使用して、2000 年 1 月 1 日の正午の太陽系重心に対する土星の位置と速度を実装します。

[position,velocity] = planetEphemeris([2451544.5 0.5],...
'SolarSystem','Saturn','421','AU')

position = 1×3

    6.3993    6.1720    2.2738

velocity = 1×3

   -0.0043    0.0035    0.0016

地球に対する火星の位置と速度を実装する

開始日と終了日を使用して、地球に対する火星の位置と速度を実装します。2020年から2022年までの日付のデータのみをロードします。

開始日は2020年1月1日正午です。

[position1,velocity1] = planetEphemeris(juliandate(2020,1,1,12,0,0),'Earth','Mars',...
    StartDate=juliandate(2020,1,1), EndDate=juliandate(2022,1,1))

position1 = 1×3
108 ×

   -1.7069   -2.5591   -1.0872

velocity1 = 1×3

   44.2929  -11.2378   -5.6713

開始日は2021年1月1日正午です。

[position2,velocity2] = planetEphemeris(juliandate(2021,1,1,12,0,0),'Earth','Mars', ...
    StartDate=juliandate(2020,1,1), EndDate=juliandate(2022,1,1))

position2 = 1×3
108 ×

    1.2005    0.5599    0.2654

velocity2 = 1×3

    8.5044   15.9473    7.7539

入力引数

ephemerisTime — ユリウス通日

スカラー | 2 要素ベクトル | 列ベクトル | M 行 2 列の行列

位置を計算するユリウス通日。次のいずれかの値として指定します。

• スカラー - 固定のユリウス通日を1 つ指定します。

• 2 要素ベクトル -ユリウス通日を複数の部分で指定します。最初の要素は、補間元期またはその前の最新の真夜中である特定の元期のユリウス通日です。2 番目の要素は、最初の要素と元期の間で経過した日の小数部分です。2 番目の要素は正の数である必要があります。最初の要素と 2 番目の要素の値の合計が、最大ユリウス通日を超えることはできません。

• 列ベクトル - M 要素を持つ列ベクトルを指定します。ここで、M は固定されたユリウス通日の数です。

• M 行 2 列の行列 — 行列を指定します。ここで、M はユリウス通日の数 (ユリウス年日) であり、2 番目の列には経過日数 (経過日ペア) が含まれます。

重心動的時間 (TDB) でユリウス通日を指定します。

データ型: double

center — 基準天体（天体）または基準点

'Sun' | 'Mercury' | 'Venus' | 'Earth' | 'Moon' | 'Mars' | 'Jupiter' | 'Saturn' | 'Uranus' | 'Neptune' | 'Pluto' | 'SolarSystem' | 'EarthMoon'

ターゲットの位置と速度を測定する基準となる参照体 (天体) または参照点。'Sun'、'Mercury'、'Venus'、'Earth'、'Moon'、'Mars'、'Jupiter'、'Saturn'、'Uranus'、'Neptune'、'Pluto''SolarSystem'、または 'EarthMoon' として指定されます。

データ型: char

target — 目標天体（天体）または基準点

'Sun' | 'Mercury' | 'Venus' | 'Earth' | 'Moon' | 'Mars' | 'Jupiter' | 'Saturn' | 'Uranus' | 'Neptune' | 'Pluto' | 'SolarSystem' | 'EarthMoon'

位置と速度の測定の対象となる天体 (天体) または参照点。'Sun'、'Mercury'、'Venus'、'Earth'、'Moon'、'Mars'、'Jupiter'、'Saturn'、'Uranus'、'Neptune'、'Pluto''SolarSystem'、または 'EarthMoon' として指定されます。

データ型: char

ephemerisModel — エフェメリス係数

'405' (既定値) | '421' | '423' | '430' | '432t'

エフェメリス係数。ジェット推進研究所によって定義された次のエフェメリスのいずれかとして指定されます。

• '405' — 1998 年にリリースされました。このエフェメリスでは、ユリウス通日範囲2305424.50 (1599 年 12 月 9 日) から 2525008.50 (2201 年 2 月 20 日) が考慮されています。

  この関数は、1998 年に採用された国際天体基準座標系 バージョン 1.0 に基づいてこれらの天体暦を計算します。

• '421' — 2008 年にリリースされました。このエフェメリスでは、ユリウス通日範囲2414992.5 (1899 年 12 月 4 日) から 2469808.5 (2050 年 1 月 2 日) が考慮されています。

  この関数は、1998 年に採用された国際天体基準座標系 バージョン 1.0 に基づいてこれらの天体暦を計算します。

• '423' — 2010 年にリリースされました。このエフェメリスでは、ユリウス通日範囲2378480.5 (1799 年 12 月 16 日) から 2524624.5 (2200 年 2 月 1 日) が考慮されています。

  この関数は、2010 年に採用された国際天体基準座標系 バージョン 2.0 に基づいてこれらの天体暦を計算します。

• '430' — 2013 年にリリースされました。このエフェメリスは、ユリウス通日範囲2287184.5 (1549 年 12 月 21 日) から 2688976.5 (2650 年 1 月 25 日) を考慮に入れています。

  この関数は、2010 年に採用された国際天体基準座標系 バージョン 2.0 に関するこれらの天体暦を実装します。

• '432t'

  2014年4月に発売。このエフェメリスは、ユリウス通日範囲2287184.5 (1549 年 12 月 21 日) から 2688976.5 (2650 年 1 月 25 日) を考慮に入れています。

  この関数は、2010 年に採用された国際天体基準座標系 バージョン 2.0 に関するこれらの天体暦を実装します。

データ型: char

units — 出力単位

'km' (既定値) | 'AU'

位置と速度の出力単位。km および km/s の場合は 'km'、天文単位または AU/日の場合は 'AU' として指定します。

データ型: char

action — 関数の動作

'Error' (既定値) | 'None' | 'Warning'

入力が範囲外の場合の関数の動作。次のいずれかの値として指定されます。

値	説明
'None'	何も起こりません。
'Warning'	MATLAB® コマンド ウィンドウに警告が表示され、モデル シミュレーションが続行されます。
'Error'	MATLAB は例外を返し、モデルのシミュレーションが停止します。

データ型: char

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: StartDate=juliandate(2020,1,1) は、開始日が juliandate(2020,1,1)、2.4588e+06 の結果であることを指定します。

StartDate — エフェメリスの日付範囲の開始日

現在のエフェメリスモデルの開始日 (既定値) | ユリウス通日

エフェメリスの日付範囲の開始日。ユリウス通日として指定します。この引数は、関数の呼び出し間で永続メモリにロードされ保持されるデータの量を制限します。

データ型: char | string

EndDate — エフェメリスの日付範囲の終了日

現在のエフェメリスモデルの終了日 (既定値) | ユリウス通日

エフェメリスの日付範囲の終了日。ユリウス通日として指定します。この引数は、関数の呼び出し間で永続メモリにロードされ保持されるデータの量を制限します。

データ型: char | string

出力引数

position — ターゲットの位置

M行3列のベクトル

center オブジェクトに対する target オブジェクトの位置。M 行 3 列のベクトルとして返されます。ここで、M はユリウス通日の数です。3 つの列には、国際天体基準座標系 (ICRF) に沿った位置の x、y、および z が含まれます。単位は km または天文単位 (AU) です。入力引数に複数のユリウス通日または元期が含まれている場合、このベクトルの行数は ephemerisTime 入力と同じになります。

velocity — ターゲットの速度

M行3列のベクトル

center オブジェクトに対する target オブジェクトの速度。M 行 3 列のベクトルとして返されます。ここで、M はユリウス通日の数です。3 ベクトルには、ICRF に沿った x、y、および z 方向の速度が含まれます。速度の単位は km または天文単位 (AU) です。入力に複数のユリウス通日または元期が含まれている場合、このベクトルの行数は ephemerisTime 入力と同じになります。

参照

[1] Folkner, W. M., J. G. Williams, and D. H. Boggs. "The Planetary and Lunar Ephemeris DE 421." JPL Interplanetary Network Progress Report 24-178, 2009.

[2] Ma, C. et al., “The International Celestial Reference Frame as Realized by Very Long Baseline Interferometry,” Astronomical Journal, Vol. 116 (1998): 516–546.

[3] Vallado, David A., Fundamentals of Astrodynamics and Applications. New York: McGraw-Hill, 1997.

バージョン履歴

R2013a で導入

R2023b: planetEphemeris 関数の日付範囲

planetEphemeris は、ロードされるエフェメリスデータの日付範囲を制御するようになりました。

参考

juliandate | moonLibration | earthNutation

トピック

• 惑星暦とECIからAERへの変換を使用して太陽アナレンマを推定する
• 惑星暦を使った海洋航行

外部の Web サイト

• https://ssd.jpl.nasa.gov/planets/eph_export.html