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gravitywgs84

1984年世界測地系（WGS84）による地球重力表現を実装する

構文

g = gravitywgs84(h,lat)

g = gravitywgs84(h,lat,lon,method,[noatm,nocent,prec,jd],action)

gn = gravitywgs84(h,lat,lon,'Exact',[noatm,nocent,prec,jd],action)

[gn gt] = gravitywgs84(h,lat,lon,'Exact',noatm,nocent,prec,jd,action)

説明

g = gravitywgs84(h,lat) は、高度 h と測地緯度 lat を使用して、WGS84 の地心等位楕円体の数学的表現を実装します。

g = gravitywgs84(h,lat,lon,method,[noatm,nocent,prec,jd],action) は緯度と経度の両方、および他のオプションの入力を使用します。method は 'CloseApprox'、'Exact'、または TaylorSeries である必要があります。

gn = gravitywgs84(h,lat,lon,'Exact',[noatm,nocent,prec,jd],action) は、地球表面に対して垂直な方向の合計重力値の配列を計算します。

[gn gt] = gravitywgs84(h,lat,lon,'Exact',noatm,nocent,prec,jd,action) は、地球の表面に対して法線方向と接線方向の両方向の重力値を計算します。

例

テイラー級数による標準重力

テイラー級数近似法を使用して、高度 5000 メートル、緯度 55 度の通常の重力を計算し、範囲外の入力に対してエラーを返します。

g = gravitywgs84(5000,55,'TaylorSeries','Error') 

g =

    9.7997

近似した通常の重力

大気、遠心力の影響、歳差運動なしの近似法を使用して、高度 15,000 メートル、緯度 45 度、経度 120 度の通常の重力を計算します。範囲外の入力に対しては、デフォルトで有効になっている警告が返されます。

g = gravitywgs84(15000,45,120,'CloseApprox')

g =

    9.7601

法線重力と接線重力

大気、遠心力の影響、歳差運動なしの正確な方法を使用して、1000 メートル、緯度 0 度、経度 20 度での法線重力と接線重力を計算します。範囲外の入力に対しては、デフォルトで有効になっている警告が返されます。

[gn, gt] = gravitywgs84(1000,0,20,'Exact')

gn =
    9.7772

gt =
     0

緯度、経度、正確な方法による法線重力と接線重力

大気、遠心力の影響、歳差運動なしの厳密な方法を使用して、高度 1,000 メートル、緯度 0 度、経度 20 度の法線重力と接線重力、および高度 11,000 メートル、緯度 30 度、経度 50 度の法線重力と接線重力を計算します。範囲外の入力に対してアクションを返さないでください。

h = [1000; 11000];
lat = [0; 30];
lon = [20; 50];
[gn, gt] = gravitywgs84(h,lat,lon,'Exact','None')

gn =
    9.7772
    9.7594

gt =
   1.0e-04 *

         0
   -0.7751

緯度、経度、近似法による通常の重力

大気、遠心力の影響なし、歳差運動なしの近似法を使用して、高度 15,000 メートル、緯度 45 度、経度 120 度の通常の重力と、高度 5,000 メートル、緯度 55 度、経度 100 度の通常の重力を計算します。範囲外の入力に対しては、デフォルトで有効になっている警告が返されます。

h = [15000 5000];
lat = [45 55];
lon = [120 100];
g = gravitywgs84(h,lat,lon,'CloseApprox',[false true false 0])

g =

    9.7771    9.8109

緯度、経度、ユリウス日、正確な方法による法線重力と接線重力

大気、遠心力の影響、および歳差運動を考慮した正確な方法を使用して、ユリウス日 2451545 における 1000 メートル、緯度 0 度、経度 20 度の法線重力と接線重力を計算します。範囲外の入力に対して警告を返します。

[gn, gt] = gravitywgs84(1000,0,20,'Exact', ...
              [false false true 2451545],'Warning')

gn =

    9.7772


gt =

     0

ユリウス日、大気圏外、近接法による通常の重力

大気なし、遠心力の影響あり、ユリウス日 2451545 の歳差運動ありの Close 近似法を使用して、高度 15,000 メートル、緯度 45 度、経度 120 度の通常の重力を計算します。範囲外の入力に対してエラーを返します。

g = gravitywgs84(15000,45,120,'CloseApprox', ...
        [true false true 2451545],'Error')

g =

    9.7601

ユリウス日、大気なし、正確な方法による通常の重力

大気なし、遠心力の影響あり、ユリウス日 2451545 の歳差運動ありの正確な方法を使用して、高度 15,000 メートル、緯度 45 度、経度 120 度における全標準重力を計算します。範囲外の入力に対してエラーを返します。

gn = gravitywgs84(15000,45,120,'Exact', ...
        [true false true 2451545],'Error')

gn =

    9.7601

入力引数

h — 高度

配列

高度は、WGS84 楕円体に対する m 値の配列として指定され、単位はメートルです。

データ型: double

lat — 測地緯度

配列

測地緯度。m 緯度の配列として度単位で指定され、北緯が正、南緯が負になります。

データ型: double

lon — 測地経度

配列

測地経度。m 経度の配列として度単位で指定され、東経は正、西経は負です。

この入力は、method を 'CloseApprox' または 'Exact' として指定する場合にのみ使用してください。

データ型: double

method — 重力計算方法

'TaylorSeries' (既定値) | 'CloseApprox' | 'Exact'

重力計算方法。次のように指定します。

• 'TaylorSeries' — 中程度の重力精度

• 'CloseApprox' — 重力精度に近い

• 'Exact' — 正確な重力精度

詳細については、制限を参照してください。

データ型: double

noatm — 地球の大気

false (既定値) | true

地球の大気を除外または含めます。true または false として指定します。

• false — 地球の重力場の値に大気の質量を含めます。

• true — 地球の重力場の値から大気の質量を除外します。

この入力は、method を 'CloseApprox' または 'Exact' として指定する場合にのみ使用してください。

データ型: logical

nocent — 雰囲気

false (既定値) | true

次のように指定して、遠心効果を除去または含めます。

• false — 地球の角速度から生じる遠心力を含む重力を計算します。遠心力の寄与が含まれます。

• true — 通常の重力ポテンシャルから生じる純粋な引力に基づいて重力を計算します。遠心力の寄与は除外されます。

この入力は、method を 'CloseApprox' または 'Exact' として指定する場合にのみ使用してください。

データ型: logical

prec — 雰囲気

false (既定値) | true

歳差参照フレームを含めるか除外します。

• false — 地球の角速度を、一定の角速度で回転する標準的な地球の値として使用して重力を計算します。

• true — 国際天文学連合 (IAU) の地球の角速度の値と赤経の歳差運動率を使用して重力を計算します。このオプションでは、赤経の歳差率については、ユリウス日 jd を使用して、Epoch J2000.0 からのユリウス世紀を計算します。

この入力は、method を 'CloseApprox' または 'Exact' として指定する場合にのみ使用してください。

データ型: logical

jd — ユリウス日

0 (既定値) | scalar

Epoch J2000.0 からのユリウス世紀を計算するための、スカラーとして指定されたユリウス日。prec オプションは、このオプションを使用して、赤経の歳差運動率について、Epoch J2000.0 からのユリウス世紀を計算します。

この入力は、method を 'CloseApprox' または 'Exact' として指定する場合にのみ使用してください。

データ型: double

action — Action

'Warning' (既定値) | 'Error' | 'None'

範囲外の入力に対するアクション。次のように指定します。

• 警告 - 警告を表示し、入力が範囲外であることを示します。

• エラー - エラーを表示し、入力が範囲外であることを示します。

• なし - 警告やエラーは表示されません。

データ型: char | string

出力引数

g — 特定の経度と緯度における地球表面に対する垂直重力値

配列

特定の経度と緯度における地球表面に対して垂直な重力値。地球表面に対して垂直な方向の m 重力値の配列として返されます。正の値は下向きの方向を示します。

gn — 地球表面に対する垂直な総重力値

配列

特定の lat lon 位置における地球表面に対して垂直な合計重力値が、m 重力値の配列として返されます。正の値は下向きの方向を示します。

依存関係

この出力は、method が 'Exact' として指定された場合にのみ使用できます。method が 'TaylorSeries' または 'CloseApprox' の場合、関数は gn が g に等しいと想定します。

gt — 地球表面の接線方向の重力値

配列

特定の lat lon 位置における地球表面の接線方向の m 重力値の配列。正の値は北方向を示します。

依存関係

この出力は、method が 'Exact' として指定された場合にのみ使用できます。

制限

• WGS84 重力計算は、地心等位回転楕円体という仮定に基づいています。重力ポテンシャルは楕円体上のどこでも同じであると想定されるため、楕円体を定義する 4 つの独立した定数から一意に決定できる特定の理論的な重力ポテンシャルが存在する必要があります。

• WGS84 テイラー シリーズ モデルの使用を低い測地高度に制限します。サブマイクロガルの精度が必要ない場合は、地表近くで十分です。中高度および高高度の測地高度では、精度は低くなります。

• WGS84 Close approximation モデルの使用を測地高度 20,000.0 メートル (約 65,620.0 フィート) に制限します。この高度より低い場合、関数はサブマイクロガルの精度で結果を返します。

• 衛星軌道を高精度で予測および決定するには、gravitywgs84 関数の代わりに、EGM96 オプションと次数および順序 70 を指定した gravitysphericalharmonics 関数を使用します。

参照

[1] National Imagery and Mapping Agency (NIMA). “Department of Defense World Geodetic System 1984: Its Definition, and Relationship with Local Geodetic Systems, TR8350.2, Third Ed.” Department of Defense, Washington, DC: 1997.

バージョン履歴

R2006b で導入