ウェーブレット アナライザー アプリを使用した 1 次元ウェーブレット係数の選択
この節では、Wavelet Toolbox™ の専用のツールの 1 つを使用したウェーブレット係数の 1 次元選択の機能について説明します。このツールボックスは、ウェーブレット アナライザー アプリに、さまざまなウェーブレット係数選択手法に基づいていくつかの再構成方式を試す機能を提供します。
最大の係数 (絶対値) のグローバルな選択
最大の係数のレベルごとの選択
最大の係数の自動選択
係数の手動選択
この節では、次のコマンドを使用して、拡張モードを対称性を利用したパディング方式に切り替えます。
dwtmode('sym')
1 次元ウェーブレット係数選択ツールを起動します。
MATLAB® プロンプトから、
waveletAnalyzer
と入力します。ウェーブレット アナライザーが表示されます。
[1 次元ウェーブレット係数選択] メニュー項目をクリックします。1 次元信号のための離散ウェーブレット係数選択ツールが表示されます。
データを読み込みます。
MATLAB コマンド プロンプトで以下を入力します。
load noisbump
"1 次元ウェーブレット係数選択" ツールで、[ファイル] 、 [ワークスペースから信号をインポート] を選択します。[ワークスペースからインポート] ダイアログ ボックスが表示されたら、変数
noisbump
を選択します。[OK] をクリックして、ノイズを含む Bumps データをインポートします。ウェーブレット分解を実行します。
[ウェーブレット] メニューから
db3
ウェーブレットを選択し、[レベル] メニューから 6 を選択し、[解析] ボタンをクリックします。元の信号 (左側) の下にウェーブレット分解が表示されます。すなわち、Approximation 係数
A6
と、Detail 係数が一番上のD6
から一番下のD1
まで表示されます。ウィンドウの中央には、合成した信号 (このステップの時点では、すべてのウェーブレット係数が維持されているため、同一です) の下に、選択された係数が表示されます。最大の係数のグローバルな選択
ウィンドウの右側に、[残り] とラベル付けされた列があることを確認してください。最後の行は、係数の総数を示しています 1049.これは、観測値の数 (1024) より少し多い数です。1049 の代わりに数を入力するか、スライダーを使用して、選択された最大の係数の数を選択できます。「
40
」と入力し、Enter キーを押します。レベルごとに選択された最大係数の数が更新されます (ただし、現在の選択方法が [グローバル] になっているため変更はできません)。[適用] ボタンをクリックします。結果として得られた係数が表示されます。前の試行では、Approximation 係数はすべて維持されました。[Approximation 係数] メニューから別のオプションを選択すると、この制約を緩めることができます。[選択解除] オプションを選択して、[適用] ボタンをクリックします。
Approximation 係数はどれも維持されません。
[Approximation 係数] メニューから [選択可能] オプションを選択します。選択された最大の係数の数として「
80
」と入力し、Enter キーを押します。次に、[適用] ボタンをクリックします。一部の Approximation 係数 (15) が維持されます。
最大の係数のレベルごとの選択
[選択方法の定義] メニューから、[レベルごと] オプションを選択します。選択された最大の係数の数をレベルごとに選択するか、スライダーを使用して選択できます。Approximation と各 Detail について
4
を入力し、[適用] ボタンをクリックします。係数の手動選択
[選択方法の定義] メニューから、[手動] オプションを選択します。左側の元の信号の下に、そのウェーブレット分解が表示されます。最初は、どの係数も維持されないため、選択された係数は表示されず、合成した信号は null になります。
左マウス ボタンで係数をそれぞれダブルクリックして、16 個の係数を選択します。ウィンドウの左側では選択された係数の色が Detail では緑から黄色に、Approximation では青から黄色に変わり、ウィンドウ中央部では黄色で表示されます。[適用] ボタンをクリックします。
現在選択されている係数の選択を解除するには、それぞれをダブルクリックします。ひとまとまりの係数を選択または選択解除するもう 1 つの方法は、選択ボックスを使用することです。現在選択されているすべての係数を含む係数軸 (元の係数または選択された係数) の部分を囲むように、ラバー バンド ボックス (左マウス ボタンを押したままにする) をドラッグします。ウィンドウの右側にある [選択解除] ボタンをクリックします。[適用] ボタンをクリックします。再び null 信号が表示されます。
複数の係数が非常に近くにある場合、拡大してから選択または選択解除を行うと簡単です。
位置 800 を中心とし、すべてのスケールを含む係数軸の部分を囲むようにラバー バンド ボックスをドラッグして、[選択] ボタンをクリックします。[適用] ボタンをクリックします。
位置 800 を中心として信号が完全再構成されているため、これはウェーブレット解析がローカル解析であることを示しています。[元の信号の表示] チェック ボックスをオンにして拡大します。
係数の自動選択
[選択方法の定義] メニューから、[ステップワイズ ムービー] オプションを選択します。最初に表示されるウィンドウは手動選択モードと同じですが、左側の部分だけ異なっています。
k
個の最大の係数を使用して、k = 1
からk = 31
まで、1
刻みでステップワイズ ムービーを実行しましょう。[開始] ボタンをクリックします。満足のいく結果が得られたら、[停止] ボタンをクリックします。合成した信号を保存します。
合成した信号をディスクに保存できます。ツールボックスは選択された名前の MAT ファイルを現在のフォルダーに作成します。
現在の選択状態から合成した信号を保存するには、メニュー オプション [ファイル]、[合成した信号を保存] を使用します。信号とウェーブレット名を保存するフォルダーとファイル名を指定するためのダイアログ ボックスが表示されます。
この節の最後に、次のコマンドを使用して、拡張モードをゼロ パディングに戻します。
dwtmode('zpd')