非心 t 分布
定義
非心 t 分布のほとんどの一般的な表現は、非常に複雑です。Johnson と Kotz[67] は、非心 t 変量が範囲 [–u, u] に含まれる確率の式を次のように表しています。
I(x|ν,δ) は、パラメーター ν および δ をもつ不完全ベータ関数です。δ は非心度パラメーター、ν は自由度の個数です。
背景
非心 t 分布は、スチューデントの t 分布の汎化です。
自由度が n - 1 のスチューデントの t 分布では、次のように t 統計量をモデル化します。
ここで、 は無作為標本の平均、s は標本標準偏差です。この無作為標本のサイズは n、抽出元の正規母集団の平均は μ であるとします。母集団の平均が実際は μ0 である場合、t-統計量は、非心度パラメーターをもつ非心 t 分布に従います。
非心度パラメーターは、μ0 と μ の間の正規化された差です。
母集団平均が実際に μ0 である、すなわち、t 検定の指数を与える場合、非心 t 分布は、t 検定が平均 μ をもつ誤った帰無仮説を正しく棄却する確率を与えます。検定の検出力は、差 μ0 – μ の増加や、標本のサイズ n の増加と共に増加します。
例
非心 t 分布確率密度関数の計算
自由度 V = 10
と非心度パラメーター DELTA = 1
を使用して、非心 t 分布の確率密度関数を計算します。比較のため、同じ自由度をもつ t 分布の確率密度関数も計算します。
x = (-5:0.1:5)'; nct = nctpdf(x,10,1); t = tpdf(x,10);
非心 t 分布の確率密度関数と t 分布の確率密度関数を、同じ Figure にプロットします。
plot(x,nct,'b-','LineWidth',2) hold on plot(x,t,'g--','LineWidth',2) legend('nct','t')
参考
nctcdf
| nctpdf
| nctinv
| nctstat
| nctrnd
| random