プラント周波数応答データからの PID コントローラーの設計
大半の Simulink® Control Design™ の PID 調整ツールは、線形化されたプラント モデルに基づいて PID ゲインを設計します。プラント モデルが線形化されない場合やゼロに線形化される場合、1 つのオプションは、シミュレートされた周波数応答データに基づいて PID コントローラーを設計することがです。Simulink Control Design には、これを行う方法がいくつか用意されています。
周波数応答ベースの PID 調整器の使用
周波数応答ベースの PID 調整器を使用して、ターゲット開ループ帯域幅近傍の推定プラント周波数応答を用いて PID コントローラーを設計します。この方法には以下の利点があります。
周波数応答ベースの PID 調整器は、プラント モデルに外乱が存在する場合でも機能します。
1 つのダイアログ ボックスで推定と調整を構成できるので、調整の実行が
frestimate
やモデル線形化器を使って周波数応答を推定する場合ほど複雑ではありません。
周波数応答ベースの PID 調整器の使用の詳細については、周波数応答ベースの調整を参照してください。
frestimate
または モデル線形化器の使用
frestimate
コマンドまたはモデル線形化器の周波数応答推定のワークフローを使用して、指定した周波数範囲にわたるプラントの周波数応答を推定します。この方法で得た周波数応答データ (frd
) モデル オブジェクトを、PID 調整器にインポートします。この方法には以下の利点があります。
制御帯域幅をあらかじめ指定する必要がありません。PID 調整器によって初期条件帯域幅が選択されますが、これは性能のロバスト性のバランスが適度に保たれるよう調整することができます。
PID 調整器の対話型の調整と解析ツールを使用して、周波数領域での調整後のシステムの推定線形応答を調べることができます。また、プラントの
frd
モデルを他の解析タスクにも使用できます。周波数応答ベースの PID 調整器はモデルを 2 回シミュレートするため、モデルの詳細によってはこの方が高速な場合もあります。
詳細については、以下を参照してください。