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pmtm

マルチテーパー パワー スペクトル密度推定

構文

  • pxx = pmtm(x)
  • pxx = pmtm(x,nw)
  • pxx = pmtm(x,nw,nfft)
  • [pxx,w] = pmtm(___)
  • [pxx,f] = pmtm(___,fs)
  • [pxx,w] = pmtm(x,nw,w)
  • [pxx,f] = pmtm(x,nw,f,fs)
  • [___] = pmtm(___,method)
  • [___] = pmtm(x,e,v)
  • [___] = pmtm(x,dpss_params)
  • [___] = pmtm(___,'DropLastTaper',dropflag)
  • [___] = pmtm(___,freqrange)
  • [___,pxxc] = pmtm(___,'ConfidenceLevel',probability)

説明

pxx = pmtm(x) では、入力信号 x のトムソンのマルチテーパー パワー スペクトル密度 (PSD) 推定 pxx が返されます。x がベクトルの場合、単一チャネルとして取り扱われます。x が行列の場合、PSD は列ごとに個別に計算され、pxx の対応する列に保存されます。各テーパーは離散扁長回転楕円体 (DPSS) 列またはスレピアン列です。時間と半帯域幅 nw の積は 4 です。既定では、pmtm は最初の 2nw – 1 DPSS 列を使用します。x が実数値の場合、pxx は片側 PSD 推定です。x が複素数値の場合、pxx は両側 PSD 推定です。離散型フーリエ変換 (DFT) の点の数 nfft の最大値は 256 または 信号長よりも大きい最小の 2 のべき乗です。

pxx = pmtm(x,nw) では、時間と半帯域幅の積 nw を使用して、マルチテーパー PSD 推定が求められます。時間と半帯域幅の積はマルチテーパー推定の周波数分解能をコントロールします。pmtm は、PSD 推定で 2nw – 1 のスレピアン テーパーを使用します。

pxx = pmtm(x,nw,nfft) は、DFT で nfft 点を使用します。nfft が信号長よりも大きい場合、x には長さ nfft までゼロが追加されます。nfft が信号長よりも小さい場合、信号は nfft を法としてラップされます。

[pxx,w] = pmtm(___) では、正規化された周波数ベクトル w が返されます。pxx が片側 PSD 推定の場合、w は偶数の nfft に対しては区間 [0,π] をカバーし、奇数の nfft に対しては [0,π) をカバーします。pxx が両側 PSD 推定の場合、w は区間 [0,2π) をカバーします。

[pxx,f] = pmtm(___,fs) は、周波数ベクトル f を単位時間あたりのサイクル数で返します。サンプリング周波数 fs は単位時間あたりのサンプル数です。時間の単位が秒の場合、f の単位はサイクル/秒 (Hz) です。実数値の信号の場合、f は偶数の nfft に対しては区間 [0,fs/2] をカバーし、奇数の nfft に対しては [0,fs/2) をカバーします。複素数値の信号の場合、f は区間 [0,fs) をカバーします。

[pxx,w] = pmtm(x,nw,w) では、ベクトル w で指定される正規化周波数での両側マルチテーパー PSD 推定が返されます。ベクトル w は少なくとも 2 つの要素をもたなければなりません。

[pxx,f] = pmtm(x,nw,f,fs) では、ベクトル f で指定される周波数での両側マルチテーパー PSD 推定が返されます。ベクトル f は少なくとも 2 つの要素をもたなければなりません。f の周波数の単位は単位時間あたりのサイクルです。サンプリング周波数 fs は単位時間あたりのサンプル数です。時間の単位が秒の場合、f の単位はサイクル/秒 (Hz) です。

[___] = pmtm(___,method) では、メソッド method を使用して個々のテーパー PSD 推定が結合されます。method には、次のいずれか、'adapt' (既定値)、'eigen' または 'unity' が可能です。

[___] = pmtm(x,e,v) では、周波数帯域 [-w,w] において集中度 v の N 行 K 列の行列 e 内でテーパーが使用されます。N は入力信号 x の長さです。dpss を使用してスレピアン テーパーと対応する集中度を求めます。

[___] = pmtm(x,dpss_params) では、セル配列 dpss_params を使用して、シーケンス内の要素の数を除いた入力引数が dpss に渡されます。シーケンスの要素数は dpss への最初の入力引数であり、dpss_params には含まれません。以下に例を示します。

x = randn(1000,1);
pxx = pmtm(x,{2.5,3});

[___] = pmtm(___,'DropLastTaper',dropflag) では、pmtm がマルチテーパー PSD 推定の計算で、最後のテーパーを無視するかどうかが指定されます。dropflag は論理値です。dropflag の既定値は true で、最後のテーパーは PSD 推定には使用されません。

[___] = pmtm(___,freqrange) では、freqrange で指定される周波数範囲全体のマルチテーパー PSD 推定が返されます。freqrange の有効なオプションは、'onesided''twosided' および 'centered' です。

[___,pxxc] = pmtm(___,'ConfidenceLevel',probability) では、PSD 推定の probability × 100% 信頼区間が pxxc で返されます。

出力引数を設定せずに pmtm(___) を使用すると、現在の Figure ウィンドウにマルチテーパー PSD 推定がプロットされます。

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既定の入力によるマルチテーパー推定

N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う角周波数 π/4 ラジアン/サンプルの離散時間正弦波で構成される入力信号のマルチテーパー PSD 推定を求めます。

N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う角周波数 π/4 ラジアン/サンプルの正弦波を作成します。信号長は 320 サンプルです。既定の時間と半帯域幅の積 (4) と DFT 長を使用してマルチテーパー PSD 推定を求めます。既定の DFT の点の数は 512 です。信号が実数値なので、PSD 推定は片側で、PSD 推定には 512/2+1 点が含まれます。

n = 0:319;
x = cos(pi/4*n)+randn(size(n));
pxx = pmtm(x);
plot(10*log10(pxx))

時間と半帯域幅の積の指定

指定した時間と半帯域幅の積でマルチテーパー PSD 推定を求めます。

N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う角周波数 π/4 ラジアン/サンプルの正弦波を作成します。信号長は 320 サンプルです。時間と半帯域幅の積を 2.5 としてマルチテーパー PSD 推定を求めます。分解能帯域幅は [–2.5π/320,2.5π/320] ラジアン/サンプルです。既定の DFT の点の数は 512 です。信号が実数値なので、PSD 推定は片側で、PSD 推定には 512/2+1 点が含まれます。

n = 0:319;
x = cos(pi/4*n)+randn(size(n));
pxx = pmtm(x,2.5);
plot(10*log10(pxx))

信号長と等しい DFT 長

N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う角周波数 π/4 ラジアン/サンプルの離散時間正弦波で構成される入力信号のマルチテーパー PSD 推定を求めます。信号長と同じ DFT 長を使用します。

N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う角周波数 π/4 ラジアン/サンプルの正弦波を作成します。信号長は 320 サンプルです。時間と半帯域幅の積を 3、DFT 長を信号長と同じにしてマルチテーパー PSD 推定を求めます。信号は実数値のため、既定では長さが 320/2+1 に等しい片側 PSD 推定が返されます。

n = 0:319;
x = cos(pi/4*n)+randn(size(n));
pxx = pmtm(x,3,length(x));
plot(10*log10(pxx))

サンプリング周波数によるマルチテーパー推定

1 kHz でサンプリングされた信号のマルチテーパー PSD 推定を求めます。信号は、N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う 100 Hz の正弦波です。信号の持続時間は 2 秒です。時間と半帯域幅の積 3 および信号長と同じ DFT 長を使用します。

fs = 1000;
t = 0:1/fs:2-1/fs;
x = cos(2*pi*100*t)+randn(size(t));
[pxx,f] = pmtm(x,3,length(x),fs);
plot(f,10*log10(pxx))

均一重み付けによる単一テーパー推定平均

個々にテーパーをかけた直接スペクトル推定が平均の等しい重みを与えられている、マルチテーパー PSD 推定を求めます。

1 kHz でサンプリングされた信号のマルチテーパー PSD 推定を求めます。信号は、N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う 100 Hz の正弦波です。信号の持続時間は 2 秒です。時間と半帯域幅の積 3 および信号長と同じ DFT 長を使用します。'unity' オプションを使用して、テーパーをかけたそれぞれの直接スペクトル推定に等しい平均重みを与えます。

fs = 1000;
t = 0:1/fs:2-1/fs;
x = cos(2*pi*100*t)+randn(size(t));
[pxx,f] = pmtm(x,3,length(x),fs,'unity');
plot(f,10*log10(pxx))

DPSS 列およびその周波数領域の集中度

この例では、DPSS 列の周波数領域の集中度を調べます。例では、スレピアン列を事前計算して、分解能帯域幅におけるエネルギーの集中度が 99% を超えるものを選択することで、入力信号のマルチテーパー PSD 推定を求めます。

信号は、N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う 100 Hz の正弦波です。信号の持続時間は 2 秒です。

fs = 1000;
t = 0:1/fs:2-1/fs;
x = cos(2*pi*100*t)+randn(size(t));

時間と半帯域幅の積を 3.5 に設定します。信号長が 2000 サンプル、サンプリング間隔が 0.001 秒の場合、分解能帯域幅は [-1.75,1.75] Hz となります。最初の 10 個のスレピアン列を計算し、指定された分解能帯域幅における周波数の集中度を調べます。エネルギーの集中度が 90% を超えるスレピアン列の数を判別します。

[e,v] = dpss(length(x),3.5,10);
stem(1:length(v),v,'markerfacecolor',[0 0 1]); set(gca,'ylim',[0 1.2])
title('Energy Concentrations in [-w,w] of k-th Slepian Sequence');
xlabel('k-th sequence'); ylabel('Proportion of Energy in [-w,w]');
h = line(1:length(v),0.990*ones(length(v),1));
set(h,'color','r','linewidth',2)
idx = find(v>0.99,1,'last');

選択した DPSS 列を使用してマルチテーパー PSD 推定を求めます。'DropLastTaper'false に設定し、選択されたテーパーをすべて使用します。

[pxx,f] = pmtm(x,e(:,1:idx),v(1:idx),length(x),fs,'DropLastTaper',false);
plot(f,10*log10(pxx))

DC を中央に揃えたマルチテーパー PSD 推定

N(0,1) 加法性ノイズを伴う 100 Hz 正弦波のマルチテーパー PSD 推定を求めます。データは 1 kHz でサンプリングされています。'centered' オプションを使用して DC を中央とする PSD を求め、結果をプロットします。

fs = 1000;
t = 0:1/fs:2-1/fs;
x = cos(2*pi*100*t)+randn(size(t));
[pxx,f] = pmtm(x,3.5,length(x),fs,'centered');
plot(f,10*log10(pxx))
xlabel('Hz'); ylabel('dB')

95% 信頼限界の上限および下限

次の例は、マルチテーパー PSD 推定を伴う信頼限界の使い方を示します。統計的有意性の必要条件ではありませんが、周囲の PSD 推定の信頼下限が信頼上限を超えるマルチテーパー PSD 推定の周波数は、時系列で大きな振幅を明確に示します。

N(0,1) 加法性ホワイト ノイズを伴う 100 Hz と 150 Hz の正弦波の重ね合わせで構成される信号を作成します。2 つの正弦波の振幅は 1 です。サンプリング周波数は 1 kHz です。信号の持続時間は 2 秒です。

fs = 1000;
t = 0:1/fs:2-1/fs;
x = cos(2*pi*100*t)+cos(2*pi*150*t)+randn(size(t));

95% 信頼限界でマルチテーパー PSD 推定を求めます。信頼区間と共に PSD 推定をプロットし、100 Hz と 150 Hz 付近の周波数関心領域を拡大します。

[pxx,f,pxxc] = pmtm(x,3.5,length(x),fs,...
'ConfidenceLevel', 0.95);
plot(f,10*log10(pxx)); hold on;
plot(f,10*log10(pxxc),'r--','linewidth',2);
axis([85 175 min(min(10*log10(pxxc))) max(max(10*log10(pxxc)))]);
xlabel('Hz'); ylabel('dB');
title('Multitaper PSD Estimate with 95%-Confidence Bounds');

100 Hz と 150 Hz では、周囲の PSD 推定の信頼下限が信頼上限を超えます。

マルチテーパー法によるマルチチャネル信号の PSD 推定

$N(0,1)$ 加法性ホワイト ガウス ノイズを伴う 3 つの正弦波から構成されるマルチチャネル信号の 1024 サンプルを生成します。正弦波の周波数は、 $\pi/2$ $\pi/3$ および $\pi/4$ ラジアン/サンプルです。トムソンのマルチテーパー法を使用して信号の PSD を推定し、プロットします。

N = 1024;
n = 0:N-1;

w = pi./[2;3;4];
x = cos(w*n)' + randn(length(n),3);

pmtm(x)

入力引数

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x — 入力信号ベクトル | 行列

行または列のベクトル、または行列として指定する入力信号。x が行列の場合、その各列は独立チャネルとして扱われます。

例: cos(pi/4*(0:159))+randn(1,160) は単一チャネルの行ベクトル信号です。

例: cos(pi./[4;2]*(0:159))'+randn(160,2) は 2 チャネル信号です。

データ型: single | double
複素数のサポート: はい

nw — 時間と半帯域幅の積4 (既定値) | 正のスカラー

正のスカラーで指定する時間と半帯域幅の積。マルチテーパー スペクトル推定では、マルチテーパー推定 [–W,W] の分解能帯域幅を指定します。ここで、小さな k > 1 については、W = k/NΔt となります。つまり、W は DFT の周波数分解能を数倍したものです。時間と半帯域幅の積は、分解能半帯域幅と入力信号のサンプル数 N の積です。フーリエ変換が [–W,W] (単位元に近い固有値) にはっきり集中しているスレピアン テーパーの数は 2NW – 1 です。

nfft — DFT 点の数max(256,2^nextpow2(length(x)) (既定値) | 整数 | []

正の整数として指定する DFT 点の数。実数値の入力信号 x では、PSD 推定 pxx は、nfft が偶数の場合、長さ (nfft/2+1)、nfft が奇数の場合、長さ (nfft+1)/2 になります。複素数値の入力信号 x では、PSD 推定は常に長さ nfft になります。nfft が空として指定されている場合、既定の nfft が使用されます。

データ型: single | double

fs — サンプリング周波数正のスカラー

正のスカラーとして指定するサンプリング周波数。サンプリング周波数は単位時間あたりのサンプル数です。時間の単位が秒の場合、サンプリング周波数の単位は Hz です。

w — Goertzel アルゴリズム用の正規化された周波数ベクトル

要素が 2 つ以上の行ベクトルまたは列ベクトルで指定する、Goertzel アルゴリズム用の正規化周波数。正規化された周波数の単位はラジアン/サンプルです。

例: w = [pi/4 pi/2]

データ型: double

f — Goertzel アルゴリズム用の巡回周波数ベクトル

要素が 2 つ以上の行ベクトルまたは列ベクトルで指定する、Goertzel アルゴリズム用の巡回周波数。周波数の単位は単位時間あたりのサイクルです。単位時間はサンプリング周波数 fs で指定されます。fs の単位がサンプル/秒であれば、f の単位は Hz です。

例: fs = 1000; f= [100 200]

データ型: double

method — 個々のテーパー PSD 推定の重み'adapt' (既定値) | 'eigen' | 'unity'

'adapt''eigen' または 'unity' で指定する個々のテーパー PSD 推定の重み。既定値は、トムソンの適応的周波数依存重み 'adapt' です。これらの重みの計算の詳細は [1] の 368 ~ 370 ページで説明されています。'eigen' メソッドは、対応するスレピアン テーパーの固有値 (周波数の集中度) によって、各テーパー PSD 推定を重み付けします。'unity' メソッドは各テーパー PSD 推定を同等に重み付けします。

e — DPSS (スレピアン) 列行列

N が入力信号 x の長さである N 行 K 列の行列として指定する DPSS (スレピアン) 列。行列 edpss の出力です。

v — DPSS (スレピアン) 列の固有値ベクトル

列ベクトルとして指定する DPSS (スレピアン) 列の固有値。DPSS 列の固有値は、分解能帯域幅 [-W, W] に集中した列のエネルギーの配分を示します。固有値の範囲は (0,1) の区間にあり、一般に最初の 2NW-1 個の固有値は 1 に近く、その後 0 に向かって減少します。

dpss_paramsdpss の入力引数セル配列

セル配列として指定する dpss の入力引数。dpss への最初の入力引数は DPSS 列の長さで、dpss_params からは省略されます。DPSS 列の長さは入力信号 x の長さから求められます。

例: {3.5,5}

dropflag — 最後の DPSS 列を無視するか残すかを示すフラグtrue (既定値) | false

論理値として指定する、最後の DPSS 列を無視するか残すかを示すフラグ。既定値は true で、pmtm は最後のテーパーを無視します。マルチテーパー推定では、最初の 2NW –  DPSS 列は単位元に近い固有値をもちます。2NW – 1 未満の列を使う場合、すべてのテーパーが 1 に近い固有値をもつ傾向があります。dropflagfalse として指定すれば、最後のテーパーを残すことができます。

freqrange — PSD 推定の周波数範囲'onesided' | 'twosided' | 'centered'

'onesided''twosided' または 'centered' で指定する、PSD 推定の周波数範囲。既定値は、実数値信号の場合は 'onesided'、複素数値信号の場合は 'twosided' です。各オプションに対応する周波数範囲は次のとおりです。

  • 'onesided' — 実数値入力信号 x の片側 PSD を返します。nfft が偶数の場合、pxx は長さ nfft/2+1、計算区間は [0,π] ラジアン/サンプルです。nfft が奇数の場合、pxx は長さ (nfft+1)/2、区間は [0,π) ラジアン/サンプルです。fs がオプションで指定されると、対応する区間はそれぞれ、nfft が偶数の場合は [0,fs/2] サイクル/単位時間、奇数の場合は [0,fs/2) サイクル/単位時間になります。

  • 'twosided' — 実数値または複素数値の入力 x について両側 PSD 推定を返します。この場合、pxx の長さは nfft、計算区間は [0,2π) ラジアン/サンプルです。fs がオプションで指定される場合、その区間は [0,fs) サイクル/単位時間になります。

  • 'centered' — 実数値または複素数値の入力 x について中央に揃えた両側 PSD 推定を返します。この場合 pxx の長さ nfft は、偶数長の nfft については区間 (-π,π] ラジアン/サンプルで、奇数長の nfft については (-π,π) ラジアン/サンプルで計算されます。fs がオプションで指定されると、対応する区間はそれぞれ、nfft が偶数の場合は (-fs/2,fs/2] サイクル/単位時間、奇数の場合は (-fs/2,fs/2) サイクル/単位時間になります。

データ型: char

probability — PSD 推定の信頼区間0.95 (既定値) | (0,1) の範囲のスカラー

(0,1) の範囲のスカラーとして指定する、真の PSD のカバレッジ確率。出力 pxxc は真の PSD の probability × 100% 区間推定の下限および上限を含みます。

出力引数

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pxx — PSD 推定ベクトル | 行列

実数値の非負の列ベクトルまたは行列で指定する PSD 推定。pxx の各列が x の対応する列の PSD 推定です。PSD 推定の単位は、単位周波数あたりの時系列データの 2 乗振幅単位となります。たとえば、入力データがボルト単位の場合、PSD 推定の単位は単位周波数あたりのボルトの 2 乗となります。ボルト単位の時系列では、抵抗が 1 Ω という想定でサンプリング周波数を Hz で指定した場合、PSD 推定はワット/Hz 単位となります。

データ型: single | double

w — 正規化された周波数ベクトル

実数値の列ベクトルで指定する正規化周波数。pxx が片側 PSD 推定の場合、w は偶数の nfft に対しては区間 [0,π] をカバーし、奇数の nfft に対しては [0,π) をカバーします。pxx が両側 PSD 推定の場合、w は区間 [0,2π) をカバーします。DC を中央に揃えた PSD 推定では、f は、長さ nfft が偶数の場合は区間 (-π,π] ラジアン/サンプルをカバーし、長さ nfft が奇数の場合は (-π,π) ラジアン/サンプルをカバーします。

データ型: double

f — 巡回周波数ベクトル

実数値の列ベクトルで指定する巡回周波数。片側 PSD 推定では、fnfft が偶数の場合は区間 [0,fs/2] をカバーし、nfft が奇数の場合は [0,fs/2) をカバーします。両側 PSD 推定では、f は区間 [0,fs) をカバーします。DC を中央に揃えた PSD 推定では、f は、長さ nfft が偶数の場合は区間 (-fs/2, fs/2] サイクル/単位時間をカバーし、長さ nfft が奇数の場合は (-fs/2, fs/2) サイクル/単位時間をカバーします。

データ型: double

pxxc — 信頼限界行列

信頼限界。実数値要素をもつ行列として指定します。行列の行のサイズは、PSD 推定 pxx の長さと同じです。pxxc の列数は pxx の 2 倍です。奇数番号の列には信頼区間の下限が、偶数番号の列にはその上限がそれぞれ含まれています。したがって、pxxc(m,2*n-1) は、推定 pxx(m,n) に対応する信頼区間の下限で、pxxc(m,2*n) はその上限となります。信頼区間のカバレッジ確率は、probability の入力値によって決まります。

データ型: single | double

詳細

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離散扁長回転楕円体 (スレピアン) 列

スレピアン列の偏差は離散時間から生じる、連続的な周波数集中の問題です。この問題では、インデックスが 0,1,...,N – 1 に制限されるすべての ℓ2 列について、|W| < 1/2Δt の場合に周波数帯域幅 [–W,W] においてエネルギーの集中度が最大になるような列を求めます。

これは、N 行 N 列の半正定の自己共役作用素について、その固有値と対応する固有ベクトルを求めることを意味しています。したがって、固有値は実数かつ非負であり、各固有値に対応する固有ベクトルは互いに直交になります。特にこの問題では、固有値が 1 以下に制限され、固有ベクトルは周波数範囲 [–W,W] におけるこの列のエネルギー集中度の測度となります。

固有値問題は次により与えられます。

n=0N1sin(2πW(nm))π(nm)gn=λk(N,W)gmm=0,1,2,,N1

0 次の DPSS 列 g0 は最大の固有値に対応する固有ベクトルです。1 次の DPSS 列 g1 は 2 番目に大きい固有値に対応する固有ベクトルであり、0 次の列と直交します。2 次の DPSS 列 g2 は 3 番目に大きい固有値に対応する固有ベクトルであり、0 次と 1 次の列と直交します。演算子は N 行 N 列であるため、N 個の固有ベクトルがあります。しかし、与えられた列の長さ N と指定の帯域幅 [-W,W] について、単位元に非常に近い固有値をもつ約 2NW – 1 の DPSS 列が存在することが確認されます。

マルチテーパー スペクトル推定

ピリオドグラムは、広義における定常プロセスの真のパワー スペクトル密度の一致推定器ではありません。PSD の一貫性のある推定を求めるために、マルチテーパー法は相互に直行するテーパー (ウィンドウ) 群を使用して求められた修正ピリオドグラムを平均します。互いに直交であることに加え、テーパーは最適な時間および周波数の集中度特性をもちます。テーパーの相互直交性、時間および周波数の集中度のどちらもが、マルチテーパー手法を成功させるうえで欠かせません。トムソンのマルチテーパー法で使用されるスレピアン列の概要については、離散扁長回転楕円体 (スレピアン) 列を参照してください。

マルチテーパー法では、それぞれ異なるスレピアン列をウィンドウとして使って求められた K 個の修正ピリオドグラムを使用します。

Sk(f)=Δt|n=0N1gk,nxnei2πfnΔt|2

これは k 番目のスレピアン列 gk,n を使用して求められた修正ピリオドグラムを示します。

最も単純な形では、マルチテーパー法は K 個の修正ピリオドグラムをそのまま平均してマルチテーパー PSD 推定を求めます。

S(MT)(f)=1Kk=0K1Sk(f)

マルチテーパー PSD 推定とウェルチ法との違いに注意してください。両手法とも、ほぼ無相関の PSD 推定について平均をとり、ピリオドグラムの変動性を軽減します。しかし、2 つのアプローチはこれらの無相関の PSD 推定の求め方に違いがあります。マルチテーパー法は各修正ピリオドグラムにおいて信号全体を使用します。スレピアン テーパーの直交性により、それぞれの修正ピリオドグラムの相関が失われます。ウェルチのオーバーラップ セグメント平均化アプローチでは、各修正ピリオドグラムにおける信号のセグメントを使用します。セグメント化により、それぞれの修正ピリオドグラムの相関が失われます。

上述の数式は pmtm における 'unity' オプションに相当します。しかし、離散扁長回転楕円体 (スレピアン) 列で説明されているように、スレピアン列は対象周波数帯域において等価なエネルギー集中度をもちません。スレピアン列の次数が高くなると、固有値によって与えられる集中度をもつ帯域 [-W,W] における列のエネルギーの集中度は低くなります。したがって、平均をとる前に固有値を使用して K 個の修正ピリオドグラムに重み付けすることが有益となります。これは pmtm における 'eigen' オプションに相当します。

列の固有値を使用して修正ピリオドグラムの加重平均を求めた場合、スレピアン列における周波数の集中度特性が現れます。しかし、ランダム過程のパワー スペクトル密度とスレピアン列の周波数の集中度との相互作用は明らかにはなりません。特に、ランダム過程がパワーをほとんどもたない周波数領域については、修正ピリオドグラムで高次のスレピアン列が使用され、信頼性が低い状態で推定されます。これは周波数依存の適応過程について唱えられており、スレピアン列の周波数の集中度のみならず、時系列におけるパワー分布についての説明にもなっています。この適応重み付けは pmtm における 'adapt' オプションに相当し、マルチテーパー推定演算の既定値です。

参照

[1] Percival, D. B., and A. T. Walden, Spectral Analysis for Physical Applications: Multitaper and Conventional Univariate Techniques. Cambridge, UK: Cambridge University Press, 1993.

[2] Thomson, D. J., “Spectrum estimation and harmonic analysis.” Proceedings of the IEEE®. Vol. 70, 1982, pp. 1055–1096.

参考

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