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設定へのアクセスと変更

設定では、プログラムによってツールのオプションにアクセスして変更する方法を提供しています。たとえば、MATLAB® エディターの外観と動作をカスタマイズする設定の使用、MATLAB デスクトップ ツールによって使用されているコードのフォントの変更、MAT ファイルの保存方法の変更ができます。設定は、一時的な値を使用して現在のセッションで変更するか、または個人用の値を使用して複数のセッションで変更できます。個々の設定に関するドキュメンテーションは、システム コマンドに移動し、[設定] カテゴリのリンクを選択してください。

設定へのアクセス

設定は、設定グループのツリーベース階層構造に、製品単位で整理されます。ツリーの最上部には root 設定グループ オブジェクトがあります。root オブジェクトの直下には、製品設定グループがあります。各製品設定グループには、固有の設定の階層構造があります。設定ツリーのリーフ ノードを設定といいます。

Settings tree hierarchy. At the top of the tree is the root node with two child nodes, matlab and another node labeled with three dots. The matlab node has three child nodes: general, editor, and another node labeled with three dots.

設定にアクセスするには、関数 settings を使用して、設定ツリーのルートを取得します。

s = settings;
ドット表記を使用して、ツリーの設定グループと設定にアクセスします。たとえば、MATLAB 内の設定グループのリストを表示します。
s.matlab
ans = 

  SettingsGroup 'matlab' with properties:

               fonts: [1×1 SettingsGroup]
             general: [1×1 SettingsGroup]
              colors: [1×1 SettingsGroup]
         appdesigner: [1×1 SettingsGroup]
          appearance: [1×1 SettingsGroup]
     programmingAids: [1×1 SettingsGroup]
            keyboard: [1×1 SettingsGroup]
       commandwindow: [1×1 SettingsGroup]
        codeanalyzer: [1×1 SettingsGroup]
              editor: [1×1 SettingsGroup]
    toolboxpathcache: [1×1 SettingsGroup]
設定の現在値を取得するには、ドット表記を使用して親設定グループを含む設定名全体を入力します。たとえば、MATLAB のコメントにおける最大列幅の値のリストを取得します。
s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth
ans = 

 Setting 'matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth' with properties.

       ActiveValue: 75
    TemporaryValue: <no value>
     PersonalValue: <no value>
 InstallationValue: <no value>
      FactoryValue: 75

設定の変更

設定には値のタイプが 5 つあります。

  • アクティブ — アクティブな値は設定の現在の値です。

  • 一時的 — 一時的な値は現在の MATLAB セッションでのみ使用でき、セッション終了時にクリアされます。

  • 個人用 — 個人用の値は、ユーザー個人の複数の MATLAB セッション間で永続します。値は、変更すると基本設定フォルダーに保存されます。

  • インストール — ("R2022a 以降") インストールの値は特定の MATLAB インストールを使用するすべてのユーザーに適用されます。値は MATLAB のルートに保存されます。値はセッション間で維持されますが、新しいバージョンの MATLAB へのアップグレード時には移行されません。

  • 出荷時 — 出荷時の値は既定の設定値です。

設定のアクティブな値は、次のように判定します。

  • 設定が一時的な値である場合、アクティブな値はその一時的な値です。

  • 設定が一時的な値ではなく、個人用の値である場合、アクティブな値はその個人用の値です。

  • 設定が一時的な値でも個人的な値でもなく、インストール時の値になっている場合、アクティブな値はそのインストール時の値です。

  • 設定が一時的な値、個人用の値、インストールの値のいずれもでもない場合、アクティブな値は出荷時の値です。

たとえば、設定 MySetting の一時的な値が 12、出荷時の値が 10 で、個人用の値とインストールの値はないとします。この場合、MySetting のアクティブな値は、一時的な値 12 です。

設定のアクティブな値を変更するには、設定の一時的な値または個人用の値を設定します。たとえば、MATLAB におけるコメントの最大列幅の一時的な値を 80 に設定します。この一時的な値は、現在の MATLAB セッションの最後でクリアされます。

s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth.TemporaryValue = 80;
s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth
ans = 

 Setting 'matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth' with properties.

       ActiveValue: 80
    TemporaryValue: 80
     PersonalValue: <no value>
 InstallationValue: <no value>
      FactoryValue: 75

既定値に戻す

設定の値を出荷時の値またはインストールの値 (インストールの値が定義されている場合) に戻すには、関数 clearTemporaryValue と関数 clearPersonalValue を使用して、設定の一時的な値と個人用の値をクリアします。たとえば、MATLAB におけるコメントの最大列幅の一時的な値をクリアします。値をクリアする前に、関数 hasTemporaryValue を使用して、値が存在するかどうかをチェックしてください。個人用の設定値が定義されていないため、出荷時の値がアクティブな値になります。

if(hasTemporaryValue(s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth))
    clearTemporaryValue(s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth)    
end

s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth
ans = 

 Setting 'matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth' with properties.

       ActiveValue: 75
    TemporaryValue: <no value>
     PersonalValue: <no value>
 InstallationValue: <no value>
      FactoryValue: 75

設定と基本設定

一部の設定は、対応する基本設定にリンクしています。設定が基本設定にリンクされている場合、設定の一時的な値または個人用の値を変更すると、対応する基本設定が変更されます。一時的な値が変更された場合、MATLAB セッションの終了時に、基本設定は元の値に戻ります。基本設定の詳細については、基本設定を参照してください。

参考

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