モデルベースデザインを使用した医療機器の開発

モデルベースデザイン (MBD、モデルベース開発) を使用すると、医療機器エンジニアは設計段階と実装手順を明確に分けることができます。また、エンジニアが既存のソフトウェア開発ワークフローにアジャイルな手法を組み込むのにも役立ちます。

モデルベースデザインを使用すると、以下のことが可能になります。

  • 診断と治療のアルゴリズムやデバイス実装前のモデル化およびシミュレーション
  • より高い抽象度での複雑なマルチドメイン システムの検証および妥当性確認
  • モデルから C、C++、GPU、HDL などのコードを自動生成することによる、設計のプロトタイプ化および概念実証の作成
  • FDA/CE 規制遵守の証明となるカスタマイズ可能なレポートの作成
  • 静的解析を使用した、実行時に起こりうるあらゆる状況下でのコードの安全性の証明

「Simulink を使用したモデルベースデザインにより、早期の検証によるコストとプロジェクトリスクの低減、IEC 62304 認定システムの市場投入までの時間短縮、最初から適切かつ高品質な製品コードの提供が可能になりました。」

Michael Schwarz, ITK Engineering

医療機器開発のためのモデルベースデザインの使用

動的システムモデリングとシミュレーション

医療機器の開発は、ソフトウェア、機械、電気、流体システムなど、複数のエンジニアリングの分野にまたがって行われることがあります。動的システムモデリングに Simulink® を使用することで、これらの異なるドメインを統一されたシミュレーション環境に統合し、複雑な医療機器を効率的に設計および実装することができます。この手法を用いることで、次のことが可能になります。

  • 環境やターゲット ハードウェアに依存しないソフトウェアシステムのモデル開発
  • シミュレーションベースのテストの実行による、要件や仕様の理解および反復
  • 複雑なマルチドメイン デバイスの設計トレードオフと動作の評価
  • モデルやコードレベルでのユニットテストやサブシステム全体のテスト

展開およびリアルタイム・プロトタイピング

モデルが開発され、シミュレーションでテストされた後は、プロトタイプや最終生産ユニットのコードを自動的に生成することができます。これにより、何千行ものコードを手作業で記述する必要がなくなり、生産性が高まり品質の向上につながります。

リアルタイム シミュレーションおよびテストにより、設計を早期に検証し、設計上のトレードオフを評価し、わずかな時間とコストで実用的な臨床プロトタイプを作成することができます。


モデルとコードの検証と妥当性確認

Simulink に搭載された豊富な検証機能および妥当性確認機能により、ターゲット ハードウェアに対するモデルやコードの厳密なテストと検証を行うことができます。Simulink Test™ および Simulink Requirements™ を使用すると、以下のことが可能になります。

  • 要件の作成、解析、管理、およびトレーサビリティ レポートの作成
  • テストの完成度を測定するモデルとコードのカバレッジ解析の実施
  • モデル、生成コード、シミュレーション上または物理的なハードウェアのシミュレーションベースのテストの管理
  • 整数オーバーフロー、デッドロジック、ゼロ除算などの隠れた設計エラーの特定
  • FDA/CE 規制遵守の証明となるカスタマイズ可能なレポートの作成