主な機能

  • 事前定義された素子またはカスタム素子を使用したアンテナの迅速な設計と可視化
  • 任意のプリント基板(PCB) の設計、アンテナ製造のためのGerberファイルの生成
  • 無限アレイまたは埋め込み要素パターン手法を使用した大規模なアレイ解析
  • 非常に大規模な構造に設置されたアンテナ解析のための無限の基平面指定
  • アンテナとアレー アンテナのインピーダンス、リターン ロスおよび S パラメーターのポート解析
  • アンテナ、アンテナ アレイおよびカスタム データのパターン、E-H フィールドおよびビーム幅の放射フィールド解析
  • アンテナとアンテナ アレイの電流、充電およびメッシュの面解析

Antenna Designer アプリを使用してアンテナを設計し、解析結果を可視化します。求められる仕様を満たすアンテナをカタログから選択します。


アンテナ カタログ

Antenna Toolbox™ には、自由空間または誘電体基盤でメタル アンテナを迅速に設計および可視化するためのパラメータ化されたアンテナ素子のカタログが用意されています。ライブラリからさまざまな種類のアンテナを選択し、それぞれの幾何学的特性、方向、給電点を変更することができます。その結果得られたアンテナ 形状は 3 次元で可視化し、確認できます。

アンテナ素子のカタログには、ダイポール、モノポール、パッチ、スパイラル、八木宇田、ホーン アンテナなど、さまざまな種類が含まれています。アンテナ素子にリフレクターやキャビティなどの補助構造体を追加し、誘電体基板を指定できます。

Antenna Designer アプリを使用して、求められる仕様を満たすアンテナを迅速に選択できます。数ステップでアンテナ パフォーマンスの設計、解析、可視化を行うことができ、期待される結果が得られるまでこれらを繰り返すことができます。

以下は Antenna Toolbox で使用できるアンテナの例です。左上から時計回りに、誘電体 FR4 基板上の PIFA (板状逆 F アンテナ)、らせんアンテナ、キャビティ内に配置したアルキメデス スパイラル アンテナ、クローバー型アンテナ、ビバルディ アンテナ、ホーン アンテナを示します。


カスタム 形状と製造

Antenna Toolbox では、任意の平面 (2D) アンテナまたはアレイを独自に設計できます。幾何学的形状を組み合わせてアンテナの境界を定義するか、MATLAB®Partial Differential Equation Toolbox™、その他の CAD ツールを使用して生成したメッシュをインポートできます。カスタム アンテナの給電点を定義した後、既存の解析関数を使用してポート、表面、フィールドのプロパティを計算するか、カスタム アンテナをアレイに統合することができます。

既存のプリント アンテナがある場合は、写真を元にして形状をインポートし、Antenna Toolbox で解析できます。

任意の給電点、バイアス、メタル、誘電体層をもつ多層プリント基板 PCB アンテナの幾何学的形状の作成と結合を行うことができます。PCB アンテナ コネクタを選択し、製造サービスを選択した後、PCB アンテナ製造用のGerber ファイルの書き出しおよび可視化ができます。Antenna Toolbox は PCB アンテナの設計、解析、製造プロセスを効率化します。

カスタム アンテナの例は以下のとおりです。左上から時計回りに、カスタム トリプル スロット アンテナ、カスタムプレーナメッシュ、2 つの基板上の PCB アンテナ、生成されたアンテナ製造用Gerber ファイル、プリント アンテナの写真、写真から生成されたレイアウト。


アンテナ アレイ

Antenna Toolbox を使用すると、線形、矩形、円形、コンフォーマルのアンテナ アレイを設計できます。カタログからアンテナを選択するか、カスタム素子を使用することができます。素子間の間隔を定義したり、アンテナの方向を変えたり、アレイのレイアウトを指定したりすることが可能です。

また、大規模なアレイの解析をより迅速に行うために、Antenna Toolbox には無限アレイ手法が用意されています。この手法を用いて、通常の平面で無限に繰り返されるセルとしてアンテナを処理します。

アンテナ アレイ解析ではアレイの素子間での相互結合が考慮されます。MIMO (多入力多出力) システムにおけるアンテナ間の相関を調べたり、フェイズドアレイシステムの放射パターン上で狭い間隔で配置されたアンテナの影響を調べ、マルチポイント S パラメータを介して電気的結合を評価することができます。

アレイ解析結果は、伝送チャネルの影響を含め、無線トランシーバーにおけるデジタル ベースバンドからアンテナ (またはその逆) のエンドツーエンドの正確なシミュレーションで使用することができます。また、レーダーや無線通信システムのシミュレーションを行う際にアレイゲイン、指向性、負荷、結合など、アンテナによって及ぼされる影響を考慮することが可能です。

MATLAB® でスキャッタリング パラメーター (S パラメーター) ファイルを操作し、タッチストーン ファイルをインポートして、S パラメーターファイルを操作、可視化、保存できます。行列および信号処理を使用して RF...

以下は Antenna Toolbox で設計されたアンテナ アレイの例です。左上から時計回りに、ダイポール アンテナのコンフォーマル アレイ、4 パッチ アンテナの線形アレイ、2 つのダイポールのアレイとして設計されたターンスタイル アンテナ、無限アレイ アプローチ。


解析、設計およびチューニング

Antenna Toolbox は モーメント法を使用してアンテナ素子とアレイを解析します。インピーダンス、S パラメータ、VSWR (電圧定在波比) などのポート特性を計算して、アンテナの共振周波数を特定するか、インピーダンスにマッチングする条件を調べることができます。MIMO システムでは、アンテナ アレイのマルチポート S パラメータを計算することで、アンテナ素子の結合による影響を推定してシミュレーションすることができます。

アンテナ表面での電流と電荷分布はさまざまな周波数で計算し、可視化することが可能です。また、解析に使用するメッシュの密度を検査して制御することもできます。

電磁界は空間の任意のポイントと周波数で計算でき、3 次元または 2 次元のさまざまな平面で可視化できます。遠方界放射パターンは隔離されたアンテナおよびアンテナ アレイの設計に使用でき、アレイに組み込まれた時のアンテナ素子のアレイ パターンを計算することで、隣接する構造体の影響を推定することができます。

給電点の電圧源を使用してアンテナを励起したり、平面波励起を使用して受信アンテナの問題を解決したり、散乱解を計算することができます。また、アンテナの表面に集中定数の RLC 素子を接続して共振を改善させるための調整を行うことができます。

設計スペースを確認し、システム仕様を満たすようアンテナとアレイを最適化できます。たとえば、Optimization Toolbox™Global Optimization Toolbox を Antenna Toolbox で使用し、最適化されたパターンとマッチング特性のアンテナとアレイを設計できます。

以下は、Antenna Toolbox を使用して得られる解析結果の例です。左上から時計回りに、メアンダ アンテナの周波数に対する複素インピーダンス、メアンダ アンテナのパターンの方位角、極座標プロット、八木宇田アンテナの最適化されたパターン、ワイヤレス電力伝送用の 2 つの結合スパイラル アンテナの磁界。


システムへの統合とシミュレーション

アンテナおよびアレイ解析結果は、伝送チャネルの影響など、無線トランシーバーにおけるデジタル ベースバンドからアンテナ (またはその逆) のエンドツーエンドの正確なシミュレーションで使用することができます。

Antenna Toolbox は Phased Array System Toolbox™ および Communications Toolbox™ と併用することで、レーダーおよび MIMO 通信システムの設計に活用できます。アレイ内で隔離または埋め込まれるアンテナ素子の複雑な放射パターンを、ビーム フォーミング アルゴリズムとビーム ステアリング アルゴリズムの開発に適用可能です。また、アンテナ素子間の結合を推定し、アレイのエッジ効果を考慮し、アンテナ相関を含む MIMO チャネル 性能をシミュレーションすることが可能です。

Antenna Toolbox で計算されたアンテナおよびアンテナ アレイのインピーダンスと S パラメータは RF Toolbox™ を使用してマッチング ネットワークの設計で使用できます。電力伝送でのアンテナ負荷と RF フロントエンドでの S/N 比の影響は RF Blockset™ を使用した無線通信システムのシミュレーションに組み込むことができます。

MATLAB® でスキャッタリング パラメーター (S パラメーター) ファイルを操作し、タッチストーン ファイルをインポートして、S パラメーターファイルを操作、可視化、保存できます。行列および信号処理を使用して RF...

以下は、アンテナ アレイの解析結果を含むシステムレベル シミュレーションの例です。左上から時計回りに、Antenna Toolbox の組み込み素子アプローチを使用して計算されたアレイ パターンの Phased Array System Toolbox ビーム ステアリング、アンテナ アレイの S パラメータを含む 8 素子受信機の RF Blockset モデル、遠方界放射パターンとアンテナ素子の結合を考慮に入れた受信信号のコンスタレーション。


RF 伝播

Antenna Toolbox を使用することで、フリー スペース モデルや気象ベースのモデルなどの伝播モデルを考慮して送信機と受信機のアンテナ サイトの可視化、通信リンクの検査、カバレッジ (信号強度) の計算が可能になります。

地図ベースの可視化ツールを使用して、対話型の地図上で地球の曲率を考慮しながら、レーダーと基地局の設置場所の様々なシナリオを解析することができます。

地球に投影されたアンテナ パターンの可視化 (通信リンクの強度を含む)。