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FEM データを使用してパラメーター化されたソレノイド

この例では、戻しバネをもつ、移動が制限されたソレノイドを示します。電力を切断すると、ばねがプランジャーを、完全に励起された位置から 0.1 mm の距離で保持します。0.1 秒時に、ソレノイドの電源がオンになり、変位がゼロになります。0.06 秒で、保持力より大きな力が適用され、プランジャーが最大移動距離である 0.2 mm に移動します。ソレノイドの力と逆起電力の特性は、FEM-Parameterized Linear Actuator ブロックによって定義されます。このブロックは、有限要素の磁場モデリング ツールによって一般的に提供される形式でデータを取得します。2 つのパラメーター化オプションがあります。1 つは磁束データに直接作用するもので、1 つは電流と変位に対して磁束の偏導関数を使用するものです。電流と位置のデータ点の特定の密度に対して、より正確な結果が得られるため、一般的には後者のオプションのほうが優れています。ただし、データの前処理がより多く必要になります。

ソレノイドをモデル化するこのアプローチと、Simscape™ ソレノイド例 'ssc_solenoid' の重要な違いは、このアプローチでは磁気飽和効果を捉えることができるということです。これに対し、Simscape の例では、電流と磁力の間に線形関係を仮定しています。この線形性の仮定は、Simscape Electrical™ Solenoid コンポーネントでも行われます。このモデルでは、サブシステム 'Simplified solenoid with no saturation effects' が、電流 0.1 A 時のソレノイド インダクタンス データを使用してパラメーター化されています。このインダクタンスは、電流に対する磁束の偏導関数で、初期化ファイルによっても計算されます。ソレノイドの線形モデルと比較した結果の差が、磁束飽和の効果を示します。電源電圧を 12 V から 1.4 V に下げると、定常状態電流は約 0.1 A となり、電流がこの値に達すると結果が一致します。

モデル

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、線形ソレノイド モデルと、有限要素の磁場モデリング ツールから得られたデータでパラメーター化されたソレノイド モデルの動作の違いを示しています。

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、FEM-Parameterized Solenoid ブロックに必要なパラメーターを計算する各メソッド間の比較を含む、磁束データを示しています。