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DC4 - 4 象限三相整流器 200 HP DC ドライブ

この例では、トルク制御時に循環電流を使用する DC4 4 象限三相整流器 DC ドライブを示します。

C.Semaille, Louis-A. Dessaint (Ecole de technologie superieure, Montreal)

説明

この回路では Specialized Power Systems の DC4 ブロックを使用します。これは、200 HP DC モーターの 4 象限三相整流器 (デュアル コンバーター トポロジ) ドライブをモデル化したものです。

200 HP DC モーターは、一定の 310 V DC 界磁電圧源で個別に励起されます。電機子電圧は、2 つの PI 制御器で制御されている 2 つの三相逆並列接続コンバーターにより生成されます。これにより、DC モーター電機子回路を経由する双方向電流が発生し、4 象限の動作が可能になります。コンバーターには 380 V AC 50 Hz 電圧源から電力が供給されます。

制御器は両方のコンバーター サイリスタの点弧角を制御します。最初の制御器は速度調整器で、その次は電流制御器です。現在はトルク制御モードなので速度調整器は無効になっており、電流制御器だけが使用されます。電流制御器はサイリスタの適切な点弧角を計算して電機子電流を制御します。これにより、目的の電機子電流の取得に必要な整流器出力電圧が生成され、目的の電磁トルクが生成されます。

両方のコンバーターが同時に動作し、2 つの点弧角の合計が 180° となるように点弧角が制御されます。これにより、2 つのコンバーター DC 出力端子で反対方向の平均電圧が生成され、コンバーターは逆並列に接続されているため、同じ平均電圧が DC モーター電機子で発生します。一方のコンバーターは整流器モードで動作し、もう一方はインバーター モードで動作します。

両コンバーターの端子における瞬間的な電圧差によって生じる循環電流は、端子間に接続された 5 mH のインダクターにより制限されています。三相電圧源により電機子電流の振動幅は非常に小さくなるため、電機子電流と直接に接続される平滑化インダクタンスはありません。

シミュレーション

シミュレーションを開始します。モーター電機子の電圧と電流、コンバーターの点弧角、電磁トルクおよびモーター回転数をスコープで観察できます。電流とトルクの指令値も表示されます。2 番目のスコープではコンバーターの平均出力電圧と出力電流を可視化できます。

モーターは線形負荷と連動しています。つまり、負荷の機械的なトルクは速度に比例します。

初期のトルク指令値は 0 N.m に設定され、電機子電流はゼロになります。電磁トルクは生成されず、モーターは止まったままです。

t = 0.2 秒で、トルク指令値は 600 N.m に急上昇します。これにより、電機子電流は約 180 A に上昇します。電機子電流はコンバーター 1 によって供給されます。コンバーター 2 は循環電流のみを伝送します。電機子電流は電流指令値に非常に正確に追従します。応答時間は短く、オーバーシュートも小さくなっています。また、点弧角は 90°を中心として対称となり、コンバーターの平均出力 DC 電圧は大きさが等しく符号が逆になります。

電機子電流により生成された電磁トルクにより、モーターは加速します。回転数は上昇し、およそ t = 4 秒において約 560 rpm で安定します。負荷および粘性摩擦トルクの合計が電磁トルクと釣り合い始めるためです。

t = 4 秒で、トルク指令値は 0 N.m に設定され、負荷トルクによりモーターが減速します。4 つのリアクトルにより電流の振動は非常に小さく抑えられます。

t = 8 秒で、トルク指令値は -300 N.m に設定されます。電機子電流は -90 A に急降下します。この電流はコンバーター 2 により供給され、コンバーター 1 は循環電流のみを処理します。コンバーター 2 は整流器モード、コンバーター 1 はインバーター モードでそれぞれ動作します。

生成された負の電磁トルクにより、モーターは負の速度平面で加速します。

t = 12 秒のとき、回転数は約 -290 rpm で安定し始めます。

メモ:

1) 電力システムは 10 us のタイム ステップで離散化されています。マイクロコントローラーの制御デバイスのシミュレーションを実行するために、制御システム (制御器) は 100 us のサンプル時間を使用しています。

2) スコープ メモリに格納される点数を減らすため、間引き係数に 20 を使用します。

3) 平均値整流器を使用した簡略版のモデルは、グラフィカル ユーザー インターフェイスの [Model detail level] メニューで [平均値] を選択すると使用できます。その後、タイム ステップを制御システムのサンプル時間値まで増加することができます。これを実行するには、この例の場合であれば、ワークスペースで「Ts = 100e-6」と入力します。dc4_example_simplified の例も参照してください。