Main Content

このページの内容は最新ではありません。最新版の英語を参照するには、ここをクリックします。

AC/DC 3 レベル PWM コンバーター

この例では、AC/DC 3 レベル PWM コンバーターの動作を示します。

P. Giroux ; G. Sybille Hydro-Quebec (IREQ)

説明

1) コンバーターの定格: 500 V DC、500 kW

2) AC 電源: 三相、600 V、30 MVA、60 Hz システム

3) 電圧源コンバーター (VSC):- PWM 変調器 (1620 Hz の搬送周波数) によって制御される 3 レベル三相 IGBT ブリッジ ("Three-Level Bridge" ブロックを使用してモデル化) - DC リンク:75000 uF の 2 つのコンデンサ

4) コントローラー: DC 制御器は AC 電源の一定の入力力率を維持しながら、2 つの PI 制御器を使用して DC 電圧を制御します。

シミュレーション パラメーター

- 離散 (連続状態なし)

- 2 つのサンプル時間: Ts_Power = 5 us (電力システム + コンバーターのシミュレーションのため PSB が使用) Ts_Control = 100 us (DC 制御器のシミュレーションに使用)

- 初期条件はシミュレーションの開始時に設定されます (シミュレーション前にファイル ThreeLevelPWMVoltageSourceConverter.mat が自動的に読み込まれます)。60 Hz の整数倍のサイクル間、定常状態になるまで初期シミュレーションを実行することによって、このファイルが生成されています。最終状態 (Specialized Power Systems コントローラーと Simulink® コントローラーの両方の状態) は xInit という名前の時間付き構造体に保存されています。この変数は "ThreeLevelPWMVoltageSourceConverter.mat" ファイルに保存されています。

シミュレーション

- シミュレーション (200 ms 継続) では、次の信号を観測できます。1) DC 電圧 (Vdc スコープ)、2) AC 電源 (VaIa スコープ) の一次電圧および一次電流 (A 相)、3) IGBT ブリッジのレッグ A のデバイス電流 ("Measurements & Signals" ブロックをダブルクリックし、"Ia_Devices" スコープ内を確認します)、4) VSC (Vab_VSC スコープ) によって生成された相間 AC 電圧

- t=50 ms で 200 kW の負荷が切り替えられます。この急な負荷変動 (200 kW から 400 kW) に対する DC 制御器の動的応答が適切であることがわかります。DC 電圧は 1.5 サイクル以内に 500 V に戻り、AC 側の一定の力率が維持されます。

- t=100 ms で "Stop Pulsing" 信号がアクティブになります (通常コンバーターに送信されるパルスがブロックされます)。DC 電圧が 315 V に低下することがわかります。一次電流波形の大幅な変化も確認されます。パルスがブロックされると、Three-Level Bridge ブロックの動作が三相ダイオード ブリッジと同じになります。

初期条件の再生成

定常状態での開始に必要な初期状態は "ThreeLevelPWMVoltageSourceConverter.mat" ファイルに保存されています。シミュレーションを開始すると、StartFcn コールバック ([モデル プロパティ]、[コールバック] 内) によりこの .mat ファイルの内容 (変数 "xInit") が自動的にワークスペースに読み込まれます。

このモデルを変更するか、電力成分のパラメーター値を変更すると、"xInit" 変数に保存された初期条件は無効になり、Simulink によりエラー メッセージが表示されます。変更したモデルの初期条件を再生成するには、以下に示した手順に従います。

  1. [シミュレーション]、[コンフィギュレーション パラメーター]、[データのインポート/エクスポート] パラメーター メニューで、[初期状態] パラメーターをオフにし、[最終状態] パラメーターをオンにします。

  2. Breaker ブロックをダブルクリックし、[Switching time(s)] パラメーターに 100 を掛けてブレーカーの開閉を一時的に無効にします。

  3. "0=Stop pulsing" というラベルの Timer ブロックをダブルクリックします。[Time(s)] パラメーターに 100 を掛けることで、パルスのブロックを一時的に無効にします。

  4. シミュレーション終了時間を 0.5 秒に変更します。60 Hz 電圧源位相角の初期条件を生成するには、停止時間が 60 Hz サイクルの整数である必要があります。

  5. シミュレーションを開始します。シミュレーションが完了したら、Ctrl_Signals スコープに表示される波形を見て定常状態に達したことを確認します。最終状態は、時間と共に "xFinal" 構造体に保存され、次回のシミュレーションの初期状態として使用できます。次の 2 つのコマンドを実行すると、これらの最終状態が "xInit" にコピーされ、この変数が新しいファイル (myModel_init.mat) に保存されます。* |>> xInit=xFinal;| * |>> save myModel_init xInit|

  6. [ファイル]、[モデル プロパティ]、[コールバック]、[StartFcn] ウィンドウで、初期化ファイルの名前を "ThreeLevelPWMVoltageSourceConverter" から "myModel_init" に変更します。次回このモデルでシミュレーションを開始したときに、myModel_init.mat ファイルに保存されている変数 xInit がワークスペースに読み込まれます。

  7. [シミュレーション]、[コンフィギュレーション パラメーター] メニューで、[初期状態] をオンにします。

  8. シミュレーションを開始し、モデルが定常状態で開始したことを確認します。

  9. Breaker ブロックをダブルクリックし、[Switching time(s)] パラメーターを 0.05 秒に戻します (増倍率 100 を削除します)。

  10. "0=Stop pulsing" というラベルの Timer ブロックをダブルクリックします。増倍率 100 を削除して、t=0.1 秒でのパルスのブロックを再度有効にします。

  11. シミュレーション終了時間を 0.2 秒に戻します。

  12. モデルを保存します。