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12.8 V、40 Ah リチウムイオン (LiFePO4) バッテリーの経時劣化モデル (1000 時間シミュレーション)

この例では、12.8 V、40 Ah のリチウムイオン バッテリー モジュールに対する経時劣化 (放充電サイクルによる) の影響を説明します。

Souleman Njoya M., Louis-A. Dessaint (EcSle de technologie superieure, Montreal)

回路の説明

このデモでは、12.8 V、40 Ah のリチウムイオン バッテリー モデルのパフォーマンスに対する経時劣化 (放充電サイクルによる) の影響を説明します。バッテリーは、周囲温度 25℃で 1000 時間の間、さまざまな放電深度 (DOD) と放電率で複数回の放充電サイクルにかけられます。Scope で観察されるように、バッテリー寿命に対する DOD と放電率の影響は予想どおりとなっています。DOD または放電率が増加するにつれてバッテリーは急激に劣化し、バッテリー容量は急速に低下します。

シミュレーション

このデモでは、さまざまな放電率による浅い放電と深い放電に際しての、12.8 V、40 Ah のリチウムイオン バッテリーのライフ サイクル パフォーマンスを説明します。最初に、バッテリーは 0.5 C の放電率で 20% の DOD まで放充電されます。その後、DOD と放電率をそれぞれ 80% と 2 C に上昇させます。シミュレーションを開始し、スコープを開いてすべての信号を確認します。

t = 0 秒で、バッテリーの放充電サイクルが開始します。放電電流は 20 A (0.5 C レート)、周囲温度は 25℃です。初期 SOC は 100% です。放電は SOC が 80 % (DOD 20 %) に達するまで続きます。その後、バッテリーは、20 A の充電電流で SOC 100% まで充電されます。このサイクルが繰り返されるにしたがってバッテリーは経時劣化し、容量は低下します。内部セル温度も 25℃から 33℃に上昇します。

t = 200 時間で、バッテリーは SOC 20% (DOD 80%) まで放電され、SOC 100% まで充電されるようになります。このサイクルはさらに 200 時間繰り返されます。観察されるとおり、バッテリーの経時劣化が急速に進み始めます。

t = 400 時間で、充放電サイクルの DOD が 20% に戻され、さらに 200 時間繰り返されます。これは、バッテリーの経時劣化プロセスの進行を遅くします。

t = 600 時間で、放電電流を 80 A (2 C レート) に増加させます。これにより、内部セル温度は 33℃から 43℃に上昇します。このサイクルが繰り返されるにしたがって、バッテリーは経時劣化は早まり、バッテリー容量が急速に低下します。

t = 800 時間で、放電電流が 0.5 C レートに戻され、さらに 200 時間繰り返されます。これは、バッテリーの経時劣化プロセスの進行を遅くします。

参考文献

1. O. Tremblay, L.-A. Dessaint, A.-I. Dekkiche, A Generic Battery Model for the Dynamic Simulation of Hybrid Electric Vehicles, 2007 IEEE® Vehicle Power and Propulsion Conference, September 9-13, 2007, Arlington/Texas, USA.

2. N. Omar, M. A. Monem, Y. Firouz, J. Salminen, J. Smekens, O. Hegazy, H. Gaulous, G. Mulder, P Van den Bossche, T. Coosemans, J. Van Mierlo, Lithium iron phosphate based battery - Assessment of the aging parameters and development of cycle life model, Applied Energy, Volume 113, January 2014, Pages 1575-1585.