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Cauer Thermal Model

半導体モジュールの複数の層を通じた熱伝達

  • Cauer Thermal Model block

ライブラリ:
Simscape / Electrical / Passive / Thermal

説明

Cauer Thermal Model ブロックは、半導体モジュールの複数のレイヤーを通じた熱伝達を表します。Cauer Thermal Model には複数の Cauer Thermal Model Element コンポーネントが含まれます。次の図は、Cauer Thermal Model Element の等価回路を示しています。

Cauer 熱モデルの複数の層には、チップ、はんだ、基板、ベースなどがあります。Cauer 熱モデルを説明するその他の用語は次のとおりです。

  • 連分数回路

  • T モデル

  • ラダー ネットワーク

次の図は、Cauer 熱モデルの等価回路を示しています。

[R] における温度は絶対ゼロ温度に等しくなります。

方程式

各 Cauer 熱モデル要素の定義方程式は次のとおりです。

Cthermal=τRthermal,

QAB=TABRthermal,

QAR=CthermaldTARdt,

ここで、

  • Cthermal は熱容量です。

  • τ は熱時定数です。

  • Rthermal は熱抵抗です。

  • QAB は材料を通る熱流量です。

  • TAB は材料層間の温度差です。

  • QAR は熱容量を通る熱流量です。

  • TAR は熱容量での温度低下です。

Foster 係数からの Cauer モデルのパラメーター化

半導体デバイスのデータシートでは通常、Foster 係数を使用して熱モデルを指定します。ただし、ヒートシンク、放射、対流などの要素の熱コンポーネントを追加で使用して拡張できるため、Cauer 熱モデルはより有用です。

Foster 熱モデル データから Cauer Thermal Model ブロックをパラメーター化するには、[Foster 係数データを使用した Cauer モデルのパラメーター化] パラメーターを選択します。

変数

シミュレーションの前にブロック変数の優先順位と初期ターゲット値を設定するには、ブロックのダイアログ ボックスまたはプロパティ インスペクターの [初期ターゲット] セクションを使用します。詳細については、ブロック変数の優先順位と初期ターゲットの設定を参照してください。

ノミナル値は、モデル内で予想される変数の大きさを指定する方法を提供します。ノミナル値に基づくシステムのスケーリングを使用すると、シミュレーションのロバスト性が向上します。ノミナル値はさまざまなソースから得られます。その 1 つがブロックのダイアログ ボックスまたはプロパティ インスペクターの [ノミナル値] セクションです。詳細については、ノミナル値によるシステムのスケーリングを参照してください。

各熱容量の初期温度を指定するには、変数 [熱質量の温度のベクトル] の値を設定します。このベクトルの長さは、Cauer 熱モデル要素の数と等しい必要があります。これは、モデル内の各熱容量の温度低下に対応します。

端子

保存

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半導体の個別層の最初の表面に関連付けられた熱保存端子。

半導体の最後の層の 2 番目の表面に関連付けられた熱保存端子。

パラメーター

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Foster モデルからの係数データを使用して Cauer モデルをパラメーター化するかどうか。

熱抵抗のベクトル。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Foster 係数データを使用した Cauer モデルのパラメーター化] パラメーターをクリアします。

熱時定数のベクトル。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Foster 係数データを使用した Cauer モデルのパラメーター化] パラメーターをクリアします。

Foster モデルからのデータを使用してパラメーター化された熱抵抗のベクトル。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Foster 係数データを使用した Cauer モデルのパラメーター化] パラメーターを選択します。

Foster モデルからのデータを使用してパラメーター化された熱時定数のベクトル。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Foster 係数データを使用した Cauer モデルのパラメーター化] パラメーターを選択します。

参照

[1] Schütze, T. AN2008-03: Thermal equivalent circuit models. Application Note. V1.0. Germany: Infineon Technologies AG, 2008.

[2] T. G. Subhash Joshi and V. John, Combined transient thermal impedance estimation for pulse-power applications. 2017 National Power Electronics Conference (NPEC), 2017, pp. 42-47, doi: 10.1109/NPEC.2017.8310432.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2016a で導入

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