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モデルの書式設定
モデルを作成する際に、ブロックの位置を調整し、ブロックの色を変更し、ブロック名と端子をブロックの任意の側に配置し、フォントを調整して、モデルの可読性を向上させる要素を追加できます。これらの変更によって、モデルの表示が整理され、モデルを理解しやすくなります。
モデルの書式に次の種類の変更を行うことができます。
モデルのレイアウトを改善。モデルのレイアウトの改善を参照してください。
ブロックまたはブロックのグループを反転または回転。これらの調整により、ブロックがモデルに適合してその他のブロックに結合しやすくなります。ブロックの反転または回転を参照してください。
ブロック名の位置の変更または非表示化、端子ラベルの編集、端子のブロックの任意の側への移動。ブロック名と端子の管理を参照してください。
ブロックおよび背景への色の追加。モデルの色の指定を参照してください。
フォントの変更および影の強度の増加による外観の調整。モデルでのフォントの指定および影の深さの増加を参照してください。
ブロックのグループをボックスで囲み、ブロックの関連付けを表示。モデルの領域のボックス化とラベル付けを参照してください。
ブロック、ラインまたは領域から別のモデル要素に書式設定をコピー。モデル要素間の書式のコピーを参照してください。
テキスト、イメージおよび数学注釈を使用したモデルのドキュメント化。メモと注釈を使用したモデルの説明を参照してください。
ブロックへの注釈。ブロック注釈プロパティの設定を参照してください。
ブロック アイコンを変更。たとえば、マスクを使用してブロックにグラフィックスを表示できます。マスクにより、ブロックのカスタム インターフェイスの設計も行うことができます。マスクについては、マスクの基礎を参照してください。
モデルのレイアウトの改善
ブロック線図のレイアウトと外観を改善するには、[書式設定] タブで [自動配置] をクリックするか、Ctrl+Shift+A キーを押します。このオプションは以下を実現します。
モデル内のブロックを、入力で開始して出力で終わるように左から右に配置する
Constant ブロックなどのブロックのサイズを変更して、長いパラメーター値を表示する
同様のブロック間でブロック サイズを標準化する
ブロックを移動させて信号線をまっすぐにする
あるいは、個々の信号線の形状の改善を試すこともできます。信号線を選択し、操作バーから、[ラインの自動ルーティング] を選択します。モデル要素間により適したルートを使用できる場合、ラインは再描画されます。
[ラインの自動ルーティング] を使用することで、複数のラインの改善を試すことができます。操作バーから [ラインの自動ルーティング] にアクセスするには、ブロックを選択するか、要素を囲むボックスをドラッグして複数のモデル要素を選択します。
複数のモデル要素の同時移動
複数のモデル要素の相互の関係を維持したままそれらの要素を移動するには、次のようにします。
モデル要素を囲む選択ボックスをドラッグして選択します。
選択ボックスの端を新しい位置にドラッグしてモデル要素を移動します。
選択ボックスの内容は 1 つのユニットとして移動します。選択ボックス内のライン、ブロック、およびその他の要素の関係は、移動したときと変わりません。選択ボックス外のライン セグメントが再配線されます。
たとえば、次のモデルがあるとします。
曲ったラインが含まれる選択ボックスをドラッグした場合、含まれているラインの曲がりは選択を移動したときと変わりません。
ラインが曲がっていない選択ボックスをドラッグした場合、選択ボックスを移動すると、ラインの曲がりが変わる可能性があります。
複数のラインを同時に移動するには、移動するライン セグメントを囲む選択ボックスをドラッグします。
ブロックの反転または回転
ブロックまたはブロックのグループの向きを変更するには、ブロックを 90 度ごとにインクリメントして回転するか、またはブロックを反転します。ブロックを回転または反転すると、ブロックがループ内で相互に接続されているフィードバック ループなど、モデル内でより適切にフィットするようになります。ブロックの入力端子と出力端子を合わせるように、またはモデル キャンバスをより活用するために、ブロックを回転させる必要がある場合もあります。
次の図は、フィードバック ループ図を簡潔にするために反転された Gain ブロックを示します。
ブロックを回転するには、ブロックを選択して、[書式設定] タブで [時計回りに 90 度回転] ボタン または [反時計回りに 90 度回転] ボタン
をクリックします。
ブロックは左から右以外の向きの信号線に配置すると自動的に回転します。たとえば、下から上に向かう信号にブロックを配置すると、ブロックは信号に合わせて回転します。
ブロックを反転するには、ブロックを選択し、[書式設定] タブで [左右を反転] ボタン または [上下を反転] ボタン
をクリックします。ブロックの端子の向きに基づいて、ブロックを水平または垂直に反転させることができます。たとえば、両側に端子がある場合、ブロックは左から右に反転します。
ブロックのグループを回転または反転するには、複数のブロックを選択してから回転または反転します。ブロックのグループは左右にのみ反転できます。
ブロックのグループを回転または反転した後、信号線を編集してモデルの可読性を改善できます。[自動配置] オプションにより、信号の外観が向上する場合があります。(複数の端子がある場合の回転の詳細については、回転または反転後の端子の位置を参照してください)。
たとえば、選択されたこれらのブロックを時計回りに回転するとします。
ブロックを回転した後に、モデルにオーバーラップする要素が含まれる場合があります。
ブロックと信号を選択した状態で、[書式設定] タブの [自動調整] を選択します。
回転または反転後の端子の位置
回転により、ブロック端子は端子の配置に応じて両側から上下に、または上下から両側に移動します。ブロック端子の結果の位置は、そのブロックの "端子の回転タイプ" に依存します。
回転によって、一部のブロックでは端子の再配置が行われ、端子の番号が左から右または上から下への順番になるようにします。回転後に端子の並べ替えが行われるブロックは、"既定の端子の回転" タイプのブロックです。このポリシーによって、制御システムのモデル作成アプリケーションに使用される左-右および上-下のブロック線図の向きルールが維持されます。次の図は、既定の端子の回転ポリシーのブロックを時計回りに回転した結果を示します。
マスクされたブロックは、回転後に順番を変えないように端子を指定できます (アイコンを描画するコマンドを参照)。これらのブロックは、"物理的な端子の回転" タイプのブロックです。このポリシーは、図に優先される向きが存在しない物理システムやその他のアプリケーションをモデル化するときに使用するブロックの設計に役立ちます。次の図は、物理的な端子の回転タイプのブロックを時計回りに回転した結果を示します。
ブロックの反転は、端子をブロックの反対側に移動して、ミラー イメージを作成します。端子の回転タイプには関係ありません。
ブロック名と端子の管理
ブロック名の管理として、ブロック名の表示と非表示を切り替えたり、ブロックでの表示位置を変更したりできます。
メモ
名前に番号が付いたブロック (Gain1、Gain2 など) をコピーして貼り付けると、ASCII 文字の標準の並べ替え順序規則に従った名前が付けられます。この並べ替え順序により、ブロック名の数列がわかりにくくなることがあります。番号付けスキームは、コピーして貼り付けたときに、通常の読み取り順序に従うように、ブロック名を明示的にする場合に重要です。そのためには、Gain001、Gain002 のように、ブロック名の番号の前にゼロを付けます。
ブロック名の表示と非表示
ブロックには Simulink® エディターで作成したときに名前が付けられます。最初のブロックには Gain などのライブラリ ブロックの名前が付けられます。次のブロックはブロック名に数値を付加した名前になります。新しいブロックごとに、Gain1、Gain2 のように数値が増分されていきます。これらの名前を "自動生成名" と呼びます。既定では、これらの名前は非表示になります。
ブロック名を表示するか非表示にするかを選択できます。次のことが可能です。
すべての自動生成名を表示する。1 つ以上のブロックを選択し、[書式設定] タブで、現在の設定に応じて表示される [名前の自動表示]、[名前をオン]、または [名前をオフ] のいずれかのボタンを選択します。その後、[自動ブロック名の非表示] をオフにします。
ブロックを選択して非表示になっている自動生成名を一時的に表示する。
ブロックに明示的に名前を付ける。[自動生成名の非表示] の設定は、名前を明示的に指定したブロックには影響しません。ブロックの名前を指定するには、ブロックを選択し、名前をダブルクリックして新しい名前を入力します。
また、ブロック名を表示するか非表示にするかを明示的に指定することもできます。名前を表示するか非表示にするかを明示的に指定したブロックには、[自動ブロック名の非表示] の設定は影響しません。ブロック名を明示的に非表示または表示するには、ブロックを選択し、[書式設定] タブで、現在の設定に応じて表示される [名前の自動表示]、[名前をオン]、または [名前をオフ] のいずれかのボタンを選択します。その後、以下を選択します。
[名前をオン] を選択すると、ブロック名が常に表示されます。
[名前をオフ] を選択すると、ブロック名が常に非表示になります。
[名前の自動表示] を選択すると、既定の状態に戻ります。ブロックに既定の名前がある場合、[自動ブロック名の非表示] の設定によって影響を受けます。
ヒント
ブロックの上で一時停止すると、ブロック レベルとモデル レベルの名前の設定に関係なく、ブロック名を表示できます。表示されたブロック名を編集できます。
ブロック名の表示と非表示をプログラムで切り替えるには、モデルの set_param
で 'HideAutomaticNames'
オプションを使用するか、ブロックの 'HideAutomaticName'
オプションと 'ShowName'
オプションを使用します。これらのパラメーターの詳細については、共通のブロック プロパティを参照してください。次に表に、これらのパラメーターの相互作用を示します。
'ShowName' (ブロック設定) | 'HideAutomaticName' (ブロック設定) | 'HideAutomaticNames' (モデル設定) | 結果 |
---|---|---|---|
'off' | 任意 | 任意 | 名前が非表示になります。 |
'on' | 'on' | 'on' | 名前が非表示になります。 |
'on' | 'off' | 任意 | 名前が表示されます。 |
'on' | 'on' | 'off' | 名前が表示されます。 |
ブロック名の移動
ブロック名は、既定の設定では、両側に端子があるブロックの場合はブロックの下に、上下に端子があるブロックの場合はブロックの左側に表示されます。ブロック名の位置を変更するには、次を行います。
ブロック名をブロックの任意の側にドラッグします。
ブロックを選択し、[書式設定] タブで [ブロック名の表示位置を反転] をクリックします。
端子の移動
端子は以下のブロックの任意の側に任意の順番で配置することができます。
Subsystem ブロック
Subsystem Reference ブロック
Model ブロック
Chart (Stateflow) ブロック
Truth Table (Stateflow) ブロック
State Transition Table (Stateflow) ブロック
端子を移動するには、端子をクリックしてドラッグします。Subsystem ブロックでは、移動のたびに端子インデックスが自動的に振り直されます。Subsystem ブロックでの端子ラベルの編集については、サブシステムの端子ラベルの編集を参照してください。
モデルの色の指定
ブロックの外枠と内側の色を指定したり、モデル内のシステムの背景色を変更したりできます。注釈のテキストの色および背景色や、領域の背景の塗りつぶし色を変更することもできます。
このサブシステムでは、色を使用して入力端子を識別します。
ブロックの外枠の色、注釈のテキストの色、または領域の内側の色を変更するには、要素を選択して、[書式設定] タブの [前景] メニューから色を選択します。ブロックの前景色を変更すると出力信号の色も変更されます。
ブロックの内側の色または注釈の背景色を変更するには、要素を選択して、[書式設定] タブの [背景] メニューから色を選択します。
システムの背景色を変更するには、システムを開いて、[書式設定] タブの [背景] メニューから色を選択します。
色をメニューから選択するか、[カスタム色] ボタン を選択して独自の色を定義できます。
プロパティ インスペクターを使用して領域または注釈の色を変更することもできます。色をプログラムで指定するには、プログラミングでの色の指定を参照してください。
モデルでのフォントの指定
モデル要素のフォント ファミリ、スタイルおよびサイズを変更して、モデルを読みやすくしたり、会社標準に準拠させたりします。選択したブロック、信号ラベル、領域および注釈のフォントを変更できます。一部のブロックではフォント スタイルの設定に応じてテキストが表示され、別のブロックでは固定フォントとスタイルが指定されています。これらのブロックのフォント サイズを大きくするには、ズームインします。
モデルの既定のフォントを変更することもできます。既定のフォントは、変更していないフォントの要素および作成する新しい要素に影響します。すべての新しいモデルで同じ既定のフォントを使用する場合、既定のテンプレート内の既定のモデルのフォントを変更します。新しいモデルへの既定のテンプレートの設定を参照してください。
ブロック、信号ラベル、領域または注釈のフォントを変更するには、要素を選択して、[フォントと段落] セクションの [書式設定] タブでフォント情報を指定します。
モデルの既定のフォントを変更するには、[書式設定] タブで [フォント プロパティ] ボタンの矢印
をクリックしてから、[モデルのフォント] をクリックします。[フォント スタイル] ダイアログ ボックスを使用してフォント情報を指定します。
プロパティ インスペクターを使用して領域または注釈のフォントを変更することもできます。
Linux マシンにおける [フォントの選択] ダイアログ ボックスの選択
英語設定の Linux® マシンでは、[Select Font] ダイアログ ボックスの [フォント スタイル] リストの順番が適切でなくなり、一部のフォントが別の言語で表示されることがあります。[フォント スタイル] リストの文字が別の言語で表示されている場合、MATLAB® を起動する前に、環境変数 LANG
を en_US.utf-8
に設定してください。たとえば、Linux ターミナルで、以下を入力します。
setenv LANG en_US.utf-8 matlab
影の深さの増加
既定では、ブロックには影があります。ブロックを背景からより目立たせるには、影の深さを増加させます。
影の深さを増加させるブロックを選択して、[書式設定] タブで [影を付ける] をクリックします。
ヒント
すべてのブロックの既定の影を削除するには、Simulink ツールストリップの [モデル化] タブで、[環境] 、 [Simulink 基本設定] を選択します。[Simulink 基本設定] ダイアログ ボックスの [エディター] ペインで、[従来のブロック線図テーマを使用] を選択します。
モデルの領域のボックス化とラベル付け
モデルに領域を追加して、ボックス内の関連付けられているモデル要素を視覚的にグループ化します。領域は、それが囲んでいるブロックと共に移動させることができます。領域にテキストを追加して、簡単に説明したり、領域のラベルを付けたりできます。
モデル内の目的とする領域の周りのボックスをドラッグします。または、キャンバスの空白領域をドラッグして、領域の形状を描画します。
アクション バーから、領域を作成するためのオプションを選択します。
領域の名前を入力します。領域の左上隅に名前が表示されます。
名前を後で入力するには、領域を選択して、[?] をクリックして入力するか、プロパティ インスペクターの [名前] プロパティを使用します。
オプションで、プロパティ インスペクターを使用して領域の内容の説明を追加します。
領域とその内容を移動するには、境界線の近くの領域をドラッグします。
ヒント
領域の内容を移動せずに領域を移動するには、Alt キー (Mac では option キー) を押しながらドラッグします。
領域のサブシステムへの変換
領域は、関連するブロックをグループ化する方法であるという点でサブシステムと似ています。ただし、サブシステムは階層を作成して、モデル内の複数のブロックを 1 つのブロックに置き換えます。最初に領域内の関連するブロックをグループ化して、領域をサブシステムに変換することで、後でそれらのブロックをサブシステムに配置できます。結果のサブシステムには、領域と同じ名前、ブロック、説明および要件のトレーサビリティ情報が含まれます。
領域をサブシステムに変換するには、領域を右クリックして [領域からサブシステムを作成] を選択します。
モデル要素間の書式のコピー
モデル内のブロック、信号線または領域に書式を設定済みの場合、書式をコピーして別のモデル要素に適用できます。書式にはフォントの変更、前景色と背景色の選択、影効果などが含まれます。
書式のコピー元のブロック、ラインまたは領域を選択します。
操作バーから、[書式設定のコピー] を選択します。カーソルがペイントブラシになります。
ペイントブラシを使用して、書式のコピー先の各要素をクリックします。
ペイントブラシ カーソルをキャンセルするには、キャンバスの空白の部分をクリックするか Esc キーを押します。