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シミュレーション マネージャー

複数のシミュレーションの監視およびシミュレーション データの可視化

説明

シミュレーション マネージャーでは複数のシミュレーションのステータスを監視できます。このツールを使用すると、次が可能です。

  • 大まかなグリッド ビューまたは詳細なリスト ビューにシミュレーションの進行状況を表示する。

  • エラー終了したシミュレーションを検出して各シミュレーションの診断を表示する。

  • シミュレーション データを可視化してシミュレーション全体のトレンドを解析する。

  • シミュレーション実行を選択し、Simulink® でモデルを開く (シミュレーションに関するすべての設定がモデルに適用される)。

  • シミュレーション データ インスペクターでシミュレーション結果を表示する。

  • シミュレーションを終了する。

シミュレーション マネージャーを使用すると、逐次または並列で複数のシミュレーションとその進捗を監視できます。パラメーター、経過時間、診断といった、すべての実行の詳細を確認できます。シミュレーション マネージャーは、ログに記録された信号の結果をシミュレーション データ インスペクターで解析して比較するオプションを提供します。シミュレーション マネージャーを介して、実行を選択して、その値をモデルに適用できます。

コマンド ライン API で複数のシミュレーションを実行する場合、シミュレーション マネージャーのプロットにパラメーターを表示するには Simulink.SimulationInput オブジェクトで setVariable メソッドを使用します。

シミュレーション マネージャー を開く

  • 関数 parsim および simSimulink.SimulationInput オブジェクトを使用してシミュレーションを実行するときに、引数 ShowSimulationManageron に設定します。詳細については、Simulink.SimulationInput を参照してください。

    out = parsim(in, 'ShowSimulationManager', 'on')
    out = sim(in, 'ShowSimulationManager', 'on')

  • 保存されたシミュレーション マネージャー セッションを開くには、ファイルが保存されたフォルダーに移動してシミュレーション マネージャー ファイル .mldatx をダブルクリックします。

    open filename.mldatx
  • 完了した実行の Simulink.SimulationInput オブジェクト、in、および Simulink.SimulationOutput オブジェクト、out についてシミュレーション マネージャーを開くには、openSimulationManager コマンドを使用します。

    openSimulationManager(in, out)

シミュレーション マネージャーを開く

モデル sldemo_suspn_3dof を開き、一連のスイープ値を作成します。

mdl = 'sldemo_suspn_3dof';
openExample(mdl);
Cf_sweep = Cf*(0.05:0.1:0.95);
numSims = length(Cf_sweep);

このスイープ値でブロック パラメーター [Road-Suspension Interaction] を変更するには、Simulink.SimulationInput オブジェクトの配列を作成します。

in(1:numSims) = Simulink.SimulationInput(mdl);
for i = 1:numSims
    in(i) = setBlockParameter(in(i),[mdl '/Road-Suspension Interaction'],...
        'Cf', num2str(Cf_sweep(i)));
end

複数のシミュレーションを実行し、シミュレーション マネージャーを開きます。

out = parsim(in, 'ShowSimulationManager', 'on')

Parallel Computing Toolbox™ がない場合は、シミュレーションは逐次実行されます。

シミュレーション マネージャーの使用

parsim コマンドを実行すると、次のようなシミュレーション マネージャーの UI が開きます。

結果のプロット

[Figure 1] タブで、パラメーター Cf に対してプロットされた、既定の散布図を表示できます。[プロット プロパティ] を使用してプロットを編集します。対応するチェック ボックスをオンにして、X および Y のグリッド ラインを追加します。X 軸および Y 軸に表示されるデータや、マーカーの色を変更することもできます。[データ] ドロップダウンから ScopeData(1) を選択することで、Y 軸のデータを変更します。[マーカーの色] の [データ] フィールドを [RunID] に設定します。

シミュレーション マネージャーに別の図を追加するには、[surf] または [scatter] プロットをクリックして目的のプロットを追加します。この例では、ツールストリップの [結果] セクションにある [surf] プロットをクリックします。[Figure 2] をドラッグして 2 つのプロットを同時に表示します。

シミュレーション マネージャーのプロットでは数値配列およびデータセットがサポートされます。

シミュレーション マネージャーに複数のプロットを追加すると、シミュレーション データをさまざまな方法で観察できます。その結果を使用して、パラメーターの設計空間や動作について解析および検討できます。

プロットの右隅の下向き矢印をクリックして、プロット レイアウトの構成を変更できます。

  • すべて並べて表示 — 複数のプロットに対してレイアウトを 1 つ選択

  • タブの位置 — 図のタブを表示する位置を選択

ステータスの表示

シミュレーションのステータスをリスト表示またはグリッド表示するには、[Figure 1] の横にある [シミュレーション] タブをクリックします。ツールストリップの [ビュー] セクションで、[リスト][グリッド] を切り替えます。リスト表示ではシミュレーションのステータス、パラメーター、タイミング情報などの詳細が表形式で表示されます。シミュレーション回数が大きな数になる場合は、シミュレーションのステータス表示をコンパクトにするためにグリッド表示を選択します。

ウィンドウ下部のステータス バーはシミュレーションの進行状況を表示します。

詳細なリスト ビューに複数のシミュレーションをすべて表示できます。このビューには、列を追加または削除するオプションがあります。ボタン を使用して、表示する列を選択します。基本設定に基づいて任意に列を並べ替えることもできます。

特定の実行をクリックして詳細を表示します。シミュレーションの詳細がウィンドウの下部に表示されます。

選択したシミュレーションの詳細を表示または非表示にするには、[シミュレーションの詳細] ボタン で切り替えます。

[選択を開く] ボタン を使用すると、選択した実行の仕様でモデルを開くことができます。

[結果の表示] ボタン をクリックし、Simulation Data Inspector で 1 つ以上の実行の結果を表示できます。[結果の表示] をクリックすると、Simulink.SimulationOutput オブジェクトからの Simulation Data Inspector 実行が作成され、シミュレーション データ インスペクターに表示されます。

シミュレーションの実行中にジョブを中止するには、[ジョブの停止] ボタン を使用できます。

セッションの保存

シミュレーション マネージャー セッションを保存するには、ツールストリップの [保存] ボタンをクリックします。保存されたセッションにはすべてのシミュレーション データ、およびプロット構成とレイアウトが含まれます。保存されたシミュレーション マネージャー セッションを再度開くには、ファイルが保存されたフォルダーに移動してシミュレーション マネージャー ファイル .mldatx をダブルクリックします。

[ウィンドウの再利用] ボタン では、データセットが異なる新しい複数のシミュレーション実行にプロットのレイアウトと構成を再利用できます。ボタンがオフに切り替わっている場合、シミュレーションの各セットを使用して新しいウィンドウが開きます。ボタンがオンに切り替わっている場合、すべてのプロット構成およびレイアウトを維持する既存のウィンドウが新しいシミュレーションで再利用されます。

保存したファイルを再度開くには、[開く] ボタンを使用して、ファイルの場所に移動してファイルをダブルクリックします。

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