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Isothermal Liquid ブロックを使用するための油圧モデルのアップグレード
R2020a では、シミュレーション中の作動流体の温度が一定のままである油圧システムをモデル化するために、Isothermal Liquid ブロックが導入されました。これらのブロックでは、Foundation ライブラリの Hydraulic ブロックや Fluids ライブラリ (Simscape™ Fluids™ のライセンスで利用可能) の Hydraulics (Isothermal) ブロックと同じタイプの用途が想定されています。モデル内の油圧ブロックはすべて、これまでと同様に機能します。ただし、Isothermal Liquid ライブラリ ブロックでは使いやすさが向上し、正確性が増し、シミュレーションのロバスト性が強化されています。
Isothermal Liquid ブロックを使用する利点
Isothermal Liquid ブロックを使用して等温油圧システムをモデル化すると、使いやすさが向上し、正確性が増し、シミュレーションのロバスト性が強化されます。
効率化されたライブラリは、同じ関数を実行するブロックを結合し、パラメーター化オプションが改善されたブロックを追加するため、使いやすくなっています。たとえば、Laminar Leakage (IL) ブロックでは、さまざまな断面のジオメトリを選択できます。ソースはそれぞれ制御されたソースまたは一定のソースとして構成でき、Flow Rate Source (IL) ブロックによって質量流量または体積流量を生成するためのオプションが提供されます。同様に、Flow Rate Sensor (IL) ブロックでは、質量流量と体積流量のいずれかまたは両方を測定できます。Pressure Sensor (IL) ブロックでは組み込みの測定 (圧力差、絶対圧力、またはゲージ圧力を含む) を選択でき、絶対ゼロを考慮するための追加の基準ブロックは不要です。
Hydraulic ライブラリでは、特定のブロック (圧縮率の効果をもつもの) のみが圧力の関数として密度をモデル化し、他のブロックでは一定の密度 (作動流体のグローバル パラメーターとして指定される) を使用します。これに対して、Isothermal Liquid ライブラリ内のすべてのブロックでは、流体密度を圧力の関数と見なします。Isothermal Liquid ライブラリを使用すると、体積分率モデルと、混入空気の量をモデル化するために必要なオプションを選択することにより、作動流体を簡単に指定できます。これらの選択がすべてのブロック方程式に反映され、それによってシミュレーションの精度が向上します。
等温流体ドメインでは、アクロス変数とスルー変数は絶対圧力と質量流量です (油圧ドメインでは、これらの変数はゲージ圧力と体積流量)。体積流量ではなく、質量流量をスルー変数として使用すると、質量と体積間の変換による質量保存の小さな誤差が時間の経過とともに累積する可能性が軽減され、精度が向上します。
Hydraulic ライブラリ ブロックとは異なり、Isothermal Liquid ライブラリ内のパイプ ブロックとアクチュエータ ブロックは流体の圧縮率を既定で考慮します。これにより、ドライ ノードの尤度が低下し、シミュレーションのロバスト性が向上します。この結果、使いやすさも向上します。ドライ ノードの効果を緩和するために Constant Volume Chamber ブロックをモデルに追加する必要がないからです。
Isothermal Liquid ライブラリ内のすべてのブロック方程式は、滑らかな遷移を提供し、ゼロクロッシングを削減し、ゼロ フローと逆流の処理を改善するように最適化されています。これらの改善により、シミュレーションのロバスト性が向上します。
アップグレードの考慮事項
Isothermal Liquid ブロック ライブラリは、Thermal Liquid ライブラリなど、他の流体ドメインと同様に構成されています。これらのライブラリが効率化されて、端子の条件付き表示など、Simscape の最新の言語機能を利用できるようになり、ブロックの使いやすさが向上しました。その結果、Isothermal Liquid ライブラリ ブロックと Hydraulic ライブラリ ブロックの間には 1 対 1 の対応がない場合が多く、簡単に置き換えることはできません。
hydraulicToIsothermalLiquid
変換ツールを使用すると、Hydraulic ブロックを等価の Isothermal Liquid ブロックに自動的に置き換え、パラメーター値とブロック間の接続を可能な限り保持することにより、モデルのアップグレードがしやすくなります。変換プロセス後、ツールは変換されたモデルを新しい名前で保存し、変換プロセス中に発生した問題をリストする HTML レポートを生成します。HTML レポートを確認し、残っている問題を手動で修正することができます。
Isothermal Liquid ブロックの端子位置が元の Hydraulic ブロックと異なる場合、ツールはサブシステム内に新しいブロックを配置して、ブロック線図内の接続ラインの再配線が最小限で済むようにします。ほとんどの場合、サブシステムの端子位置は Hydraulic ブロックの元の端子と一致するため、ブロック線図の元のレイアウトが保持されます。変換プロセス後、必要に応じて新しいブロックをサブシステムの外に移動し、接続ラインを手動で再配線することができます。
アップグレード後は、元のモデルと変換されたモデルのシミュレーション結果がわずかに異なる場合があります。この違いは、圧力が高くなるほど顕著になる可能性があります。シミュレーション データ インスペクターを使用して結果を比較することができます。
hydraulicToIsothermalLiquid
ツールを使用すると、モデル、サブシステム、ライブラリなど、任意のタイプのブロック線図システムを変換できます。詳細については、有効なライブラリ リンク、モデル参照、サブシステム参照をもつシステムのアップグレードを参照してください。
流体特性
等温流体ドメインの既定の流体特性は、油圧ドメインとは異なります。元のモデルに Custom Hydraulic Fluid ブロックが含まれている場合、変換ツールはそれを自動的に Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックに置き換え、元の流体特性と一致するようにパラメーター値を設定します。
同様に、モデルに Hydraulic Fluid ブロック (Simscape Fluids ライブラリで利用可能) が含まれている場合、ツールはこのブロックを Simscape Fluids Isothermal Liquid Predefined Properties (IL) ブロック (一致する事前定義された流体がこのブロックに含まれている場合) または Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックに自動的に置き換え、元の流体特性と一致するようにパラメーター値を設定します。詳細については、を参照してください。
回路に接続されている流体特性ブロックがない場合、この回路内のブロックは既定の流体を使用します。等温流体ドメイン内の既定の流体特性は油圧ドメインとは異なるため、モデル内のどこにも Custom Hydraulic Fluid ブロックまたは Hydraulic Fluid ブロックがない場合、変換ツールは警告を発します。ただし、モデルに複数の油圧回路があり、そのいくつかに流体特性を指定するブロックが含まれていない状況は、変換ツールでは検出されません。
変換ツールを実行後、モデル内で、Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックまたは Isothermal Liquid Predefined Properties (IL) ブロックを含まない回路の有無を調べます。Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックを手動で追加し、必要に応じてパラメーターを調整します。既定の作動油特性を一致させるには、以下のブロック パラメーター値を設定します。
大気圧における液体の密度 (混入空気なし):
850 kg/m^3
大気圧における液体の等温体積弾性率 (混入空気なし):
0.8e9 Pa
大気圧における動粘性率:
18e-6 m^2/s
その他のブロック パラメーターには既定値を使用します。
パイプ
Hydraulic Resistive Tube ブロックは、粘性摩擦力による圧力低下のみを考慮し、慣性および動的圧縮率の流体圧力に対する効果は無視します。油圧モデルでは、このブロックは、多くの場合 Constant Volume Hydraulic Chamber ブロックおよび Fluid Inertia ブロックと組み合わせて流体の圧縮率と慣性をモデル化します。変換ツールは各ブロックを個々に処理します。ただし、変換ツールを実行後に、ブロックのグループ全体を単一の Pipe (IL) ブロックに置き換え、必要に応じてそれを構成して動的圧縮率と流体慣性の効果をモデル化することができます。
次の表に、Hydraulic ブロックのいくつかの構成例と、代替の Pipe (IL) ブロックで対応するパラメーター表現を示します。
旧モデル | 新モデル |
---|---|
|
流体の動的圧縮率 — |
|
流体の動的圧縮率 — 流体慣性 — 初期流体圧 — |
|
流体の動的圧縮率 — 流体慣性 — 初期流体圧 — 端子 A から端子 B への初期質量流量 — Fluid Inertia ブロック内の変数 [流量] の開始値に、流体密度 (回路に接続されている Custom Hydraulic Fluid ブロックまたは Hydraulic Fluid ブロックから抽出) を乗算 |
Translational Mechanical Converter
Translational Hydro-Mechanical Converter ブロック内のインターフェイスの力の方向は、Translational Mechanical Converter (IL) ブロック内の力と反対です。Hydraulic ブロックでは、力の正の方向は端子 [C] から端子 [R] であるのに対し、Isothermal Liquid および他の流体ライブラリでは、正のインターフェイスの力は端子 [R] から端子 [C] です。
この変数をログに記録する場合は、符号を変えることでコードを修正します。変数の名前も、Hydraulic ブロックの f
から、Isothermal Liquid ブロックでは interface_force
に変更されています。
モデルのアップグレード
hydraulicToIsothermalLiquid
変換ツールは、モデル内の Hydraulic ブロックを、等価の Isothermal Liquid ブロックに置き換えます。
次の表に、Foundation ライブラリの Hydraulic ブロックと、代替の Isothermal Liquid ブロックのリストを示します。[Fluids]、[Hydraulics (Isothermal)] ライブラリのブロックの詳細については、を参照してください。
ブロックの置換
旧モデル | 新モデル |
---|---|
Constant Area Hydraulic Orifice | Local Restriction (IL) 制限のタイプ — |
Constant Volume Hydraulic Chamber | Constant Volume Chamber (IL) |
Fluid Inertia | このブロックは、Isothermal Liquid ライブラリに直接マッピングされません。変換ツールはこのブロックをコメント アウトします。ブロック線図のレイアウトを保持するために、変換ツールはコメント アウトしたブロックをサブシステムに配置し、サブシステムの端子を接続してブロックをバイパスします。 変換ツールはさらに、対応するエントリを HTML レポートの Removed Blocks セクションに作成します。 Pipe (IL) ブロックを使用して流体慣性をモデル化する方法の詳細については、パイプを参照してください。 |
Hydraulic Cap | このブロックは Isothermal Liquid ライブラリにマッピングされません。モデル内で接続されていない保存端子を終了させる必要がなくなったからです。 変換ツールはブロックをコメント アウトし、接続ラインを削除して、このブロックに以前接続されていた端子でスルー変数を 0 に設定します。 変換ツールはさらに、対応するエントリを HTML レポートの Removed Blocks セクションに作成します。 Hydraulic Cap ブロックを使用して変数 [圧力] の初期値を設定した場合は、Hydraulic Cap ブロックに以前接続されていたブロックで初期圧力値を変更することを検討してください。 |
Hydraulic Piston Chamber | このブロックは Isothermal Liquid ライブラリにマッピングされません。流体圧縮率は機械式変換器のブロックで直接モデル化できるからです。 変換ツールはブロックをコメント アウトして、対応するエントリを HTML レポートの Removed Blocks セクションに作成します。 |
Hydraulic Reference | Reservoir (IL) |
Hydraulic Resistive Tube | Pipe (IL) |
Infinite Hydraulic Resistance | Infinite Flow Resistance (IL) |
Linear Hydraulic Resistance | Laminar Leakage (IL) |
Rotational Hydro-Mechanical Converter | Rotational Mechanical Converter (IL) |
Translational Hydro-Mechanical Converter | Translational Mechanical Converter (IL) |
Variable Area Hydraulic Orifice | Local Restriction (IL) 制限のタイプ — |
Variable Hydraulic Chamber | このブロックは Isothermal Liquid ライブラリにマッピングされません。流体圧縮率は機械式変換器のブロックで直接モデル化できるからです。 変換ツールはブロックをコメント アウトして、対応するエントリを HTML レポートの Removed Blocks セクションに作成します。 |
Hydraulic Flow Rate Sensor | Flow Rate Sensor (IL) |
Hydraulic Pressure Sensor | Pressure Sensor (IL) |
Hydraulic Constant Flow Rate Source | Flow Rate Source (IL) ソース タイプ — 流量のタイプ — |
Hydraulic Constant Mass Flow Rate Source | Flow Rate Source (IL) ソース タイプ — 流量のタイプ — |
Hydraulic Constant Pressure Source | Pressure Source (IL) ソース タイプ — |
Hydraulic Flow Rate Source | Flow Rate Source (IL) ソース タイプ — 流量のタイプ — |
Hydraulic Mass Flow Rate Source | Flow Rate Source (IL) ソース タイプ — 流量のタイプ — |
Hydraulic Pressure Source | Pressure Source (IL) ソース タイプ — |
Custom Hydraulic Fluid | Isothermal Liquid Properties (IL) |
切断された接続と未変換のブロック
ツールは、[Foundation]、[Hydraulic] ライブラリと [Fluids]、[Hydraulics (Isothermal)] ライブラリのブロックを変換します。これは Simscape Fluids で利用可能です。しかし、ツールは油圧端子をもつカスタム ブロックを変換しません。ツールはまた、コメント アウトされているブロックおよび参照サブシステムも変換しません。
HTML レポートの Broken Connections セクションに、モデル内の未変換のブロックが示されます。切断された接続は、ツールが Hydraulic ブロックの変換に失敗し、正常に変換された Isothermal Liquid ブロックに接続しようとした結果、発生します。この場合、変換ツールは、切断された接続をブロック線図内で強調表示します。HTML レポートの Broken Connections セクションには、切断された接続をもつ Isothermal Liquid ブロックへのハイパーリンクと、Interface (H-IL) ブロックへのハイパーリンクが含まれます。このブロックを使用すると、切断された接続を復元できます。
変換メッセージ
hydraulicToIsothermalLiquid
変換ツールは、可能であれば、ブロック パラメーター値を保持しようとします。シームレスな自動変換が不可能であったり、パラメーター値の手動調整や、別のモデル化オプションの使用の検討が必要な場合があります。次の表に、HTML レポートの変換メッセージの例、説明、および推奨されるアクションを示します。実際に表示されるメッセージは、モデルのパラメーター値によって少々異なる場合があります。
メッセージ | 原因 | 推奨アクション |
---|---|---|
流体特性を指定するには Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックを追加してください。Isothermal Liquid ドメインの既定の特性は、Hydraulic ドメインとは異なります。 | モデルに Custom Hydraulic Fluid ブロックも Hydraulic Fluid ブロックも含まれていません。 | 詳細および推奨アクションについては、流体特性を参照してください。 |
[流量] の開始値が削除されています。モデルの初期条件の調整が必要な場合があります。 | 元のモデルの Constant Volume Hydraulic Chamber ブロックでは、変数 [チャンバーへの体積流量] の初期化の優先順位とターゲットを指定できます。代替の Constant Volume Chamber (IL) ブロックでは、この変数が初期化用に表示されません。 元の Hydraulic ブロック内で変数の初期化優先順位が [なし] だった場合、新しいブロックの動作は同じであり、アクションは不要です。 初期化優先順位が [高] または [低] の場合にのみ、変換ツールは警告を発します。 | 問題の変数の初期化優先順位と開始値を確かめるには、元の Hydraulic ブロックのダイアログ ボックスを開いて [初期ターゲット] セクションを確認します。 変数ビューアーを使用して初期化の結果を比較します。 |
[直径増加] と [流量] の開始値が削除されています。モデルの初期条件の調整が必要な場合があります。 | 元のモデルの Constant Volume Hydraulic Chamber ブロックで、[チャンバー壁のタイプ] パラメーターが 元の Hydraulic ブロック内で変数の初期化優先順位が [なし] だった場合、新しいブロックの動作は同じであり、アクションは不要です。 初期化優先順位が [高] または [低] の変数に対してのみ、変換ツールは警告を発します。2 つの変数の一方のみで初期化優先順位が [高] または [低] に設定されている場合、メッセージにはその変数のみが言及されます。 | 問題の変数の初期化優先順位と開始値を確かめるには、元の Hydraulic ブロックのダイアログ ボックスを開いて [初期ターゲット] セクションを確認します。 変数ビューアーを使用して初期化の結果を比較します。 |
[流量] と [圧力差] の開始値が削除されています。モデルの初期条件の調整が必要な場合があります。 | オリフィスや油圧機械式変換器など、いくつかの Hydraulic ブロックには [初期ターゲット] セクションがあり、そこで、変数 [流量] および [圧力差] の初期化の優先順位とターゲットを指定できます。等価の Isothermal Liquid ブロックでは、これらの変数が初期化用に表示されません。 元の Hydraulic ブロック内で変数の初期化優先順位が [なし] だった場合、新しいブロックの動作は同じであり、アクションは不要です。 初期化優先順位が [高] または [低] の変数に対してのみ、変換ツールは警告を発します。2 つの変数の一方のみで初期化優先順位が [高] または [低] に設定されている場合、メッセージにはその変数のみが言及されます。 | 問題の変数の初期化優先順位と開始値を確かめるには、元の Hydraulic ブロックのダイアログ ボックスを開いて [初期ターゲット] セクションを確認します。 変数ビューアーを使用して初期化の結果を比較します。 |
ブロックで 1e-4 m^3 の [デッド ボリューム] を使用しています。[デッド ボリューム] の調整が必要な場合があります。 | 元のモデルの Rotational Hydro-Mechanical Converter ブロックまたは Translational Hydro-Mechanical Converter ブロックで、[圧縮率] パラメーターが | 変換ツールで、代替の Isothermal Liquid ブロックの [デッド ボリューム] パラメーターを、元の Hydraulic ブロックと同じ値に設定します (元の Hydraulic ブロックでは、圧縮率がオンの場合にのみ、このパラメーターが使用されていました)。 便宜を図るため、ツールにはパラメーター値も表示されます。必要に応じて、この値を調整します。 |
ブロックが [インターフェイスの初期変位] に 0 m を使用しています。[インターフェイスの初期変位] の調整が必要な場合があります。 | 元のモデルの Translational Hydro-Mechanical Converter ブロックで、[圧縮率] パラメーターが | 変換ツールで、代替の Isothermal Liquid ブロックの [インターフェイスの初期変位] パラメーターを、元の Hydraulic ブロックの [ピストンの初期位置] パラメーターの値に設定します (このパラメーターが圧縮率オフで使用されていなかった場合でも)。 便宜を図るため、ツールにはパラメーター値も表示されます。必要に応じて、この値を調整します。 |
ブロックが [インターフェイスの初期回転] に 0 ラジアンを使用しています。[インターフェイスの初期回転] の調整が必要な場合があります。 | 元のモデルの Rotational Hydro-Mechanical Converter ブロックで、[圧縮率] パラメーターが | 変換ツールで、代替の Isothermal Liquid ブロックの [インターフェイスの初期回転] パラメーターを、元の Hydraulic ブロックの [シャフトの初期角度] パラメーターの値に設定します (このパラメーターが圧縮率オフで使用されていなかった場合でも)。 便宜を図るため、ツールにはパラメーター値も表示されます。必要に応じて、この値を調整します。 |
チャンバーの仕様が剛体に設定されています。柔軟な体積をモデル化するには、Simscape Fluids Pipe (IL) ブロックの使用を検討してください。 | 元のモデルの Constant Volume Hydraulic Chamber ブロックで、[チャンバー壁のタイプ] パラメーターが | Simscape Fluids のライセンスがある場合は、[Fluids]、[Isothermal Liquid]、[Pipes & Fittings] ライブラリの Pipe (IL) ブロックを代替として使用できます。 |
以前接続されていたブロックで初期圧力の調整を検討してください。 | 元のモデルの Hydraulic Cap ブロックが削除されています。 | 詳細および推奨アクションについては、ブロックの置換を参照してください。 |
Translational Mechanical Converter (IL) ブロックを使用して流体圧縮率をモデル化することを検討してください。 | 元のモデルの Variable Hydraulic Chamber ブロックまたは Hydraulic Piston Chamber ブロックが削除されています。 | 詳細および推奨アクションについては、ブロックの置換を参照してください。 |
Pipe (IL) ブロックを使用して流体慣性をモデル化することを検討してください。 | 元のモデルの Fluid Inertia ブロックが削除されています。 | 詳細および推奨アクションについては、ブロックの置換を参照してください。 |
[臨界レイノルズ数] が 150 に設定されています。 | 元のモデルの Constant Area Hydraulic Orifice ブロックまたは Variable Area Hydraulic Orifice ブロックで、[層流の遷移の指定] パラメーターが | Local Restriction (IL) ブロックで、層流と乱流状態間の遷移を臨界レイノルズ数によって指定し、変換ツールで [臨界レイノルズ数] パラメーターに既定値である 150 を設定します。 元の Hydraulic ブロックで [層流の圧力比] パラメーターの既定値である 元のブロックの [層流の圧力比] パラメーター値が大幅に異なっていた場合は、代替ブロックで [臨界レイノルズ数] パラメーター値の調整が必要になることがあります。 |
[最大制限面積] が 1e10m^2 に設定されています。 | Variable Area Hydraulic Orifice ブロックには最大面積を指定するパラメーターがないため、ブロックでは最大面積が | 変換ツールで、代替の Local Restriction (IL) ブロックの [最大制限面積] パラメーターを、任意の大きい値 必要に応じて、この値を調整します。 |
元のブロックの [比熱比] は 1.4 でした。Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックで、[空気のポリトロープ指数] をこの値に設定してください。 | チャンバーや油圧機械式変換器など、いくつかの Hydraulic ブロックには [比熱比] パラメーターがあります。等温流体ドメインでは、流体特性はすべて Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックで定義されます。 | 便宜を図るため、変換ツールでは [比熱比] パラメーターの値が元のブロック内に表示されます。回路に接続されている Isothermal Liquid Properties (IL) ブロックを開いて、その [空気のポリトロープ指数] パラメーターをこの値に設定します。 |
有効なライブラリ リンク、モデル参照、サブシステム参照をもつシステムのアップグレード
hydraulicToIsothermalLiquid
ツールを使用すると、モデル、サブシステム、ライブラリなど、任意のタイプのブロック線図システムを変換できます。ただし、ツールは元のファイルの名前に _converted
を付加します。これは、元のファイルのオーバーライドを回避し、元のファイルと変換されたファイルの間の比較を可能にするためです。カスタム Simulink® ライブラリの油圧ブロックを含むモデル、または油圧ブロックをもつ参照モデルやサブシステムを変換する場合、ファイル間のリンクを保持することは重要で、これにより、変換されたモデルが変換されたライブラリ、参照モデル、サブシステムを指すようになります。変換時にリンクを保持するには、ファイルのリスト、またはファイルを含む上位フォルダーを入力引数として hydraulicToIsothermalLiquid
変換ツールに提供することで、これらのファイルを一緒に変換します。
モデルに他のライブラリ、モデル、またはサブシステムへの参照またはリンクが含まれていて、それらも変換が必要な場合は、以下の方法をお勧めします。
次の構文のいずれかを
hydraulicToIsothermalLiquid
変換ツールで使用して、ファイルを一緒に変換します。convertedFiles = hydraulicToIsothermalLiquid(oldfiles)
—oldfiles
リスト内のすべてのファイルを変換し、変換後のファイルの名前をconvertedFiles
に返します。oldfiles
は、{'file1';'file2';'file3'}
のようなファイル名の cell 配列です。リスト内のファイルが油圧ブロックを含まず、油圧ブロックを含むoldfiles
にリストされているファイルも参照していない場合、そのファイルは変換されません。convertedFiles = hydraulicToIsothermalLiquid(topfolder)
—topfolder
と MATLAB® パス上にあるそのサブフォルダー内のファイルを、ファイルに油圧ブロックが含まれている場合、すべて変換します。ファイルが油圧ブロックを含まず、油圧ブロックを含むtopfolder
にあるファイルも参照していない場合、そのファイルは変換されません。topfolder
は変換するブロック線図システムを含む上位フォルダーのパス名で、文字ベクトルまたは string スカラー ('MyLibraries'
など) として指定します。convertedFiles
は変換後のファイルの名前を、文字ベクトルの cell 配列に返します。
変換時に生成された一般的な HTML レポートで、Broken Connections セクションを使用して切断されたリンクを検索し、見つかれば調査を行います。ファイルを一緒に変換すると、ファイル間のリンクとファイル内の接続は保持されます。接続が切断されている場合は、参照モデルまたはライブラリを変換に含めなかった可能性があります。この場合、リンクを手動で修復するか、ファイルのリストを拡張して変換処理を再実行します。
変換されたモデルと元のモデルでシミュレーション結果を比較して、結果が想定どおりであることを確認します。HTML レポートで、Removed Blocks セクションおよび Parameter Warnings セクションのメッセージを調べます。これらのセクションのメッセージでは動作の変化が予期されるかどうかが示され、適切なアクションが提案されます。
変換されたシステムが想定どおりに動作することを確認したら、システム名を元に戻します。
finalFiles = hydraulicToIsothermalLiquidPostProcess(convertedFiles)
この関数は、ファイル名とファイル間のリンクから接尾辞
_converted
を削除して、元のファイルを上書きします。詳細については、hydraulicToIsothermalLiquidPostProcess
を参照してください。
もう 1 つの方法は、Interface (H-IL) ブロックを使用してブロック線図の変換された部分を未変換のライブラリまたはサブシステムに接続し、ブロック線図のシステムを 1 つずつ変換することです。その後、ライブラリ、参照モデル、参照サブシステムもそれぞれが変換され検証されたら、名前から _converted
を削除し、Interface (H-IL) ブロックを削除して、切断された接続を復元します。
参考
hydraulicToIsothermalLiquid
| hydraulicToIsothermalLiquidPostProcess
| Interface
(H-IL) | シミュレーション データ インスペクター