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TVS ダイオードのパラメーター化

このモデルは、Simscape™ Electrical™ ダイオードをパラメーター化して過渡電圧抑制 (TVS) ダイオードをパラメーター化する方法を示します。この例は、誘導負荷の切断に関連する電圧過渡現象から自動車のエレクトロニクスを保護する用途に適した TVS ダイオード用です。データシートから抽出したデータを表示するには、[モデル化] タブの [設定] セクションで、[モデル設定]、[モデル プロパティ] をクリックします。[コールバック] タブで、[PreLoadFcn] をクリックします。

ここには 2 つのモデル オプションが表示されます。1 つ目は区分的線形ツェナー ダイオードのオプションを使用するもので、2 番目は指数ダイオードのオプションを使用するものです。2 つのダイオード ブロックは、ワークスペースのデータシート値で直接パラメーター化されます。ここでは、どちらのモデルも 10/1000 us のテスト パルスを使用してテストされます。これにより、電流が 10 us でピーク パルス電流 I_PPM まで上昇し、その後 1000 us かけて I_PPM/2 まで減衰します。2 つのスコープは、18.8 V の最大クランプ電圧 V_C が、受け入れ可能な許容誤差として得られていることを示しています。

区分的線形ダイオードは、最も簡単にパラメーター化できます。順バイアス特性は正確である必要はありません。これは、TVS ダイオードがこの領域で動作しないためです。順電圧降下の標準値 0.6 V が仮定されます。順バイアス データ点 [V_F I_F] が与えられると、オン抵抗は (V_F-0.6)/I_F によって求められます。その後、ブレークダウン電圧 V_BR および対応する電流 I_T の逆バイアス データを使用して、オフ コンダクタンス I_T/V_BR を求めることができます。次に、ダイオードの逆ブレークダウン電圧 Vz が、V_BR と等しい値に設定されます。最後に、電流が I_PPM のときに、指定した最大クランプ電圧 V_C に電圧が等しくなるように、ツェナー抵抗 Rz が設定されます。値 (V_C-V_BR)/I_PPM がこれを達成します。

指数ダイオードのオプションは、逆漏れ電流をより正確にモデル化します。これは、電圧への依存性が線形と仮定されないためです。指数ダイオードを IS と N に関してパラメーター化することを選択することによって、IS の値を、ブレークダウン直前の逆漏れ電流と等しい値に設定することができます。エミッション係数 N は、既定の標準値 1 のままにします。逆ブレークダウン電圧 BV は V_BR と等しい値に設定されます。最後に、正しい最大クランプ電圧 V_C が確実に達成されるように、オーム抵抗 RS を適切に設定しなければなりません。これは試行錯誤によって設定することも、近似値 (V_C-V_BR-0.6)/I_PPM によって設定することもできます。

モデル

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、2 つの異なるダイオード モデルの電圧-電流曲線を示しています。区分的線形モデルと指数モデルは、どのようにパラメーター化されているかによって、類似した動作を実現できます。