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トルク モーターのパラメーター化

この例では、電流と角度の関数としてのトルクのメーカー データを使用してトルク モーターをモデル化する方法を示します。データシートは、回転子の 20 度から 70 度までの角度と、飽和が発生しない場合の電流の線形特性を示します。この範囲のデータを使用して、トルク モーターの単純化したモデルをパラメーター化します。データシートから抽出されたデータ点を MATLAB® で処理することにより、メーカー データを、有限要素ソフトウェアから得られることが多いモーター パラメーターに変換できます。

データシートが線形の動作を示す条件下でテストすると、モーター モデルは同様の結果を示します。全範囲にわたってテストすると、動作はデータシートに指定されるように変化します。

モデル

Rotary Actuator Simplified サブシステム

データシートからのモーター データの取得

以下のプロットは、モーター データシートから取得されたリサンプリング データを示しています。これは、さまざまな回転子角度と電流レベルで生成されるトルクを示しています。一部の条件については (2 A、20 ~ 70 度など)、トルクは一定ですが、その他のレベルでは非常に非線形的です。

このモーター モデルをパラメーター化するためには、角度に対する磁束の偏導関数を得る必要があります。このスクリプトは、トルクから dPhi/dx を推定します。まず、データシートを反転し、負の電流のデータを得て、表面としてプロットします。

次に、MATLAB を使用して、一定の角度のラインに沿って、多項式曲線を表面に近似します。

最後に、MATLAB を使用して、これらの曲線に沿った多項式の微分を得ます。この表面からルックアップ テーブルを抽出すると、このモーター モデルに必要なパラメーターが得られます。

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、FEM-Parameterized Rotary Actuator と、Simscape™ Foundation Library の要素から作成された単純化されたモデルの動作を示しています。このテストは、有限要素データが線形である移動範囲内で実行されているので、結果は同様になります。

より広い、有限要素データが非線形となる移動範囲にわたってテストを行うと、2 つのモーターの動作が大きく異なることから、パラメーター化の効果がわかります。

リアルタイム シミュレーションの結果

この例は、Intel® 3.5 GHz i7 マルチコア CPU を搭載した Speedgoat Performance リアルタイム ターゲット マシンでテストされました。このモデルは、50 マイクロ秒のステップ サイズでリアル タイム実行できます。