Main Content

このページの内容は最新ではありません。最新版の英語を参照するには、ここをクリックします。

単純化されたカスタム三相同期機

この例では、カスタム Simscape™ 同期機モデルを単純化する方法を説明します。

詳細電動機数式

pu 単位系による詳細な固定子の電圧方程式には、鎖交磁束の変化率の効果と、速度変化の効果が含まれます。

$e_d=\frac{1}{\omega_{base}}\frac{\mathrm{d}\Psi_d}{\mathrm{d}t}-\Psi_q\omega_r-R_a i_d$

$e_q=\frac{1}{\omega_{base}}\frac{\mathrm{d}\Psi_q}{\mathrm{d}t}+\Psi_d\omega_r-R_a i_q$

簡易電動機数式

大規模な研究では、10 を超える発電機またはモーターがシミュレーションに含まれます。大規模な研究の計算上の要件を軽減するには単純化が必要です。大規模の研究のための単純化では、以下の項が無視されます。

  • 変圧器電圧の項 $\frac{\mathrm{d}\Psi_d}{\mathrm{d}t}$ および $\frac{\mathrm{d}\Psi_q}{\mathrm{d}t}$

  • 速度変化の効果。$\omega_r$ は 1 に設定されます。

これらの単純化により、pu 単位系による固定子の電圧方程式は次のようになります。

$$e_d=-\Psi_q-R_a i_d$$

$$e_q=\Psi_d-R_a i_q$$

Simscape コンポーネントの比較

比較ツールを使用して、詳細 Simscape コンポーネントと簡易 Simscape コンポーネントの違いを確認できます。MATLAB® のコマンド ラインで「visdiff( 'CustomSM', 'CustomSimplifiedSM' )」と入力して比較ツールを開き、ファイルの 155 行目と 156 行目で詳細な違いを確認します。詳細な同期機のコンポーネントが左側に、単純化された同期機のコンポーネントが右側に表示されます。

モデルを開く

モデルを開きます。

初期条件の定義

初期条件値を指定します。

バリアントの定義

このモデル例 CustomSimplifiedSMModel は、Simulink® バリアントを使用して設定されています。詳細モデルを実行するには、変数 isSimplified を false に設定します。簡易モデルを実行するには、変数 isSimplified を true に設定します。

シミュレーションの実行と結果の収集

詳細モデルをシミュレートします。

簡易モデルをシミュレートします。

結果のプロット

電圧と回転子速度の軌跡を重ね合わせて、違いを直接比較できます。

まとめ

この例では、次のことを示しています。

  • カスタム同期機モデルを単純化する方法

  • Simscape コンポーネントのソース コードの比較

  • モデルのシミュレーション出力の比較

リアルタイム シミュレーションの結果

この例は、Intel® 3.5 GHz i7 マルチコア CPU を搭載した Speedgoat Performance リアルタイム ターゲット マシンでテストされました。このモデルは、100 マイクロ秒のステップ サイズでリアル タイム実行できます。