SPICE ネットリストからの指数ダイオードのパラメーター化
コンポーネント モデルに必要なデータがすべてはデータシートに指定されていない場合、別のソースとしてコンポーネントの SPICE ネットリストがあります。コンポーネントは、サブサーキットと呼ばれる特定タイプの SPICE ネットリストによって定義されます。サブサーキットは、定義方程式の係数を定義します。大半のコンポーネント メーカーは、Web サイト上でサブサーキットを利用できるようにしています。その形式は ASCII で、パラメーターを直接読み取ることができます。BZX384-B4V3 のサブサーキットは、Philips Semiconductors から入手できます。
サブサーキットのデータは、Simscape™ Electrical™ Diode ブロックのパラメーター化に、データシートと併用して、あるいは単独で使用できます。たとえば、オーム抵抗はサブサーキットに RS = 0.387 と定義されています。これにより、例 2 で欠落している情報が提供されます。
別のワークフローとしては、Simscape Electrical Additional Components/SPICE Semiconductors サブライブラリを使用する方法があります。このサブライブラリの SPICE Diode ブロックは、以下を設定することでサブサーキットから直接にパラメーター化できます。
[飽和電流、IS] を
1.033e-15
[オーム抵抗、RS] を
0.387
[放出係数、N] を
1.001
[ゼロバイアス接合容量、CJO] を
2.715e-10
[接合電位、VJ] を
0.7721
[グレーディング係数、M] を
0.3557
[静電容量係数、FC] を
0.5
[逆ブレークダウン電流、IBV] を
0.005
[逆ブレークダウン電圧、BV] を
4.3
サブサーキットのパラメーターとデータシートの値に 1 対 1 の対応がある場合、数値がしばしば異なっていることに注意してください。その理由の 1 つは、データシート値が最大値に対応している場合があるのに対して、サブサーキットの値は通常、ノミナル値であるためです。この例で、CJO の値 271.5 pF が、データシートにあるゼロ バイアス時の静電容量 450 pF と異なっているのは、この理由によるものです。