Main Content

ルックアップ テーブルに基づく MOSFET の SPICE からのパラメーター化

この例では、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ (MOSFET) の SPICE シミュレーション結果を使用して、Simscape™ で N チャネル MOSFET (ルックアップ テーブルに基づく) のパラメーター値を設定する方法を説明します。その後、Simscape の N チャネル MOSFET の特性を SPICE ネットリストのシミュレーション結果と比較します。

N チャネル MOSFET (ルックアップ テーブルに基づく) モデルを開く

MOSFET サブサーキットを開く

サブサーキットには、N チャネル パワー トランジスタの SPICE モデルが含まれています。これを開くには、MATLAB コマンド ウィンドウに「edit IAUC100N04S6L014.cir」と入力します。

伝達特性のネットリストの作成

サブサーキットのターゲット動作範囲を指定する SPICE ネットリストを作成できます。ネットリスト IAUC100N04S6L014_idvgs.net は、ドレイン-ソース電圧リストを使用して伝達特性をシミュレートします。

* Transfer characteristic of MOSFET IAUC100N04S6L014
.opt DampInductors=0 Thev_Induc=1 Gfarad=0 Gfloat=0 reltol=1e-05 abstol=1e-05 vntol= 1e-05 Gmin=0 cshunt=0 cshuntintern=0 gshunt=0 topologycheck=0

X1 dut1 dut2 dut3 dut4 dut5 IAUC100N04S6L014
V1 dut1 0 2
V2 dut2 0 pwl(0 0 20 4.5)
V3 dut3 0 0
V4 dut4 0 27
.step V1 list 2 5 8 11 14
.tran 1m 20
.lib IAUC100N04S6L014.cir
.end

伝達特性を表すルックアップ テーブルのパラメーターの設定

必要な MOSFET の伝達特性を得るには、SPICE でシミュレーションを実行します。TabulatedMOSFETSetParameters スクリプトは、IAUC100N04S6L014_idvgs1.raw の生ファイルに保存されているシミュレーション結果を使用して、N チャネル MOSFET (ルックアップ テーブルに基づく) のパラメーター値を設定します。MOSFET チャネルのパラメーターを設定するには、[Define Condition] タブの [Set MOSFET channel parameters] チェック ボックスをオンにするか、関数 set_param を呼び出します。

伝達特性の比較

以下のプロットでは、N チャネル MOSFET (ルックアップ テーブルに基づく) の伝達特性を SPICE サブサーキットのシミュレーション結果と比較しています。

出力特性のネットリストの作成

N チャネル MOSFET (ルックアップ テーブルに基づく) をパラメーター化するために、出力特性の SPICE データも使用できます。ネットリスト IAUC100N04S6L014_idvds.net は、ゲート-ソース電圧リストを使用して出力特性をシミュレートします。

* Output characteristic of MOSFET IAUC100N04S6L014
.opt DampInductors=0 Thev_Induc=1 Gfarad=0 Gfloat=0 reltol=1e-05 abstol=1e-05 vntol= 1e-05 Gmin=0 cshunt=0 cshuntintern=0 gshunt=0 topologycheck=0

X1 dut1 dut2 dut3 dut4 dut5 IAUC100N04S6L014
V1 dut1 0 pwl(0 0 20 15)
V2 dut2 0 2
V3 dut3 0 0
V4 dut4 0 27
.step V2 1 4 0.5
.tran 2m 20
.lib IAUC100N04S6L014.cir
.end

出力特性を表すルックアップ テーブルのパラメーターの設定

生ファイル IAUC100N04S6L014_idvds1.raw には、SPICE でシミュレートした出力特性が保存されています。生ファイルのパスやプロット タイプを変更するには、[Define Condition] タブで関連パラメーターを指定するか、関数 set_param を呼び出します。

出力特性の比較

以下のプロットでは、N チャネル MOSFET (ルックアップ テーブルに基づく) の出力特性を SPICE サブサーキットのシミュレーション結果と比較しています。

静電容量対ドレイン-ソース電圧のネットリストの作成

N チャネル MOSFET の表形式の静電容量をパラメーター化するには、指定のゲート-ソース電圧を使用して入力静電容量 (Ciss)、帰還静電容量 (Crss)、および出力静電容量対ドレイン-ソース電圧をシミュレートする SPICE ネットリストを作成します。ネットリスト IAUC100N04S6L014_cvds.net は、ゲート-ソース電圧に微小 AC 信号を与えたときの Ciss と Crss の I-V 特性、およびドレイン-ソース電圧に微小 AC 信号を与えたときの Coss の I-V 特性をシミュレートします。

* Ciss Crss Coss measurement of MOSFET IAUC100N04S6L014
.opt DampInductors=0 Thev_Induc=1 Gfarad=0 Gfloat=0 reltol= 1e-05 abstol= 1e-05 vntol= 1e-05 Gmin=0 cshunt=0 cshuntintern=0 gshunt=0 topologycheck=0

* Ciss Crss I-V with Vgs small AC
X1 dut11 dut12 dut13 dut14 dut15 iauc100n04s6l014
V11 dut11 0 sine({VDC} 0 1e6)
V12 dut12 0 sine(0 0.05 1e6)
V13 dut13 0 0
V14 dut14 0 27

* Coss I-V with Vds small AC
X2 dut21 dut22 dut23 dut24 dut25 iauc100n04s6l014
V21 dut21 0 sine({VDC} 0.05 1e6)
V22 dut22 0 sine(0 0 1e6)
V23 dut23 0 0
V24 dut24 0 27
*.param VDC = 0
.step param VDC 0 30 1
.tran 1e-7 5e-6 0 2e-8
.inc IAUC100N04S6L014.cir
.end

静電容量を表すルックアップ テーブルのパラメーターの設定

生ファイル IAUC100N04S6L014_cvds1.raw には、SPICE でシミュレートした静電容量の I-V 特性が保存されています。MOSFET の静電容量パラメーターを設定するには、[Define Conditions] タブの [Set MOSFET capacitance parameters] チェック ボックスをオンにするか、関数 set_param を呼び出します。

Ciss、Crss および Coss の静電容量の比較

以下のプロットでは、N チャネル MOSFET の Ciss、Crss および Coss の静電容量を SPICE サブサーキットのシミュレーション結果と比較しています。

ソース-ドレイン順方向ダイオードの特性のネットリストの作成

N チャネル MOSFET の表形式の順方向ダイオードをパラメーター化するには、オフ領域で動作する MOSFET を含み、ドレイン-ソースの逆バイアス電圧をもつ SPICE ネットリストを作成します。ネットリスト IAUC100N04S6L014_diode.net は、順方向ダイオードの電流電圧特性をシミュレートします。

* Source-Drain Forward Diode of MOSFET IAUC100N04S6L014
.opt DampInductors=0 Thev_Induc=1 Gfarad=0 Gfloat=0 reltol=1e-05 abstol=1e-05 vntol= 1e-05 Gmin=0 cshunt=0 cshuntintern=0 gshunt=0 topologycheck=0

X1 dut1 dut2 dut3 dut4 dut5 IAUC100N04S6L014
V1 dut1 0 pwl(0 0 20 -5)
V2 dut2 0 -10
V3 dut3 0 0
V4 dut4 0 27
.tran 0.1 20
.lib IAUC100N04S6L014.cir
.end

ソース-ドレイン順方向ダイオードを表すルックアップ テーブルのパラメーターの設定

生ファイル IAUC100N04S6L014_diode1.raw には、SPICE でシミュレートした順方向ダイオードの特性が保存されています。MOSFET ダイオードのパラメーターを設定するには、[Define Conditions] タブの [Set MOSFET diode parameters] チェック ボックスをオンにするか、関数 set_param を呼び出します。

順方向ダイオードの特性の比較

以下のプロットでは、N チャネル MOSFET の順方向ダイオードの特性を SPICE サブサーキットのシミュレーション結果と比較しています。

リアルタイム シミュレーションの結果

この例は、Intel® 3.5 GHz i7 マルチコア CPU を搭載した Speedgoat Performance リアルタイム ターゲット マシンでテストされました。このモデルは、200 マイクロ秒のステップ サイズでリアル タイム実行できます。