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基本的な電気モデリング手法

モデル化のルールの概要

Simscape™ Electrical™ モデルは、基本的に、単相および三相のエレクトロニクス システム、メカトロニクス システム、および電力システムをモデル化するために調整された Simscape ブロック線図です。Simscape Electrical ブロックには次の端子タイプがあります。

  • 三相端子。これは Simscape Electrical のブロック間で三相電気システムの相を接続します。

    Simscape Electrical のブロックには、複合と展開の 2 つの三相端子タイプがあります。複合三相端子は別の複合三相端子にのみ接続できます。展開三相端子の個々の電気量保存端子は、他の電気量保存端子にのみ接続できます。詳細は、三相端子を参照してください。

  • 電気量保存端子および機械回転保存端子 。これらは Simscape Foundation ライブラリのブロックに直接接続されます。

    それぞれの端子タイプには、特定のアクロス変数とスルー変数が関連付けられています。電気機械モデルを作成するときに従うべきルールの詳細については、物理ネットワークのモデル化の基本原則を参照してください。

  • 物理量信号端子 。これは Simscape Utilities ライブラリの Simulink-PS Converter ブロックと PS-Simulink Converter ブロックを介して Simulink® ブロックに接続されます。これらのブロックは、物理量信号を Simulink の数学的信号に変換したり、またはその逆の変換を行います。

Simscape Electrical のブロックで各端子タイプを使用するときには、次のルールに留意してください。

  • 物理量保存端子は他の物理量保存端子にのみ接続できます。Simscape Electrical ブロックの電気量保存端子は、Simscape の電気コンポーネントに直接接続できます。Simscape Electrical のブロックの機械回転保存端子は、Simscape の機械回転コンポーネントに直接接続できます。

  • 保存端子を接続する物理接続ラインは、信号でなく物理的な変数 (アクロス変数およびスルー変数) を転送する無方向性のラインです。物理量保存端子は Simulink 端子や物理量信号端子に接続することはできません。

  • 物理接続ラインは分岐させることができます。この場合、直接接続されたコンポーネントは同じアクロス変数をもちます。物理接続ライン経由で伝送される任意のスルー変数 (電流やトルクなど) の値は、分岐で接続されている複数のコンポーネント間で分割されます。

    各スルー変数について、分岐点に流入する値の合計は、分岐点から流出する値の合計と等しくなります。

  • Simulink の信号接続と同様に、物理量信号端子は通常の接続ラインを用いて他の物理量信号端子に接続できます。これらの接続ラインでは、Simscape Electrical ブロック間の物理量信号が伝送されます。

  • 物理量信号端子は、Converter ブロックを経由して Simulink 端子に接続できます。Simulink 出力端子を物理量信号入力端子に接続するには Simulink-PS Converter ブロックを使用します。物理量信号出力端子を Simulink 入力端子に接続するには PS-Simulink Converter ブロックを使用します。

  • Simulink 信号と異なり、物理量信号には単位を設定できます。Simscape Electrical のブロック ダイアログ ボックスでは、単位を、必要に応じてパラメーター値と共に指定できます。コンバーター ブロックを使用して単位を入力信号と関連付け、必要な出力信号の単位を指定します。

これらのルールを電気機械モデルに適用する例は、三相非同期機の起動を参照してください。

必要なブロック

ブロック線図内のトポロジ的に区別可能な物理ネットワークごとに、Simscape Utilities ライブラリの Solver Configuration ブロックを 1 つ含めなければなりません。Solver Configuration ブロックでは、シミュレーション用のグローバル環境情報を指定し、モデルでシミュレーションを行うために必要なソルバーのパラメーターを設定します。

各電気回路網には、Electrical Reference ブロックが必要です。このブロックは回路の電気接地を設定します。電気機械ブロックを含む回路網には Mechanical Rotational Reference ブロックも必要です。Reference ブロックの使い方についての詳細は、グラウンディングのルールを参照してください。

新しいモデルの作成

必要なブロックがあらかじめ用意された新しい Simscape Electrical モデルを開始する簡単な方法は、Simscape 関数 ssc_new を使用することです。詳細は、新しい Simscape モデルの作成を参照してください。

新しいモデルを開始するもう 1 つの方法は、Simulink スタート ページから Simscape テンプレートを使用することです。スタート ページには、Simscape Electrical を使用して電気回路網、三相電気回路網、機械回転ネットワーク、および機械並進ネットワークをモデル化するための設計パターンを提供するモデル テンプレートが含まれています。詳細については、Simscape Electrical を使用したアナログ回路アーキテクチャ、メカトロニクス システム、および電力システムのモデル化を参照してください。

また、新しい電気回路モデル用に、新しい回路の作成の例をテンプレートとして使用することもできます。この例では、いくつかの便利なブロックがあらかじめ用意された単純な電気モデルを開きます。また、最もよく使う電気コンポーネントへのリンクが含まれる Electrical Starter Palette も開きます。MATLAB® コマンド ウィンドウで、ssc_new_elec と入力して例を開き、[ファイル]、[名前を付けて保存] を使用してモデル例を任意の名前で保存します。その後、不要なブロックを削除し、新しいブロックを Electrical Starter Palette およびブロック ライブラリから追加します。

瞬時イベントのモデル化

Simscape Electrical で作業する場合、モデルには、イベントまたは離散サンプリングと関連付けられた Simulink ブロックを含めることができます。このようなブロックは、それらを接続する Simulink-PS Converter ブロックを介して、物理システムの入力に瞬間的な変化を発生させることができます。このタイプのモデルを作成する場合は、対応するゼロクロッシングが必ず生成されるようにしてください。

Simulink ライブラリの多くのブロックは、これらのゼロクロッシングを既定で生成します。たとえば、Pulse Generator ブロックは既定で離散時間出力を生成し、対応するゼロクロッシングを生成します。瞬間的なイベントをモデル化するすべての Simulink ブロックにゼロクロッシングを生成するには、モデルのソルバー コンフィギュレーション パラメーターで [ソルバーの詳細] を展開し、[ゼロクロッシング オプション][ゼロクロッシング コントロール] オプションで [ローカル設定を使用] または [すべて有効] を選択します。ゼロクロッシング コントロールの詳細については、ゼロクロッシング コントロールを参照してください。

Simulink ブロックを使用した物理コンポーネントのモデル化

システム内の物理コンポーネントの動作を近似する高速シミュレーションを実行するには、Simulink ブロックを使用して 1 つ以上の物理コンポーネントをモデル化すると便利な場合があります。

集積回路のモデル化の例では、Simulink を使用して物理コンポーネントをモデル化しています。マスク サブシステム 2-Input NOR (Behavioral Model) は、Simscape Foundation ライブラリのブロックを使用して作成された動作モデルです。

この動作モデルには Simulink ブロックで構成されるサブシステムが含まれ、これによって、カスタム集積回路の動作が実装されています。

Simulink Logical Operator ブロックは、2 入力 NOR ゲートの動作モデルを実装します。このような形で Simulink を使用すると、物理量信号の入力と出力の間のどこかにラグを配置しない限り、代数ループが発生します。このケースでは、ゲートの静電容量に起因する遅延を表す一次遅れが、Propagation Delay サブシステムに含まれています。ラグが必要ないアプリケーションでは、Simscape Foundation Library にある Physical Signals サブライブラリのブロックを使用して、目的の機能を実装します。