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Dynamic Load と Programmable Voltage Source

この例では、3-Phase Dynamic Load ブロックと 3-Phase Programmable Voltage Source ブロックの使用方法を示します。

説明

動的負荷が 500 kV、60 Hz の電力ネットワークに接続されています。ネットワークはテブナン等価 (2000 MVA の三相短絡電力に対応する R-L インピーダンスの背後の電圧源) によってシミュレートされます。基になる内部電圧は、電力スイング時の電圧変動をシミュレートするために変調します。動的負荷は電流源によりシミュレートされる非線形モデルであるため、誘導性ネットワーク (R-L 直列) に接続できません。したがって、動的負荷と並列に、小さな抵抗負荷 (1 MW) が追加されています。

動的負荷電力はその端子の正相電圧 V の関数です。Dynamic Load ブロックのメニューを開き、指数 np と nq の両方が 1 に設定されていること、および指定された最小電圧 Vmin が 0.7 pu であることを確認します。これは、負荷の有効電力 P および無効電力 Q が次の方程式で定義されることを意味しています。

     If V > Vmin
           P = Po*(V/Vo);    Q = Qo*(V/Vo)
     If V < Vmin
           P = Po*(V/Vo)^2;   Q = Qo*(V/Vo)^2

つまり、電圧が 0.7 pu より高ければ、負荷電流は一定です。電圧が 0.7 pu より下がると、負荷は定数値のインピーダンスとして動作します。

P と Q の変動を電圧の関数としてシミュレートするために、電源の内部電圧は 3-Phase Programmable Voltage Source ブロックによって制御されます。電源のメニューを開き、指定したタイプの振幅の変化が正弦波変調であることに注目してください (変調の振幅 = 0.5 pu、変調の周波数 = 1 Hz)。したがって、電源の正相電圧は 0.5 pu ~ 1.5 pu で変化します。初期の電源電圧は 1 pu です。変調は t = 0.2 秒で開始され、t = 1.2 秒の 1 サイクル後に停止します。

シミュレーション

1.動的負荷の初期化

定常状態でシミュレーションを開始するには、目的の Po 値と Qo 値に応じて適切な初期電圧 Vo (振幅と位相) を指定しなければなりません。

Powergui ブロックの 'Machine Initialization' ユーティリティを使用してこの電圧を検出し、動的負荷を初期化できます。Powergui を開き、[Machine Initialization] を選択します。動的負荷 (50 MW、25 Mvar) に対し、有効電力 = 50e6、無効電力 = 25e6 のように、目的の有効電力および無効電力を指定します。

次に、[Compute and Apply] ボタンを押します。AB および BC マシンの電圧の位相ベクトル、および相 A および B に流入する電流が更新されます。相-中性点間負荷電圧 Uan も表示されます (0.9844 pu - 1.41 度)。[Dynamic Load] ダイアログ ボックスを開くと、Po、Qo、および Vo の値が更新されていることがわかります。

2. 電圧スイングのシミュレーション

シミュレーションを開始し、負荷電圧、P および Q 電力、および Scope1 の電流を観察します。シミュレーションが定常状態で開始されていることを確認します。t = 0.2 秒では、電圧変調が開始されると P および Q は増加し始めますが (トレース 2)、np および nq が 1 に設定されているため負荷電流 (トレース 3) は一定に保たれます。電圧が 0.7 pu より下がると、負荷は定数値のインピーダンスとして動作します。したがって、負荷電流はこの電圧の変動によって変わります。瞬間電圧と電流の Scope2 の変動を観察します。また、Scope3 に表示される計算された P および Q は、Dynamic Load の測定出力によって返される P および Q の内部信号と同じであることに注目してください。