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6 kW 45 Vdc 燃料電池スタック

この例では、平均値 100 Vdc の DC/DC コンバーターに電力を供給するプロトン交換膜 (PEM) 燃料電池スタック モデルを示します。

Olivier Tremblay, Njoya Motapon Souleman, Louis-A. Dessaint (Ecole de technologie superieure, Montreal)

説明

燃料電池スタックの定格電圧は 45 Vdc、定格電力は 6 kW です。コンバーターは、時定数が 1 秒である 6 kW の RL 素子を負荷としてもちます。最初の 10 秒間、燃料流量制御器を使用して、水素の利用は一定のノミナル値 (Uf_H2 = 99.56%) に保たれます。10 秒目以降は流量制御器がバイパスされ、スタック電圧の変動を観察するために、燃料の流量は最大値の 85 lpm に増加します。これによって、スタックの効率、燃料消費量および空気消費量が影響を受けます。

燃料電池の電圧、電流、DC/DC コンバーター電圧および DC/DC コンバーター電流の信号は、Scope2 で確認できます。燃料の流量、水素と酸素の利用、燃料と空気の消費量および効率は、Scope1 で確認できます。

シミュレーション

t = 0 秒で、DC/DC コンバーターは 100 Vdc を RL 負荷に加えます (負荷の初期電流は 0 A)。燃料の利用は 99.56% のノミナル値に設定されます。電流は 133 A の値まで増加します。流量は、燃料利用のノミナル値が維持されるよう自動的に設定されます。DC 母線電圧 (Scope2) がコンバーターによってよく制御されていることを観察してください。シミュレーション開始時における 122 Vdc のピーク電圧は、電圧レギュレーターの過渡特性状態が原因となっています。

t = 10 秒のとき、燃料流量は 3.5 秒間で 50 リットル毎分 (lpm) から 85 lpm に増加し、これによって水素の利用量が減ります。これはネルンスト電圧の増加につながり、燃料電池の電流は減少します。したがって、スタックの消費量と効率は減少します (Scope1)。

メモ:

1) Simulink® マスクの [Signal variation] タブにあるチェック ボックスをオンにして、7 つを超える信号を変化させることができます。詳細は、ドキュメンテーションを参照してください。

2) このモデルの簡略化バージョンでは、V-I 曲線のみを使用して、少ないパラメーターで燃料電池のシミュレーションを行うことができます。[Model detailed Level] で [簡易] を選択してください。このモードでは信号の変化は利用できません。このため、燃料流量の入力は利用できなくなります。また、利用量、スタック消費量および効率は "Simplified" モードでは 0 となります。