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Filtered Derivative (Discrete or Continuous)

離散時間または連続時間の不完全微分

  • Filtered Derivative (Discrete or Continuous) block

ライブラリ:
Simscape / Electrical / Control / General Control

説明

Filtered Derivative (Discrete or Continuous) ブロックは、IEEE 421.5-2016[1] に準拠した不完全微分を実装します。

[サンプル時間] パラメーターを使用して、微分の実装を連続と離散の間で切り替えることができます。

方程式

連続

連続時間用の不完全微分を構成するには、[サンプル時間] プロパティを 0 に設定します。この表現は次の連続伝達関数と等価です。

G(s)=KsTs+1,

ここで、

  • K はゲインです。

  • T は時定数です。

上記の伝達関数の微分定義方程式は次のとおりです。

{x˙(t)=1T(Ku(t)x(t))y(t)=1T(Ku(t)x(t))x(0)=u0,y(0)=0,

ここで、

  • u はブロック入力です。

  • x は状態です。

  • y はブロック出力です。

  • t はシミュレーション時間です。

  • u0 はブロックへの初期入力です。

離散

離散時間用の不完全微分を構成するには、[サンプル時間] プロパティを正の非ゼロの値に設定するか、-1 に設定してサンプル時間を上流のブロックから継承します。離散の表現は次の伝達関数と等価です。

(KT)z1z+Ts/T1,

ここで、

  • K はゲインです。

  • T は時定数です。

  • Ts はサンプル時間です。

離散伝達関数の微分方程式は、前進オイラー法を使用して次のように定義されます。

{x(n+1)=(1TsT)x(n)+(TsT)u(n)y(n)=KT(u(n)x(n))x(0)=u0,y(0)=0,

ここで、

  • u はブロック入力です。

  • x はブロック状態です。

  • y はブロック出力です。

  • n はシミュレーション タイム ステップです。

  • u0 はブロックへの初期入力です。

初期条件

このブロックの初期条件を指定するには、[初期化] を次のように設定します。

  • ブロック入力から継承 — ブロックで状態の初期条件が初期入力に設定され、初期出力がゼロになります。

  • パラメーターとして指定 — ブロックで状態の初期条件が [初期状態] の値に設定されます。

出力の制限

[飽和の上限][飽和の下限] のパラメーターを有限値に設定して、不完全微分の出力を制限します。

IEEE 421.5-2016 で規定されている他の一般的なブロックとは異なり、不完全微分ではワインドアップとアンチワインドアップの飽和手法に違いはありません。出力が飽和したときに、出力が入力の符号の反転に即座に反応できます。

端子

入力

すべて展開する

不完全微分入力信号。ブロックは入力の初期値を使用して状態の初期値を決定します。

データ型: single | double

出力

すべて展開する

不完全微分出力信号。

データ型: single | double

パラメーター

すべて展開する

不完全微分ゲイン。

不完全微分時定数。許容可能な精度を得るために、この値は [サンプル時間] の 10 倍以上の値に設定してください。

不完全微分の出力の上限。非飽和の上限の場合は、これを inf に設定します。

不完全微分の出力の下限。非飽和の下限の場合は、これを -inf に設定します。

許容可能な最小サンプル時間と時定数の比率。サンプル時間が時定数に近づくにつれ、ブロックの精度が低下します。このパラメーターを使用して、この比率の許容誤差を設定します。

このブロックの初期状態の条件を指定します。詳細については、初期条件を参照してください。

ブロックの初期状態。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[初期化][パラメーターとして指定] に設定します。

連続するブロック実行間の時間間隔。実行時に、ブロックは出力を生成し、必要に応じて内部状態を更新します。詳細については、サンプル時間とはサンプル時間の指定を参照してください。

継承される離散時間演算の場合は、-1 を指定します。離散時間演算の場合は、正の整数を指定します。連続時間演算の場合は、0 を指定します。

許容可能な精度を得るために、この値は [時定数] パラメーターより 10 分の 1 以上小さい値に設定してください。

このブロックがマスク サブシステム内、または連続演算と離散演算が可能な他のバリアント サブシステム内にある場合は、サンプル時間のパラメーターをプロモートします。サンプル時間のパラメーターをプロモートすると、ブロックの実装が連続と離散の間で正しく切り替わります。詳細については、マスクにおけるブロック パラメーターのプロモートを参照してください。

参照

[1] IEEE. 2016. IEEE Recommended Practice for Excitation System Models for Power System Stability Studies. IEEE Std 421.5-2016. Piscataway, NJ: IEEE-SA, 2016.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2017b で導入