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IGBT
絶縁ゲート バイポーラ トランジスタ (IGBT) を実装する
ライブラリ
Simscape / Electrical / Specialized Power Systems / Power Electronics
説明
IGBT ブロックは、ゲート信号によって制御可能な半導体デバイスを実装します。IGBT は、論理信号 (g > 0 または g = 0) によって制御されるスイッチと直列に接続されている一連の抵抗器 Ron、インダクター Lon、および DC 電圧源 Vf の組み合わせとしてシミュレートされます。
IGBT は、コレクター-エミッター電圧が正で Vf より大きく、ゲート入力に正の信号が印加されている (g > 0) 場合にオンになります。コレクター-エミッター電圧が正でゲート入力に 0 信号が印加されている (g = 0) 場合にオフになります。
コレクター-エミッター電圧が負の場合、IGBT デバイスはオフ状態です。なお、多くの商用 IGBT には逆阻止機能はありません。したがって、通常は逆向きに接続されたダイオードとともに使用されます。
IGBT ブロックには、IGBT デバイスと並列に接続された直列 Rs-Cs スナバ回路が含まれています (端子 A と端子 E の間)。
IGBT モデルのターンオフ特性は、2 つのセグメントで近似されます。ゲート信号が 0 に低下すると、コレクター電流が立ち下がり時間 (Tf) に Imax から 0.1 Imax に低下し、その後テイル時間 (Tt) に 0.1 Imax から 0 に低下します。
パラメーター
- Resistance Ron
内部抵抗 Ron。単位はオーム (Ω) です。既定は
0.001
です。[Inductance Lon] パラメーターが 0 に設定されている場合、[Resistance Ron] パラメーターは0
に設定できません。- Inductance Lon
内部インダクタンス Lon。単位はヘンリー (H) です。既定は
0
です。[Resistance Ron] パラメーターが0
に設定されている場合を除き、[Inductance Lon] パラメーターは通常0
に設定します。- Forward voltage Vf
IGBT デバイスの順電圧。単位はボルト (V) です。既定は
1
です。- Initial current Ic
IGBT に流れる初期電流を指定できます。既定は
0
です。デバイスが遮断された状態でシミュレーションを開始するために、通常は0
に設定されます。[Initial Current IC] パラメーターが
0
より大きい値に設定されている場合は、定常状態の計算で IGBT の初期ステータスが閉と見なされます。パワー エレクトロニクス コンバーターのすべての状態を初期化するのは複雑なタスクです。そのため、このオプションは簡単な回路でのみ役立ちます。- Snubber resistance Rs
スナバ抵抗。単位はオーム (Ω) です。既定は
1e5
です。[Snubber resistance Rs] パラメーターをinf
に設定すると、モデルからスナバが削除されます。- Snubber capacitance Cs
スナバ静電容量。単位はファラド (F) です。既定は
inf
です。[Snubber capacitance Cs] パラメーターを0
に設定するとスナバが削除され、inf
に設定すると抵抗スナバが得られます。- Show measurement port
オンの場合、ダイオード IGBT の電流と電圧を返すブロックへの Simulink® 出力を追加します。既定はオンです。
入力と出力
g
IGBT の開閉を制御する Simulink 信号。
m
ブロックの Simulink 出力は、2 つの信号を含むベクトルです。Simulink ライブラリで提供される Bus Selector ブロックを使用して、これらの信号を逆多重化できます。
信号
定義
単位
1
IGBT 電流
A
2
IGBT 電圧
V
仮定と制限
IGBT ブロックは、実際の IGBT デバイスのマクロ モデルを実装します。デバイスの形状も、複雑な物理プロセスも考慮されません [1]。
インダクタンス Lon の値に応じて、IGBT は電流源 (Lon > 0) または可変トポロジ回路 (Lon = 0) としてモデル化されます。IGBT ブロックは、スナバ回路が使用されていない限り、インダクター、電流源、あるいは開回路と直列に接続することはできません。
回路を離散化する場合、インダクタンス Lon は強制的に 0 となります。
例
power_igbtconv
の例では、昇圧 DC-DC コンバーターでの IGBT ブロックの使用が示されています。IGBT は、周波数 10 kHz でオンおよびオフが切り替わり、DC 電源から負荷 (RC) にエネルギーを伝送します。平均出力電圧 (VR) は、以下のように IGBT スイッチのデューティ比 (α) の関数です。
参考文献
[1] Mohan, N., T.M. Undeland, and W.P. Robbins, Power Electronics: Converters, Applications, and Design, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1995.
バージョン履歴
R2006a より前に導入