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リニア電動アクチュエータ (モーター モデル)

このモデルは、データシートのパラメーター値を使用して、制御されていない線形アクチュエータのモデルを開発する方法を示します。アクチュエータを構成する DC モーターが 6.25:1 ウォーム ギアを駆動し、それが 3 mm の親ねじを駆動して線形運動を生成します。アクチュエータに関するメーカーのデータでは、無負荷の線形速度 (26 mm/s)、定格負荷 (1000 N)、定格負荷の線形速度 (19 mm/s)、最大電流 (5 A) が定義されています。最大静的力は 4000 N で、定格電圧は 24 V DC です。

摩擦と回転子の減衰係数を無視すると、DC モーターのマスク パラメーターは次のように計算できます。無負荷速度 26 mm/s は、(26/3)*6.25*60=3250 rpm と等価です。モーターの定格回転数は (19/3)*6.25*60=2375 rpm で、定格出力は 1000 N*19e-3 m/s=19 W です。これらのパラメーターに基づいてモデルを実行するには、DC モーターの [モデルのパラメーター化] パラメーターを [By rated power, rated speed & no-load speed] に設定し、Friction ブロックをコメント アウトします。結果では、負荷がゼロと 1000 N のときの速度が検証されますが、最大電流と最大静的力については実際より小さな値が予測されます。

より正確にモーターを近似するには、摩擦の効果を含めなければなりません。無負荷時および定格負荷時の速度情報は、未知の摩擦レベルに依存するため、その代わりに、回転子がロックされているとき (つまり、逆起電力がないとき) に発生する最大電流に基づいてモーターをパラメーター化します。すると、巻線抵抗が、定格電圧を最大電流で除算して求められます (つまり、24 V / 5 A = 4.8Ω)。無負荷電流の測定値が 0.35 A であることは、摩擦に関する情報を間接的に提供します。この値を与えると、最大静的トルクを正味の使用電流で除算することで、トルク定数が求められます (つまり、(4000 N*3e-3 m/s/(2*pi*6.25))/(5 A-0.35 A) = 0.066 Nm/A)。これらのパラメーターに基づいてモデルを実行するには、DC Motor の [モデルのパラメーター化] パラメーターを [等価回路のパラメーターによる] に設定し、Friction ブロックを復元します。次に、ねじり係数を、無負荷速度が 26 mm/s になるように決定しなければなりません。これを達成するには、値 0.022 Nm が必要です。このモデルでは、最大電流が 5 A、最大線形力が 4000 N であることも確認されます。

このモデルの制限として、負荷がウォーム ギアを介してモーターを逆駆動する可能性があることに注意してください。これを防止するには、さらに詳細な摩擦モデルが必要です。

モデル

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、線形アクチュエータについて、モーターのパフォーマンスとデータシートの値との比較を示しています。テストには、無負荷、定格負荷、最大負荷が含まれています。モーター回転数と電流は仕様とよく一致し、割り当てられたパラメーター値がデータシートに一致していることを示します。

リアルタイム シミュレーションの結果

この例は、Intel® 3.5 GHz i7 マルチコア CPU を搭載した Speedgoat Performance リアルタイム ターゲット マシンでテストされました。このモデルは、30 マイクロ秒のステップ サイズでリアル タイム実行できます。