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降圧コンバーターの熱モデル

この例では、同期整流式降圧コンバーターにおける MOSFET の熱力学をモデル化します。その構造は、熱力学を伴う降圧コンバーターモデルと一致しています。電気的なスイッチング ダイナミクスを省略することによって、シミュレーションで使うタイム ステップをずっと大きくし、シミュレーションで MOSFET の定常温度を計算する時間を劇的に削減できます。

MOSFET が生成する熱を決定するには、スイッチング サイクル中の平均損失が必要になります。これは、詳細モデル BuckConverter.mdl を実行することによって取得できます。この詳細モデルでは、ログ データの後処理を行い、損失をワークスペース変数 P_MOSFET1 と P_MOSFET2 に保存します。その後、単純化された熱モデルを実行でき、MOSFET の最終温度がワークスペース変数 T_junction1、T_case1、T_heatsink1、T_junction2、T_case2、T_heatsink2 に保存されます。これらの温度を開始条件として詳細モデルを再実行すると、システムの動作について、より正確な結果が得られます。これは、デバイスの特性が温度に依存するためです。

モデル

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、時間の経過に伴う MOSFET の温度を示しています。長期間にわたってシミュレーションを実行すると、定常状態の温度を決定できます。このシミュレーションの最終温度は、デバイスの特性が温度に依存する詳細な電気シミュレーションの開始条件として使用できます。

リアルタイム シミュレーションの結果

この例は、Intel® 3.5 GHz i7 マルチコア CPU を搭載した Speedgoat Performance リアルタイム ターゲット マシンでテストされました。このモデルは、30 マイクロ秒のステップ サイズでリアル タイム実行できます。