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Simscape のスティッフネス影響分析

陽的ソルバーを使用すると、システムがスティッフなためにシミュレーションが不安定になる場合があります。詳細については、陽的な連続ソルバーと陰的な連続ソルバーを参照してください。ほとんどのモデルでは、ブロック パラメーター値を変更することで、システムのスティッフネスを減じて不安定さを取り除くことができます。ソルバー プロファイラー ツールの [スティッフネス影響分析] オプションを使用すると、モデル内の Simscape™ ネットワークを分析し、システムのスティッフネスに最も影響を及ぼしている変数と方程式を特定できます。その後、これらの方程式に関連するパラメーターの値を変更し、システムのスティッフを軽減することができます。

Simscape モデルの影響分析を実行するには、ソルバー プロファイラー インターフェイスの [Simscape のスティッフネス] ドロップダウン ボタンをクリックして、スティッフネス分析のチェックポイントをベクトルとして入力します。

たとえば、抵抗とコンデンサが DC 電圧源と直列に接続されているモデルを考えます。

スティッフネス影響分析ツールにアクセスするには、モデル ウィンドウの右下隅にあるハイパーリンクをクリックしてソルバー プロファイラーを開きます。

[ソルバー プロファイラー] ツールストリップの [Simscape のスティッフネス] ドロップダウン メニューをクリックします。ベクトルを入力して [実行] をクリックします。この例では、ベクトル [0, 1, 2] を使用します。

下部ペインの [Simscape のスティッフネス] タブに、システムのスティッフネスに最も影響する変数は Resistor ブロック内の i(Current) であり、各区間の対応する固有値は -9.999999e+08 であることが表示されます。タイム ステップがベクトルの時間と一致しない場合、このツールは指定された時点の前後で最も近いタイム ステップ (t- と t+) で、それぞれスティッフネス分析を実行します。

ヒント

負の固有値の大きさが大きくなるほど、スティッフネスのためにシステムがより不安定になります。

Resistor ブロックは次の式を使用しています。

v == R*i;

このブロックは抵抗から電流を導出していることに注意してください。電流に起因するスティッフネスを低下させるには、抵抗の値を減らします。たとえば、[抵抗]1e-6 [Ω] に設定し、スティッフネス影響分析ツールを使用してシミュレーションを再実行すると、対応する固定値は -5.00000e+08 に減少します。問題なくモデルを実行するには、大きさがこの程度減少すれば十分です。

スティッフネス影響分析ツールには以下の制限があります。

  • ツールは Simscape ネットワークのみのスティッフネス分析を実行します。モデルに Simscape ブロックが含まれていない場合、ツールは何の結果も示しません。

  • 代数システムや高次システムの場合、あるいはシステムが周波数と時間方程式の定式化を使用するか Simscape Multibody™ ブロックを含んでいる場合、ツールは結果を生成せずに警告を発します。

  • このツールは、SimscapeElectrical™ Specialized Power Systems とは連携しません。

  • このツールは、アクセラレータ モードまたはラピッド アクセラレータ モードでは機能しません。このツールはノーマル シミュレーション モードでのみ使用してください。

参考

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