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操作点の検出

操作点とは

システムの "操作点" は、設計と使用の要件 ("操作仕様") を満たす動的構成です。このような操作仕様は、システム状態 x と入力 u の要件として表現できます。すべての操作条件を満たす動的状態を必ず特定できるとは限りません。また、同じ要件を満たす操作点がシステム内に複数存在する場合もあります。

操作点はシステム コントローラーの設計と実装に不可欠です。操作点でシステムを最適化することにより、パフォーマンス、安定性、安全性、信頼性を向上させることができます。

最も重要かつ一般的な操作点は "定常状態" で、システムの動的変数の一部または全部が一定となっています。

操作点による線形化

操作点を特定するための主要な目的として "線形化" があげられます。この処理により、操作点での小規模な外乱へのシステム応答が決まります。線形化の結果は、操作点付近での動的動作を制御するフィードバック コントローラーの設計に影響します。完全な線形化解析を行うには、入力だけでなく、1 つまたは複数のシステム出力 y が必要です。

操作点での線形化を参照してください。

航空機を操縦中のパイロットが、特定の環境について、地上に対して水平で、速度が一定で、高度も一定になる飛行を実現するための航空機のエンジンと制御面の状態を特定する必要があります。ここでは、"水平"、"速度が一定"、"高度が一定"、"対地上" の各要件が操作仕様の要素となります。この操作点は航空機の空間内での速度、高度、方向の定常状態です。

物理モデルでの操作点の検出

Simscape™ モデルで操作点を特定する方法は複数あります。Simscape および Simulink® の機能を使用すると、操作仕様を強制的に適用し、操作点を特定することができます。

ヒント

定常状態を特定するには、Simscape の定常状態ソルバーを使用するのが最も早い方法です。操作点および線形化ツールを総合的に備えたソフトウェアとして、MathWorks では Simulink Control Design™ を推奨しています。

操作点を解析するには、モデルの完全状態ベクトルを使用します。この中には次の要素が含まれています。

  • Simulink コンポーネント (連続または離散)

  • Simscape コンポーネント (連続)

どちらの方法で操作点を特定する場合でも、線形化を行うには操作点情報を操作点オブジェクト、シミュレーション時間 t0、または状態ベクトル x0 および入力ベクトル u0 の形式で保存しなければなりません。

時系列でのシミュレーションによる操作点の検索

操作点を特定する方法のひとつとして、モデルのシミュレーションを実行し、状態 x と出力 y を時系列で調べることがあげられます。

  1. Simscape モデルで、調査対象の任意のブロック出力に対してセンサー出力を設定します。

  2. Scope ブロックと To Workspace ブロックの一方または両方を Simscape ブロック出力に接続し、シミュレーションの動作を確認および記録します。

  3. モデルの [コンフィギュレーション パラメーター] 設定の [データのインポート/エクスポート] ペインで [時間][状態][出力] の各チェック ボックスをオンにし、このシミュレーション情報をワークスペースに記録します。

Simscape 初期条件ソルバーの使用

Simscape ソフトウェアには、物理モデルを初期化するワークフローが 2 つあります。1 番目の方法は、すべての微分変数が 0 の微分値をとる定常状態用です。この方法を使用すると、モデルの入力、パラメーター、初期条件を変化させることにより、定常状態ソルバーで複数の定常状態を検索できます。2 番目の方法では、ブロック変数の初期化の優先順位とターゲットを指定して、初期条件を直接指定します。この方法についての詳細は、変数の初期化を参照してください。

最初の方法を使用するには、定常状態ソルバーを使用します。

  1. Simscape モデルの物理ネットワークのうち 1 つ、複数または全部で、Solver Configuration ブロックを開きます。

  2. 各ブロックのダイアログ ボックスで、[定常状態からシミュレーションを開始] チェック ボックスをオンにします。

  3. モデルの [コンフィギュレーション パラメーター] 設定の [データのインポート/エクスポート] ペインで [状態] チェック ボックスをオンにし、ワークスペースの x 値の時系列を記録します。

    モデルに入力信号 u もある場合、To Workspace ブロックを入力 Simulink 信号線に接続すると、これらの入力をキャプチャできます。

  4. これらのダイアログ ボックスを閉じて、シミュレーションを開始します。

シミュレーションでキャプチャする値 x(t=0) の最初のベクトルは、Simscape ソルバーが特定した定常状態 x0 を反映しています。

ヒント

初期定常状態の特定は、既定ではない Simscape シミュレーションの手順の一環として行います。初期条件の計算を参照してください。

シミュレーション時間を 0 に設定すると、初期定常状態の計算を単純化することができます。これにより、シミュレーションでは 1 つのタイム ステップ (時間ゼロ) の解のみが求められ、1 つの状態ベクトル x(t=0) が返されます。

Simulink Control Design 手法による操作点の検出

Simulink Control Design ソフトウェアを使用して、Simscape コンポーネントを含むモデルの操作点を見つけることができます。Simulink Control Design には、操作点を見つけて解析するためのコマンド ライン インターフェイスとグラフィカル インターフェイスの両方が用意されています。

詳細については、Simscape モデルの定常状態の操作点の検出 (Simulink Control Design)を参照してください。

ソースの使用による操作点の検出は非推奨

Simscape Foundation ライブラリからソース ブロックを挿入すると、Simscape モデルの一部に操作仕様を強制的に適用できます。これにより、システム変数の指定値がモデルのさまざまな部分に強制的に適用されます。状態ベクトルはシミュレーションおよび保存が可能です。

ただし、モデルから状態値を保存してソース ブロックを削除しても、元の (ソース ブロックがない) システムの操作点を取得することはできません。一般的に、状態成分の数、次数、識別子は、モデルで Simscape ブロックの追加や削除を行うと変動します。

Simulink 関数 trimSimscape モデルでは使用不可

Simulink の関数 trim は Simscape コンポーネントが含まれるモデルでは使用できません。