最新のリリースでは、このページがまだ翻訳されていません。 このページの最新版は英語でご覧になれます。

単純なモデルの作成とシミュレーション

Simscape ブロック線図の作成

この例では、単純な機械システムをモデル化し、さまざまな条件下での動作を観察します。このチュートリアルでは、物理モデルを作成するための基本的な手順を説明します。これにより、基本的な Simscape™ ブロックの使用方法を習得できます。

メモ:

シミュレーション データ解析の時間短縮手法や高度な方法については、物理モデル作成の基本的な手順のチュートリアルを参照してください。

次の図は、車体のサスペンションの単純なモデルを表しています。このモデルでは、バネとダンパーが車体 (質量として表現) に接続されており、車体は力によって揺らされます。バネの剛性、車体の質量、力のプロファイルなど、モデル パラメーターをさまざまに変更して、車体の速度や位置がどのように変わるかを表示できます。

等価な Simscape のブロック線図を作成するには、以下の手順に従います。

  1. Simscape ブロック ライブラリの説明に従って、Simulink® ライブラリブラウザーを開きます。

  2. [空のモデル] テンプレートを使用して、新しい Simulink モデルを作成します。メモリ内に空のモデルが作成され、新しいモデル ウィンドウに表示されます。

    メモ:

    あるいは、MATLAB® コマンド プロンプトで「ssc_new」と入力すると、必要なブロックや一般的なブロックが設定された状態で新たなモデルが作成されます。詳細は、新しい Simscape モデルの作成を参照してください。

  3. Simulink エディターでは、モデルのブロック線図内の自動生成ブロック名は既定で非表示になっています。非表示になっているブロック名を学習用に表示するには、[情報表示] を選択して [自動生成名の非表示] チェック ボックスをオフにします。

  4. Simscape、Foundation Library、Mechanical、Translational Elements ライブラリを開きます。

  5. Mass、Translational Spring、Translational Damper の各ブロックと、2 つの Mechanical Translational Reference ブロックをモデル ウィンドウにドラッグします。

  6. 次の図にようにブロックの向きを設定します。ブロックを回転させるには、そのブロックを選択して Ctrl + R キーを押します。

  7. Translational Spring、Translational Damper、Mass の各ブロックを、次の図のように Mechanical Translational Reference ブロックの一方に接続します。

  8. 質量にかかる力の表現を追加するには、Simscape、Foundation Library、Mechanical、Mechanical Sources ライブラリを選択し、Ideal Force Source ブロックをブロック線図に追加します。

    元の図に示されている力の正しい方向を反映させるために、モデル ウィンドウ上部のメニュー バーで [ブロック線図][回転と反転][ブロックの反転][上-下] を選択してブロックを反転させます。次の図で示すように、ブロックの端子 C ("ケース") を 2 番目の Mechanical Translational Reference ブロックに、端子 R ("ロッド") を Mass ブロックにそれぞれ接続します。

  9. 質量の速度と位置を測定するためのセンサーを追加します。Mechanical Sensors ライブラリの Ideal Translational Motion Sensor ブロックをブロック線図に配置して、次に示すように接続します。

  10. 次に、ソースとスコープを追加する必要があります。これらは通常の Simulink ライブラリにあります。Simulink、Sources ライブラリ を開き、Signal Builder ブロックをモデルにコピーします。次に、Simulink、Sinks ライブラリ を開き、2 つの Scope ブロックをコピーします。Scope ブロックの一方の名前を Velocity に、もう一方の名前を Position に変更します。

  11. Simulink のソースまたはスコープを Simscape のブロック線図に接続するたびに、所定のコンバーター ブロックを使用して Simulink の信号と物理量信号間の変換を行う必要があります。Simscape、Utilities ライブラリ を開き、Simulink-PS Converter ブロック 1 つと PS-Simulink Converter ブロック 2 つをモデルにコピーします。以下に示すように、ブロックを接続します。

  12. ブロック線図内のトポロジ的に区別可能な各物理ネットワークには、Solver Configuration ブロックが 1 つだけ必要です。このブロックは Simscape の Utilities ライブラリにあります。このブロックをモデルにコピーして分岐点を作成し、Solver Configuration ブロックに 1 つだけある端子に接続することによって回路に接続します。ブロック線図は以下のようになります。

  13. これでブロック線図は完成です。mech_simple として保存します。

初期設定の変更

前節の説明に従ってモデルのブロック線図を作成した後、ソルバーを選択して、コンフィギュレーション パラメーターの値を正しく設定する必要があります。

モデルのシミュレーションの準備をするには、以下の手順に従います。

  1. Simulink ソルバーを選択します。モデル ウィンドウ上部のメニュー バーから [シミュレーション]、[モデル コンフィギュレーション パラメーター] を選択します。[コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスが開き、[ソルバー] ノードが表示されます。

    [ソルバーの選択] で、[ソルバー][ode23t (mod.stiff/Trapezoidal)] に設定します。

    [ソルバーの詳細] を展開して、[最大ステップ サイズ][0.2] に設定します。

    また、[シミュレーション時間] は 0 ~ 10 秒の範囲で指定されることに注目してください。必要があれば、この設定を後で調整することができます。

    [OK] をクリックして、[コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスを閉じます。

  2. モデルを保存します。

シミュレーションの実行

ブロック線図を作成してモデルの初期設定を指定したら、シミュレーションを実行できます。

  1. 力の入力信号は Signal Builder ブロックにより与えられます。信号のプロファイルは次の図のとおりです。最初の値は 0 で、4 秒後のステップで 1 に変わり、6 秒後の時点で 0 に戻ります。これは既定の設定です。

    Velocity スコープには質量の速度が、Position スコープには質量の変位が時間の関数として出力されます。両方のスコープをダブルクリックして開きます。

  2. シミュレーションを実行するには、モデル ウィンドウのツール バーで をクリックします。Simscape ソルバーはモデルを評価し、初期条件を計算して、シミュレーションを実行します。このプロセスの詳細は、Simscape でのシミュレーションの仕組みを参照してください。このステップの完了には数秒間かかる場合があります。モデル ウィンドウの左下の隅のメッセージに、ステータスの更新が提示されます。

  3. シミュレーションが開始されると、[速度] および [位置] のスコープ ウィンドウには、次の図のようにシミュレーションの結果が表示されます。

    最初、質量は静止しています。4 秒の時点で、入力信号が突然変動するのに伴い質量の速度は正方向に急変化し、次第に 0 へと戻ります。質量の位置はこれと同時に変化しますが、慣性と減衰によりゆっくりとしたものになります。また、質量の位置は、力がかかっている間、その力に応じた位置にとどまります。6 秒の時点で入力信号が 0 に戻ると、速度は急反転し、質量は次第に最初の位置へと戻ります。

いくつかの入力とブロック パラメーターを調整することで、質量の速度と変位に対する影響を確認することができます。

パラメーターの調整

最初のシミュレーションの実行後、いくつかの入力とパラメーターの調整を試してみましょう。

次のように調整してみましょう。

力のプロファイルの変更

この例では、入力信号となる力のプロファイルの変更方法と、それによる質量の変位を示します。

  1. Signal Builder ブロックをダブルクリックして開きます。

  2. 最初の垂直線となる信号の設定をクリックして、次の図のように 4 秒の位置から 2 秒の位置へとドラッグします。ブロック ダイアログを閉じます。

  3. シミュレーションを実行します。次の図に示すような結果が得られます。

モデル パラメーターの変更

モデルでは、並列に接続された並進バネと並進ダンパーにつながれた質量に対して力がかかっています。この例では、バネの剛性とダンパーの粘度における変化が質量の変位に及ぼす影響を示します。

  1. Translational Spring ブロックをダブルクリックします。[ばね定数]2000 N/m に設定します。

  2. シミュレーションを実行します。バネの剛性が増加すると、次の図に示すように質量変位の振幅が小さくなります。

  3. 次に、Translational Damper ブロックをダブルクリックします。[減衰係数]500 N/(m/s) に設定します。

  4. シミュレーションを実行します。粘度が上昇するため、質量が最大変位に達するまでの速度と元の位置に戻るまでの速度が、次の図に示すようにどちらも低下します。

質量の位置の出力単位の変更

モデルでは PS-Simulink Converter ブロックが既定のパラメーター構成で使用されており、単位は指定されていません。そのため、Position スコープには質量の変位が既定の長さの単位 (メートル) で出力されます。この例では、質量の変位の出力単位をミリメートルに変更する方法を示します。

  1. PS-Simulink Converter1 ブロックをダブルクリックします。[出力信号単位] コンボ ボックスに「mm」と入力して、[OK] をクリックします。

  2. シミュレーションを実行します。[Position] スコープ ウィンドウで をクリックし、スコープの軸をオートスケールします。質量の変位が次の図で示すようにミリメートル単位で出力されるようになります。

関連するトピック