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エンジン冷却システム

この例では、カスタム熱流体ブロックを使用して基本的なエンジン冷却システムをモデル化する方法を示します。固定容量型ポンプは冷却回路に水を通します。エンジンからの熱は冷却液によって吸収され、ラジエーターを通じて放散されます。システム温度はサーモスタットによって制御されます。これにより、温度がしきい値を上回っている場合にのみ、水流がラジエーターに向けられます。

カスタム熱流体ブロックには、Fixed-Displacement Pump、Fluid Jacket、Radiator、Thermostat などがあります。ブロック ダイアログでソース コードのリンクをクリックしてコードを検証し、既存の Thermal Liquid ライブラリ ブロックをどのように変更して特定のアプリケーションに適合させるかを確認してください。

Fluid Jacket と Radiator は、Pipe (TL) ブロックを変更したものです。これらのコンポーネントは、質量とエネルギーの保存方程式を使用して動的圧縮率と熱容量の効果をモデル化するための、液体の内部体積を表します。圧力と温度の既定の優先順位は、液体の状態の初期条件を提供するために、高い値に設定されています。

Fixed-Displacement Pump は、Mass Flow Rate Source (TL) ブロックを変更したものです。Thermostat は、Local Restriction (TL) ブロックを変更したものです。どちらのコンポーネントも、無視できる体積の液体を含んでいると見なされます。したがって、準定常的であると見なされます。

4 つのコンポーネントはすべて、foundation.thermal_liquid.two_port_dynamic または foundation.thermal_liquid.two_port_steady 基底クラスから継承されています。これにより、平滑化された風上法に基づいてエネルギー流量を計算するための共通の方程式が実装されます。この手法によりエネルギーを下流に向けて対流させ、熱流体ネットワーク全体に情報を正しく伝播させることができます。

モデル

Engine サブシステム

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、エンジン冷却システムでサーモスタットが開いたときの効果を示します。ピストンの温度が継続的に上昇すると、やがてサーモスタットが開きます。そのとき、ラジエーターを通る冷却液の流れが急激に上昇し、バイパス ホースを通る冷却液の流れが減少します。ラジエーターを通る冷却液は大気中に熱を放出するため、ピストンの温度の上昇が緩やかになります。

このプロットは、冷却システムのさまざまな場所における冷却液の密度を時間の経過とともに示します。冷却液の密度は、ネットワーク全体で、局所温度と局所圧力に基づいて変化します。

流体特性