成層温水貯蔵タンクの例
この例では、最上部から最下部まで温度が変動する温水貯蔵タンクをモデル化する方法を示します。タンクの最下部に冷水の入口があり、最上部に温水の出口があります。この設計により、タンクに水を補充してタンクの最下部が冷たくなっても、タンクの最上部と出ていく水は高温を保つことができます。
タンクは、温度勾配を取得するために 8 つの別々の層を使用してモデル化されています。タンクの各層はカスタム Simscape™ コンポーネントによってモデル化されています。このカスタム Simscape コンポーネントは、Constant Volume Chamber ブロックに変更を加えて、静水圧や浮力循環による対流など、端子間における高度の変化の影響を含めたものです。計算を簡略化するために、コンポーネントでは浮力循環による質量移動は計算せず、タンクの層に出入りする異なる温度の流体による有効なエネルギー伝達のみを計算します。コンポーネントでは、浮力循環によるエネルギー伝達を簡単な対流方程式と 2 種類の対流係数 (上昇熱流の係数と下降熱流の係数) を使用して概算します。2 つの対流係数により、密度が低い (温かい) 流体ほど上昇し、密度が高い (冷たい) 流体ほど下降するという、浮力循環の根本的に非対称な関係が再現されます。
モデル

Tank サブシステム

Scope からのシミュレーション結果

Simscape ログからのシミュレーション結果
次の図は、タンクの各層の明確に異なる温度を示しています。出口に接続された最上位の層は、タンクの下位の層に冷水が入っても高温を維持しています。

Simscape ログの結果のアニメーション
次の図は、時間の経過に伴うタンクの層の温度をアニメーション化したものです。タンクが空になるにつれて、下位の層から冷水が流入する様子が示されます。タンクから引き出す水がなくなったときは、下位の層の加熱エレメントで冷水を温めることができます。
