Main Content

zero

SISO 動的システムの零点とゲイン

説明

Z = zero(sys) は、単入力単出力 (SISO) 動的システム モデル、sys の零点を返します。出力は sys.TimeUnit で指定される時間単位の逆数として表現されます。

[Z,gain] = zero(sys)sys の零点-極-ゲインも返します。

[Z,gain] = zero(sys,J1,...,JN) は、モデル配列 sys の添字 J1,...,JN をもつエントリの零点とゲインを返します。

すべて折りたたむ

次の伝達関数の零点を計算します。

sys(s)=4.2s2+0.25s-0.004s2+9.6s+17

sys = tf([4.2,0.25,-0.004],[1,9.6,17]);
Z = zero(sys)
Z = 2×1

   -0.0726
    0.0131

次の伝達関数の零点の位置と零点-極ゲインを計算します。

sys(s)=4.2s2+0.25s-0.004s2+9.6s+17

sys = tf([4.2,0.25,-0.004],[1,9.6,17]);
[z,gain] = zero(sys)
z = 2×1

   -0.0726
    0.0131

gain = 4.2000

零点の位置は、伝達関数 (H.TimeUnit) の時間単位が秒であるため、second-1 で表されます。

この例では、伝達関数モデルの 3 行 1 列の配列を読み込みます。

load('tfArray.mat','sys');
size(sys)
3x1 array of transfer functions.
Each model has 1 outputs and 1 inputs.

配列内のモデルの零点とゲイン値を見つけます。

[Z, gain] = zero(sys);
Z(:,:,1,1)
ans =

  0x1 empty double column vector
gain(:,:,1,1)
ans = 1

zero は、零点とゲイン値のそれぞれに 1 つの配列を返します。ここで、Z(:,:,1,1)gain(:,:,1,1) は、配列内の最初のモデル、つまり sys(:,:,1,1) の零点とゲイン値に対応します。

入力引数

すべて折りたたむ

動的システム。SISO 動的システム モデルまたは SISO 動的システム モデルの配列として指定します。使用できる動的システムには、tfzpkss モデルなどの連続時間または離散時間の数値 LTI モデルが含まれます。

sys が一般化状態空間モデル genss または不確かさをもつ状態空間モデル uss である場合、zero は、sys の現在の値またはノミナル値の零点を返します。sys がモデルの配列である場合、zerosys の添字 J1,...,JN に対応するモデルの零点を返します。モデル配列の詳細については、モデル配列を参照してください。

抽出する零点をもつ配列内モデルのインデックス。正の整数として指定します。sys における配列の次元数と同じ数のインデックスを指定できます。たとえば、sys が動的システム モデルの 4 行 5 列の配列である場合、次のコマンドは配列のエントリ (2,3) の零点を抽出します。

Z = zero(sys,2,3);

出力引数

すべて折りたたむ

動的システムの零点。列ベクトルまたは配列として返されます。動作は sys により異なります。

  • 単一のモデルの場合、Z は動的システム モデル sys の零点の列ベクトルです。

  • モデル配列の場合、Zsys の各モデルの零点を含む配列です。

Zsys.TimeUnit で指定される時間単位の逆数として表現されます。たとえば、sys.TimeUnit = 'minutes' の場合、零点は 1/分で表されます。

動的システムの零点-極-ゲイン。スカラーとして返されます。言い換えれば、gain はモデルが zpk 形式で記述される場合の K の値です。

ヒント

  • sys に内部遅延がある場合、zero はすべての内部遅延をゼロに設定し、ゼロ次パデ近似を作成します。この近似によって、システムに有限個のゼロが存在するようになります。内部遅延をゼロに設定すると、特異値の代数ループが作成されるため、zero でエラーが返されます。内部遅延をもつモデルの安定性を評価するには、step または impulse を使用します。

  • 多入力、多出力 (MIMO) システムの伝達零点を計算するには、tzero を使用します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入