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getSectorCrossover

セクター境界の交差周波数

説明

wc = getSectorCrossover(H,Q) は、次の行列 M(ω) が特異になる周波数を返します。

M(ω)=H(jω)HQH(jω).

周波数領域のセクター プロットが存在する場合、この周波数は、HQ の相対セクター インデックス (R インデックス) が 1 に等しくなる周波数です。詳細については、セクター境界とセクター インデックスについてを参照してください。

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動的システム G(s)=(s+2)/(s+1) と、次のように定義されるセクターの交差周波数を求めます。

S={(y,u):au2<uy<bu2},

ab にはさまざまな値が入ります。

U/Y 領域では、このセクターは次の図の影付きの領域になります (ab > 0 の場合)。

このセクターの行列 Q は次のようになります。

Q=[1-(a+b)/2-(a+b)/2ab];a=0.1,b=10.

getSectorCrossover は、H(s)=[G(s);I] の場合に H(s)HQH(s) が特異になる周波数を求めます。たとえば、a = 0.1 および b = 10 の Q で定義されるセクターについて、この周波数を求めます。

G = tf([1 2],[1 1]); 
H = [G;1];

a = 0.1;  
b = 10; 
Q = [1 -(a+b)/2 ; -(a+b)/2 a*b];

w = getSectorCrossover(H,Q)
w =

  0x1 empty double column vector

結果が空の場合、このような周波数はありません。

次に、a = 0.5 および b = 1.5 にしてセクターを狭くした場合に HHQH が特異になる周波数を求めます。

a2 = 0.5;  
b2 = 1.5; 
Q2 = [1 -(a2+b2)/2 ; -(a2+b2)/2 a2*b2];

w2 = getSectorCrossover(H,Q2)
w2 = 1.7321

ここで結果として得られる周波数は、セクター プロットに示すように、HQ2 の R インデックスが 1 に等しくなる周波数です。

sectorplot(H,Q2)

したがって、システム H とセクター Q のセクター プロットが存在する場合、getSectorCrossover は R インデックスが 1 になる周波数を求めます。

入力引数

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セクター境界に対して解析するモデル。tf モデル、ss モデル、または genss モデルなどの動的システム モデルとして指定します。H は連続または離散のどちらにすることもできます。H が調整可能なブロックまたは不確かさをもつブロックを含む一般化モデルの場合、getSectorCrossoverH の現在のノミナル値を解析します。

線形システム G の I/O 軌跡 (u,y) が特定のセクター内に収まる周波数を取得するには、H = [G;I] を使用します。ここでは I = eyes(nu) であり、nuG の入力数です。

セクターの形状。次のように指定します。

  • 定数のセクター形状の場合は行列。Q は 1 辺が ny の対称正方行列です。ここで、nyH の出力数です。

  • 周波数依存のセクター形状の場合は LTI モデル。QQ(s)’ = Q(–s) を満たします。つまり、Q(s) は各周波数でエルミート行列と評価されます。

行列 Q は適切に定義された円錐セクターを表すために不定でなければなりません。不定行列には、正と負両方の固有値があります。

詳細については、セクター境界とセクター インデックスについてを参照してください。

出力引数

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セクター交差周波数。ベクトルとして返されます。周波数はラジアン/TimeUnit 単位で、HTimeUnit プロパティに相対して表されます。H の軌跡が境界を越えない場合は wc = [] です。

バージョン履歴

R2016a で導入