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evalfr

指定した周波数でのシステム応答の評価

説明

evalfrfreqresp の簡易バージョンであり、複素平面の任意の点におけるシステム応答を迅速に評価することを意図しています。一連の周波数でのシステム応答を評価するには、freqresp を使用します。周波数応答の振幅と位相のデータをそのプロットとともに取得するには、bode を使用してください。

frsp = evalfr(sys,x) は、動的システム モデル sys を複素 s 平面 (連続時間 sys の場合) または複素 z 平面 (離散時間 sys の場合) の点 x で評価します。

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次の離散時間伝達関数を作成します。

H(z)=z-1z2+z+1

H = tf([1 -1],[1 1 1],-1);

伝達関数を z = 1+j で評価します。

z = 1+j;
evalfr(H,z)
ans = 0.2308 + 0.1538i

次の連続時間の伝達関数モデルを作成します。

H(s)=1s2+2s+1

sys = idtf(1,[1 2 1]);

周波数 0.1 ラジアン/秒で伝達関数を評価します。

w = 0.1;
s = j*w;
evalfr(sys,s)
ans = 0.9705 - 0.1961i

あるいは、freqresp コマンドを使用します。

freqresp(sys,w)
ans = 0.9705 - 0.1961i

この例では、慣性テンソル J と振幅が 0.2 の減衰力 F で角を中心にして回転しているキューブについて考えます。システムへの入力は駆動トルクであり、角速度が出力です。このキューブの状態空間行列は次のようになります。

A=-J-1F,B=J-1,C=I,D=0,where,J=[8-3-3-38-3-3-38]andF=[0.20000.20000.2]

行列 ABC および D を指定して、連続時間状態空間モデルを作成します。

J = [8 -3 -3; -3 8 -3; -3 -3 8];
F = 0.2*eye(3);
A = -J\F;
B = inv(J);
C = eye(3);
D = 0;
sys = ss(A,B,C,D);
size(sys)
State-space model with 3 outputs, 3 inputs, and 3 states.

0.2 ラジアン/秒におけるシステムの周波数応答を計算します。sys が連続時間モデルであるため、周波数をラプラス変数 s で表します。

w = 0.2;
s = j*w;
frsp = evalfr(sys,s)
frsp = 3×3 complex

   0.3607 - 0.9672i   0.3197 - 0.5164i   0.3197 - 0.5164i
   0.3197 - 0.5164i   0.3607 - 0.9672i   0.3197 - 0.5164i
   0.3197 - 0.5164i   0.3197 - 0.5164i   0.3607 - 0.9672i

あるいは、freqresp コマンドを使用し、周波数のスカラー値を直接使用して周波数応答を評価することもできます。

H = freqresp(sys,w)
H = 3×3 complex

   0.3607 - 0.9672i   0.3197 - 0.5164i   0.3197 - 0.5164i
   0.3197 - 0.5164i   0.3607 - 0.9672i   0.3197 - 0.5164i
   0.3197 - 0.5164i   0.3197 - 0.5164i   0.3607 - 0.9672i

入力引数

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動的システム。SISO または MIMO 動的システム モデルか、動的システム モデルの配列として指定します。使用できる動的システムには次のようなものがあります。

  • ss モデル、tf モデル、zpk モデルなどの LTI モデル。

  • sparss モデルまたは mechss モデルなどのスパース状態空間モデル。

  • genss または uss (Robust Control Toolbox) モデルなどの一般化された状態空間モデルまたは不確かさをもつ状態空間モデル。(不確かさをもつモデルを使用するには Robust Control Toolbox™ ソフトウェアが必要です。)

    • 調整可能な制御設計ブロックの場合、関数はモデルをその現在の値で評価して周波数応答データを評価します。

    • 不確かさをもつ制御設計ブロックの場合、関数はモデルのノミナル値とランダム サンプルで周波数応答を評価します。

  • idss (System Identification Toolbox) モデルなどの同定された状態空間モデル。(同定されたモデルを使用するには System Identification Toolbox™ ソフトウェアが必要です。)

モデルの完全なリストについては、動的システム モデルを参照してください。

システム応答を評価する複素平面の点。複素数スカラーとして指定します。連続時間 sys の場合、点 x は連続時間のラプラス変数 s の平面における点です。離散時間 sys の場合、x は離散時間のラプラス変数 z の平面における点です。

特定の周波数におけるシステムの応答を評価するには、該当するラプラス変数で周波数を指定します。たとえば、システム sys の周波数値 w rad/s における周波数応答を評価する場合は次を使用します。

  • 連続時間 sys の場合は x = j*w

  • 離散時間 sys の場合は z = exp(j*w*Ts)。ここで Ts はサンプル時間です。

出力引数

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x におけるシステムの周波数応答。複素数スカラー (SISO sys の場合) または複素数配列 (MIMO sys の場合) として返されます。MIMO システムの場合、配列次元は sys の I/O 次元に対応します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入

参考

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