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comm.LTEMIMOChannel

(削除予定) LTE MIMO マルチパス フェージング チャネルによる入力信号のフィルター処理

comm.LTEMIMOChannel は将来のリリースで削除される予定です。代わりに comm.MIMOChannel を使用してください。

説明

comm.LTEMIMOChannel System object™ は、LTE 多入力多出力 (MIMO) マルチパス フェージング チャネルをフィルター処理して入力信号を抽出します。

comm.MIMOChannel System object の特殊実装である comm.LTEMIMOChannel System object には LTE リンク レベルでのシミュレーションで使用できる事前設定の構成が用意されています。comm.MIMOChannel System object に加え、comm.LTEMIMOChannel System object も相関行列を 4 桁の精度に丸めて半正定に訂正します。この System object は各リンクのレイリー フェージングをモデル化します。

LTE MIMO マルチパス フェージング チャネルにより入力信号をフィルター処理するには、次を行います。

  1. LTE MIMO マルチパス フェージング チャネル オブジェクトを定義および設定します。構築を参照してください。

  2. step を呼び出して、comm.LTEMIMOChannel に従い、LTE MIMO マルチパス フェージング チャネルにより入力信号をフィルター処理します。step の動作は、ツールボックスの各オブジェクト固有のものです。

メモ

R2016b 以降では、step メソッドを使用して、System object によって定義された演算を実行する代わりに、引数を関数であるかのように使ってオブジェクトを呼び出すことができます。たとえば、y = step(obj,x)y = obj(x) は同等の演算を実行します。

構築

H = comm.LTEMIMOChannel は、3GPP LTE (Long Term Evolution) Release 10 で規定されている多入力多出力 (MIMO) マルチパス フェージング チャネル System object H を作成します。このオブジェクトは、マルチパス LTE MIMO チャネルからの実数または複素数の入力信号をフィルター処理して、チャネルで劣化した信号を取得します。

H = comm.LTEMIMOChannel(Name,Value) は、Name で指定されたプロパティを Value で指定された値に設定して、LTE MIMO マルチパス フェージング チャネル オブジェクト H を作成します。(Name1,Value1,...,NameN,ValueN) のように、追加の名前と値のペアの引数を任意の順番で指定できます。

プロパティ

SampleRate

入力信号のサンプルレート (Hz)

入力信号のサンプルレートを倍精度、実数、正のスカラー値としてヘルツ単位で指定します。このプロパティの既定の値は、LTE 仕様で規定されている 30.72 MHz です。

Profile

チャネルの伝播プロファイル

LTE マルチパス フェージング チャネルの伝播条件を、LTE 仕様 Release 10 でサポートされている EPA 5HzEVA 5HzEVA 70HzETU 70HzETU 300Hz のいずれかに指定します。このプロパティの既定値は EPA 5Hz です。

このプロパティはチャネルの遅延プロファイルを EPA、EVA または ETU のいずれかに指定します。また、チャネルの最大ドップラー シフトを 5 Hz、70 Hz または 300 Hz に指定します。LTE 仕様ではドップラー スペクトルは常に Jakes の形状をもっています。EPA プロファイルには 7 個のパスがあり、EVA プロファイルと ETU プロファイルには 9 個のパスがあります。

以下の各表は、各プロファイルに関連付けられたパスごとの遅延と相対電力のリストです。

 拡張歩行者 A モデル (EPA)

 拡張車両 A モデル (EVA)

 拡張標準都市モデル (ETU)

AntennaConfiguration

アンテナの構成

LTE MIMO チャネルのアンテナ構成を 1x22x24x24x4 のいずれかに指定します。これらの構成は LTE 仕様 Release 10 でサポートされています。このプロパティの既定値は、2x2 です。

プロパティ値は Nt 行 Nr 列の形式をとります。Nt は送信アンテナの数を、Nr は受信アンテナの数を表します。

CorrelationLevel

空間相関の強度

LTE MIMO チャネルの空間相関の強度を LowMediumHigh のいずれかに指定します。このプロパティの既定値は Low です。このプロパティを Low に設定すると、MIMO チャネルの空間相関はなくなります。

送受信空間相関行列は、このプロパティから LTE 仕様 Release 10 に従って定義されます。詳細は、「アルゴリズム」の節を参照してください。

AntennaSelection

アンテナの選択

アンテナ選択スキームを OffTxRxTx and Rx のいずれかに指定します。ここで、Tx は送信アンテナを表し、Rx は受信アンテナを表します。Tx または Rx の一方または両方を選択する場合は、どのアンテナを信号伝送用に選択するかを追加の入力パラメーターで指定する必要があります。このプロパティの既定値は Off です。

RandomStream

乱数ストリームのソース

乱数ストリームのソースを Global stream または mt19937ar with seed のいずれかに指定します。このプロパティの既定値は Global stream です。このプロパティを Global stream に設定すると、正規分布の乱数発生に現在のグローバル乱数ストリームが使用されます。この場合は、reset メソッドでフィルターがリセットされるだけです。RandomStreammt19937ar with seed に設定すると、正規分布の乱数発生にオブジェクトで mt19937ar アルゴリズムが使用されます。この場合、reset メソッドはフィルターをリセットし、乱数ストリームを Seed プロパティの値に再初期化します。

Seed

mt19937ar 乱数ストリームの初期シード

mt19937ar 乱数発生アルゴリズムの初期シードを、倍精度、実数、非負の整数スカラーとして指定します。このプロパティの既定値は 73 です。このプロパティは、RandomStream プロパティを mt19937ar with seed に設定した場合に適用されます。Seed は、reset メソッドで mt19937ar 乱数ストリームを再初期化します。

NormalizePathGains

パス ゲインの正規化 (論理値)

このプロパティを true に設定するとフェージング処理が正規化され、長時間で平均したパス ゲインの強度の総和は 0 dB になります。このプロパティの既定値は true です。このプロパティを false に設定すると、パス ゲインの正規化は行われません。

NormalizeChannelOutputs

チャネル出力の正規化 (論理値)

このプロパティを true に設定すると、受信アンテナの数によってチャネル出力が正規化されます。このプロパティの既定値は true です。このプロパティを false に設定すると、チャネル出力の正規化は行われません。

PathGainsOutputPort

パス ゲイン出力の有効化 (論理値)

このプロパティを true に設定すると、潜在的なフェージング処理のチャネル パス ゲインが出力されます。このプロパティの既定値は false です。

メソッド

reset(削除予定) LTEMIMOChannel オブジェクトの状態のリセット
step(削除予定) LTE MIMO マルチパス フェージング チャネルによる入力信号のフィルター処理
すべての System object に共通
release

System object のプロパティ値の変更の許可

すべて展開する

LTEMIMOChannel System object を使用して、同等の MIMOChannel System object を構成します。その後、2 つのオブジェクトからのチャネル出力とパス ゲイン出力が等しいことを確認します。

PSK 変調器 System object™ を作成して、ランダムに生成されたデータを変調します。

pskModulator = comm.PSKModulator;
modData = pskModulator(randi([0 pskModulator.ModulationOrder-1],2e3,1));

変調データを 2 つの空間ストリームに分割します。

channelInput = reshape(modData,[2 1e3]).';

2 行 2 列のアンテナ構成と中位の相関レベルをもつ LTEMIMOChannel System object を作成します。

lteChan = comm.LTEMIMOChannel(...
    'Profile',              'EVA 5Hz',...
    'AntennaConfiguration', '2x2',...
    'CorrelationLevel',     'Medium',...
    'AntennaSelection',     'Off',...
    'RandomStream',         'mt19937ar with seed',...
    'Seed',                 99,...
    'PathGainsOutputPort',  true);
Warning: COMM.LTEMIMOCHANNEL will be removed in a future release. Use COMM.MIMOCHANNEL or LTEFADINGCHANNEL instead. See <a href="matlab:helpview(fullfile(docroot, 'toolbox', 'comm', 'comm.map'), 'REMOVE_LTEMIMOChannel')">this release note</a> for more information.

LTEMIMOChannel System object である lteChan を使用して、変調データをフィルター処理します。

[LTEChanOut,LTEPathGains] = lteChan(channelInput);

LTEMIMOChannel System object、lteChan のプロパティを使用して、同等の MIMOChannel System object、mimoChannel を作成します。

KFactorDirectPathDopplerShift および DirectPathInitialPhase の各プロパティは MIMOChannel System object のみに存在します。MIMOChannel System object の他のプロパティはすべて LTEMIMOChannel System object にもありますが、一部のプロパティは非表示で読み取り専用です。

mimoChannel = comm.MIMOChannel( ...
    'SampleRate',lteChan.SampleRate, ...
    'PathDelays',lteChan.PathDelays, ...
    'AveragePathGains',lteChan.AveragePathGains, ...
    'NormalizePathGains',lteChan.NormalizePathGains, ...
    'FadingDistribution',lteChan.FadingDistribution, ...
    'MaximumDopplerShift',lteChan.MaximumDopplerShift, ...
    'DopplerSpectrum',lteChan.DopplerSpectrum, ...
    'SpatialCorrelationSpecification', ...
         lteChan.SpatialCorrelationSpecification, ...
    'SpatialCorrelationMatrix',lteChan.SpatialCorrelationMatrix, ...
    'AntennaSelection',lteChan.AntennaSelection, ...
    'NormalizeChannelOutputs',lteChan.NormalizeChannelOutputs, ...
    'RandomStream',lteChan.RandomStream, ...
    'Seed',lteChan.Seed, ...
    'PathGainsOutputPort',lteChan.PathGainsOutputPort,...
    'ChannelInterpolationMethod','Sinc');

同等の mimoChannel オブジェクトを使用して、変調データをフィルター処理します。

[MIMOChanOut, MIMOPathGains] = mimoChannel(channelInput);

2 つのオブジェクトからのチャネル出力とパス ゲイン出力が等しいことを確認します。

sameChOutput = isequal(LTEChanOut,MIMOChanOut)
sameChOutput = logical
   1

samePathGains = isequal(LTEPathGains,MIMOPathGains)
samePathGains = logical
   1

lteChan に対して AntennaConfiguration4x2 または 4x4 に、CorrelationLevelMedium または High に設定して上記のプロセスを繰り返すことができます。

アルゴリズム

この System object は comm.MIMOChannel System object の特殊な実装です。アルゴリズム情報の詳細は、comm.MIMOChannel System object のヘルプ ページを参照してください。

空間相関行列

次の表は、送信機 eNodeB の相関行列を定義します。

 1 つのアンテナ2 つのアンテナ4 つのアンテナ
eNodeB 相関

ReNB = 1

ReNB=(1        αα    1)

ReNB=(1α19α49αα19*1α19α49α49*α19*1α19α*α49*α19*1)

次の表は、受信機 UE の相関行列を定義します。

 1 つのアンテナ2 つのアンテナ4 つのアンテナ
UE 相関

RUE = 1

RUE=(1        ββ    1)

RUE=(1β19β49ββ19*1β19β49β49*β19*1β19β*β49*β19*1)

次の表は、送信機と受信機のアンテナ間の Rspat チャネル空間相関行列を示しています。

Tx-by-Rx 構成相関行列
1-by-2

Rspat=RUE=[1ββ*1]

2-by-2

Rspat=ReNBRUE=[1αα*1][1ββ*1]=[1βααββ*1αβ*αα*α*β1βα*β*α*β*1]

4-by-2

Rspat=ReNBRUE=[1α19α49αα19*1α19α49α49*α19*1α19α*α49*α19*1][1ββ*1]

4-by-4

Rspat=ReNBRUE=[1α19α49αα19*1α19α49α49*α19*1α19α*α49*α19*1](1β19β49ββ19*1β19β49β49*β19*1β19β*β49*β19*1)

空間相関の訂正

低い相関中位の相関高い相関
αβαβαβ
000.30.90.90.9

4 桁の精度に丸めた後の相関行列が確実に半正定になるように、この System object は次の計算式を使用します。

Rhigh=[Rspatial+aIn]/(1+a)

ここで

α は、半正定結果を得るために最小値が使用されるようにしたスケーリング係数を表します。

4-by-2 の高い相関の場合、α=0.00010 です。

4-by-4 の高い相関の場合、α=0.00012 です。

このオブジェクトは、4-by-4 の中位の相関行列が、α = 0.00012 で 4 桁の精度に丸めた後で半正定になるように調整するためにも同じ方法を使用します。

参考文献

[1] 3rd Generation Partnership Project, Technical Specification Group Radio Access Network, Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA), Base Station (BS) radio transmission and reception, Release 10, 2009–2010, 3GPP TS 36.104, Vol. 10.0.0.

[2] 3rd Generation Partnership Project, Technical Specification Group Radio Access Network, Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA), User Equipment (UE) radio transmission and reception, Release 10, 2010, 3GPP TS 36.101, Vol. 10.0.0.

[3] Oestges, C., and B. Clerckx. MIMO Wireless Communications: From Real-World Propagation to Space-Time Code Design, Academic Press, 2007.

[4] Correira, L. M. Mobile Broadband Multimedia Networks: Techniques, Models and Tools for 4G, Academic Press, 2006.

[5] Jeruchim, M., P. Balaban, and K. S. Shanmugan. Simulation of Communication Systems, Second Edition, New York, Kluwer Academic/Plenum, 2000.

拡張機能

R2012a で導入