MISRA C:2012 Rule 9.1

The value of an object with automatic storage duration shall not be read before it has been set

説明

レポート内のメッセージ:

ルール定義

The value of an object with automatic storage duration shall not be read before it has been set ¹ .

根拠

自動ストレージ期間をもつ変数には囲んでいるコードブロックの先頭でメモリが割り当てられ、最後で割り当てが解除されます。グローバルではない変数には static または extern と宣言されたものを除いて、すべてこのストレージ期間があります。

自動ストレージ期間をもつ変数は自動的に初期化されず、不確定の値をもちます。したがって、書き込み操作を介して値を設定する前にそのような変数の読み取りを行ってはいけません。

Polyspace 実装

Polyspace ^® は、コードに以下の問題が含まれている場合にこの違反を報告します。

トラブルシューティング

ルール違反を想定していてもその違反が表示されない場合、コーディング規約違反が想定どおりに表示されない理由の診断を参照します。

例

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初期化前の変数の読み取り

command が 2 でない場合、変数 val には値が割り当てられません。この場合、関数 get_sensor_value の戻り値は未定です。

int get_sensor_value(void)
{
    extern int getsensor(void);
    int command;
    int val;

    command = getsensor();
    if (command == 2) 
      {
        val = getsensor();
      }

    return val; //Noncompliant              
   
}

初期化前のポインターのデリファレンス

prev が NULL でない場合、ポインター pi にはアドレスが割り当てられません。しかし、prev が NULL かどうかにかかわりなく、pi はすべての実行パスでデリファレンスされます。

#include <stdlib.h>

int* assign_pointer(int* prev)
{
    int j = 42;
    int* pi;

    if (prev == NULL) 
      {
        pi = (int*)malloc(sizeof(int));
        if (pi == NULL) return NULL;
      }

    *pi = j; //Noncompliant                    

    return pi;
}

チェック情報

グループ: 初期化

カテゴリ: Mandatory

AGC カテゴリ: Mandatory

バージョン履歴

R2014b で導入

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R2023a: 未初期化変数は非準拠として報告される

次の問題が発生する場合、ルールチェッカーがこのルールの違反を報告するようになりました。

これまで、このチェッカーは [未初期化変数] の有無のみを確認していました。

参考

MISRA C:2012 Rule 15.1 | MISRA C:2012 Rule 15.3 | MISRA C:2012 のチェック (-misra3)

トピック

コーディング規約違反のチェックおよびレビュー

The MISRA coding standards referenced in the Polyspace Bug Finder™ documentation are from the following MISRA standards:

MISRA C:2004
MISRA C:2012
MISRA C:2023
MISRA C++:2008
MISRA C++:2023

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