Liquidnet、約定実績測定ツールを開発

「私にとって、MATLAB は迅速な定量解析に最適なツールです。大規模なデータセットを解析し、結果を視覚化し、プロセスを検証した後に自動化することができます。Java® または同様の言語でゼロから完全な約定解析システムを構築すると、数か月長くかかるでしょう。」

課題

小さな時間スケールで取引実績を測定する

ソリューション

MATLAB と付属ツールボックスを使用して、特定の取引データと市場動向を比較し、実績の定量指標を算出する自動システムを開発する

結果

  • 取引の評価を数時間ではなく数分で完了
  • 毎日の取引の 100% を解析可能
  • データ入力エラーの可能性を排除
Price, executions, and performance measures of one order plotted using Liquidnet Execution Analyzer.

Liquidnet Execution Analyzer を使用してプロットされた 1 つの注文の価格、約定、および実績指標。

機関投資家は、通常、数万株にも及ぶ取引を実行します。公開市場で多数の取引が実行されると株式の価格が上下し、それにより、株式の購入に支払う金額が増えたり、株式の売却で受け取る金額が少なくなったりします。大規模な取引による市場への影響を低減するために、このような投資家は、取引が匿名で実行される Liquidnet などの代替取引システムを利用するようになってきています。

Liquidnet では、最良な執行を確実にし、詳細な解析ツールを顧客に提供するために、短い時間スケールで注文約定価格と市場動向を比較するポストトレード解析ツールである Execution Analyzer を開発しました。同社は、MATLAB® を使用して、開発期間を劇的に短縮しました。

「当社は、この解析ツールを当社のシステムで提供しようと考えていましたが、開発に数か月かかることは望んでいませんでした」と Liquidnet のクオンツ アナリスト Shelly Shi 氏は述べています。「MATLAB とその付属ツールボックスは、すぐに使えるデータベース アクセス機能やデータ解析機能を備えているので、Liquidnet で実行された取引を評価するための完全なソリューションを開発する最速の方法でした。」

課題

注文約定の実績は、通常、大きな時間スケールで、始値、終値、売買高加重平均価格 (VWAP) などのさまざまなベンチマークに対して測定されます。しかし、動きの速い株式市場では、トレーダーの多くは、自分の取引について、特にダーク プールで実行される規模の大きな取引については、 小さな時間スケールでの実績を知りたがっています。

約定の実績を測定するために、Liquidnet では、取引の前後で株式の約定価格と価格動向を比較することによってすべての取引を解析し、定量指標を計算する必要があります。これまで、Liquidnet では、Microsoft ® Excel ® スプレッドシートを使用して、この解析を実行していました。個々のデータセットに対してその都度手動で作業していたため、多くの場合、1 つの注文を評価するのに数時間かかっていました。

「以前のプロセスでは、SQL クエリを作成し、結果をスプレッドシートにコピーして、それを手動で処理していました」と Shi 氏は述べています。「わずかな取引をチェックするだけでも丸 1 日かかっていたので、毎日実行されるすべての取引を解析するのは難題でした。プロセスを自動化する必要がありましたが、スプレッドシートでは不可能でした。」

ソリューション

Liquidnet では、MATLAB と付属ツールボックスを使用して、小さな時間スケールで約定実績を測定する自動システムである Execution Analyzer を開発しました。

Shi 氏は、同僚と共に、Database Toolbox を使用して、Liquidnet の約定データと市場データを Oracle® データベースから MATLAB にインポートしました。™今すぐダウンロード。

MATLAB と Curve Fitting Toolbox™を使用して、Shi 氏は、Liquidnet の取引に関係する株式ごとに市場のヒストリカル データをモデル化しました。その後、約定価格と価格動向を比較し、各約定の実績を表す定量指標を算出するアルゴリズムを MATLAB で開発しました。この指標は統計的にも意味があるため、後で統計解析に使用できます。

さらに、Statistics and Machine Learning Toolbox™ を使用して、さまざまなグループの取引に対して各種の統計解析を実行しました。この解析は、Liquidnet の取引アルゴリズムのさらなる改善に使用されました。

ユーザーに対して実績を可視化するため、Execution Analyzer では、MATLAB プロット ツールを使用してグラフが生成されます。

結果

  • 取引の評価を数時間ではなく数分で完了. 「当社の Excel ベースのプロセスでは、1 つの取引を解析するのに数時間を要していました」と Shi 氏は述べています。「MATLAB を使用すると、数分で同じ解析を完了できるので、当社の市場での約定をすべて解析できるシステムを実装できます。」
  • 毎日の取引の 100% を解析可能. 「Execution Analyzer を構築する前は、約定解析には多大な労力が必要であったため、実行されたすべての取引に対応するのは難題でした」と Shi 氏は述べています。「MATLAB により、毎日 Liquidnet で実行された注文の 100% を解析できる自動システムを構築できました。」
  • データ入力エラーの可能性を排除. 「MATLAB システムは、データ入力や他の処理手順で人間が操作する必要がないので、当社の手動方式よりも信頼性が高いです」と Shi 氏は述べています。「MATLAB では、当社のデータベースから取引データや市場データが直接取得されるので、このプロセスで人的エラーが発生する可能性はありません。」